2011年9月3日公開

監督失格

1112011年9月3日公開
監督失格
3.6

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(66件)


  • mei

    2.0

    親が子を思う気持ちは本物

    この映画を酷評してる人は正常な思考だと思える。 由美香さんの夢が、結婚して子供がほしい だったなら、その夢を叶えて欲しかった。既婚者なら無理だっただろうが。 そのときに幸せになっていたなら、あんな事にはならなかっただろうから。 最後まで添い遂げた訳ではないのに、最後のシーンが演技で滑稽に思えた。 自分が幸せに出来なかったという言葉はなかったし、葬儀に胸の谷間があらわな助手の存在も??不思議だった。 ただ私は「子を思う親の気持ち」という目線で、そこは真実だと思った。 男性の格好をした母親は、女性として生きることを辞め、野方ホープという有名店を築いていた。 娘をただ慈しみ愛していたように感じた。 男性との交際がうまくいかないなら、母親と暮らせば良かったのにと強く感じた。 監督失格というタイトルだが、当時恋人だから撮らせた映像もあると思う。 セクシー系の作品に出ている人は不幸な死を遂げる人が多い。 幸せな結婚ができない人も多い。 女性の立場として私には最初から最後までこの監督は彼女を「利用」しているように思えた。

  • bgg********

    3.0

    敷島シネプップ

    最期のシーン生々しかった。

  • ルー

    2.0

    薄口ヘビードキュメンタリー

    良くも悪くも中盤のあのシーンが全てを持っていってますねえ。あのシーンがなかったら、と考えてみるとそれはそれで成立してるデキの良さだけになんだか複雑。話題性的にはこれでよかったのかもしれませんが、それ邦画の悪いトコ。あの観後感を支えられるのは矢野顕子以外なし。

  • 入江 信子

    3.0

    何とも言えないが・・・

    出棺の時にかつての男達に棺を持たれている 彼女はある意味幸せ者だと思いました。

  • jir********

    4.0

    ネタバレ人生とは、無意味な空騒ぎ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • pl1********

    1.0

    監督失格とか謙遜しなくていい

    人間失格。見下げた野郎です。 ここまで残酷な搾取の話は見たことが無い。想像力が無い。不寛容、無自覚、無神経、リアルで人間的な関わりなど1つも持っていない。すべて頭の台本の中の駒。この男は妻や由美香といった大事であるはずの人間に対してさえも配慮というものを全く持ち合わせません。僕が平野を人間だと呼びたくない理由はそこにあります。 虚像を愛し、主人公の平野の中に、人間・林由美香が生きていたとは思えません。悲しんでいるフリまでして。はっきり言ってこの男、極悪人です。北斗の拳に出てたら真っ先にケンシロウに爆発させられるタイプの人ですよ。 こんな男にほだされるほど、こんな嘘も見抜けないほど、この映画を見る方のリテラシーは低いとは思いたくありません。 もし自分が主人公の平野だったらと思うと津軽海峡に身投げしたくなるレベルです。最低最悪の男として後世に語り継がなければなりません。 それなのに良き話“げ”に演出するあざとさが鼻につくため、半笑いな態度で観ざるをえません。

  • kai********

    3.0

    監督の演技が達者だった

    なんだか、けりをつけるやら、由美香と別れたくなかったやら、いかにも辛い演出を自らしている感じが痛々しい。 あの衝撃的映像は見入ったが、それ以外は嘘が多すぎる。 たしかに凄いドキュメンタリーだが、観ている人が高評価をやりすぎだろう。二回目観たらばかばかしくなるから、真面目に。 自分の利益なんだよ、作品を世に出すって。それだけなんだよ。美化しないでほしい。

  • yar********

    4.0

    ネタバレ男が作った、男のための映画

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • まるたん

    3.0

    「しあわせだよ、大好きだよ」の嘘

    この映画を観て、2つだけ自信をもって断言できることがある。身も蓋もないこと承知。 ひとつめは、林由美香という人が自転車旅行でのテントでつぶやく「しあわせだよ、大好きだよ」という言葉がほんとうの言葉ではないということ。 ここでいう「ほんとうの言葉ではない」というのは、ドキュメンタリーのなかでフィクショナルに用意されたセリフと指摘しているのではなく、ただ単に彼女はそんなことはこれっぽっちも思ってなかった言葉だということ。 ふたつめは、この映画は、自殺された部屋に入って、そしてどういうわけか回しっぱなしになったカメラなしではありえなかったドキュメンタリーであろうということ。 アダルトビデオの世界は、徹頭徹尾男性の視点で女性が描かれる。男性が望む女性しか、そこには現れない。これでもか、これでもかと、女性の「赤裸々」が暴きたてられる。AV女優は、それをまっとうに演じる存在だ。 極めて一方通行な「赤裸々」だが、これが本当に赤裸々なものなのかは疑問である。裸になり、欲情に身を委ね、そして体液にまみれた汚辱に打ち震える。それを見よ、というのがAVの価値である。 それは一方的な方向からしか視点がありえない対幻想の愉楽である。それを視るものは、いつだって片思いに宙ぶらりんになっている。 テントの中に横たわり、「しあわせだよ、大好きだよ」とカメラにむかってつぶやく林由美香の目と表情に、自分は奇妙さを感じた。直感的にこれは嘘だろうと思う。これは間違っていないと思う。だが、この作品の撮り手はそんなことは全く意に介さない。 「監督失格だね」と、林由美香がこの作品の監督に毒づいたのは、一番ドキュメンタリーとして撮らねばならないシーンを撮らなかったこの監督のナイーブさに触れたものだった。そう、ナイーブである。「しあわせだよ、大好きだよ」という言葉を、そのままで受け止めて、だが、カメラの向こうの林由美香の表情は、この人の意味づけから、ずっと逃げ続けている。 このドキュメンタリー作品が素晴らしいとすれば、このズレがうまくカメラがとらえ続けていることである。監督はそれにうっすらと自覚しているはずである。一方通行で林由美香を追う恋闕らしき情熱・・・しかしそれすらもフィクショナルなものではないかという逡巡があり、それをどこかで懐疑している監督のカメラが、じっと対象を追う。 皆が思うほどに、この作品は簡単な純愛ものではありえない。もっと意地の悪い視点が忍び込んでいる。いや、もしかすると、その意地の悪さそのものが作品をつくっているような勘ぐりまでしたくなる。 数年後、監督とはとうの昔に別れ、今では年下の男に振り回されている林由美香をカメラは追う。 誕生日に自宅でインタビューというシチュエーションもよくわからないが、そこには林由美香の死が転がっている。カメラはまわりつづけている。監督の助手の女が、慌てふためいてカメラを回しっぱなしにしてしまったから、その一部始終が撮られている。 号泣する母親。おろおろとしながらも、病院と警察を手配する監督。警察の事情聴取。 大事なところでカメラをまわしていないのは監督失格、といわれたことが、そこで映画としてつながる。ここに何か偶然ではすまされない意志を感じる。 冗長でもあり、とても映画館のスクリーンには耐えれないVHSテープから起こされたような前半部分と、ここで完璧にぴったりと結びつく。単なるレクイエムの作品から、万人の観賞に耐えうる作品となった瞬間が見事である。 かたちんばの対幻想に身を焦がすことに慣れている私たちは、そこで、これではまるで林由美香が、これを撮れとあらかじめわかっていて呼び寄せたようではないか、とも思うことができる。なんという作品なのであろうか。 自分は林由美香という人をほとんど知らない。別にアダルトビデオを観ないというわけではなく、単に自分の趣味タイプの女優ではなかったからだ。この人の絶頂期に、ひとりぐらしの自分の家にビデオがなかったというのも理由のひとつ。 だから、レクイエムとしてこの映画を観るわけにはいかない。奇跡的に映画として成立したドキュメンタリーとして強く印象に残ったというところまで。 レイクエイムだから、余計なことは撮られていないからだ。すれ違いと撮り手と撮られる女優の意地悪さと嘘。それが最後に見事に劇化される、監督と女優の共犯性と健気さに、ただ茫然とするしかない。

  • mas********

    5.0

    イエスとマリアの告白

    バブル時代に青年期を過ごして来た男性にとって、「林由美香」と「飯島愛」という二人の女優の名を知らない者はいません。  二人ともAVという特殊な場所の俳優さんであり、また二人とも似た死に方をしました。    私はこの映画を、園子温監督の『恋の罪』のあとに観賞し、真実と虚飾とは何かという難しい問題に直面しました。  一般的にアダルト映画というと、何かと胡散臭い、淫靡(いんび)なイメージの象徴と思われる方も多いでしょう。確かにそんな映像も存在します。しかし日活ロマンポルノをはじめ、現在日本で活躍されている有名監督は、ほぼ成人向け映画の出身者です。    そこに描かれるエロティシズムは、人間本来の本質をあぶり出せる上で格好な素材なんだと思います。そして、そこに出演している女優さん達も、真実なプロです。そのプロ意識を持つが故に、それに関係する人間達は苦悩し、この映画の監督は、プロ「林由美香」に、「監督として失格」と、突き放されます。監督は彼女に恋しながら、偉大なるライバルとして「林由美香」に愛情を持っていたのでしょう。  監督は言います。「彼女に認められたい」それが監督の目標だったのです。恋人以上に、監督にとって「由美香」はミューズであり、聖母だという事も分かります。  その聖母が突然、非業な死を迎えます。その現場の迫真の映像は観る者に圧倒的な臨場感を与えます。迫り来る現実に、映像の向こうの出演者ともども、私たち観覧者さえも、一時その真(まこと)を受け入れられなくなります。  大切な人の死はにわかに実感出来ません。のちのち、底知れぬ喪失として湧いて来るものです。それを表すように、元恋人の死の現場では冷静であった監督は、時間が経つに連れ、自失し、創造力さえ失います。    そこには、アダルトビデオの監督という社会的に、また道徳的にどうかという恥じらった気持ちさえありません。本当の人間の姿です。「林由美香」さえそうです。「飯島愛」も、相当なプロであり、一般的(この言葉は嫌いであるが)な人間以上に人間らしい生き方をした遺影として人の心の中に生き続けるのではないでしょうか。  園子温監督『恋の罪』は、貞淑や威厳に隠れた虚飾の「裸」をあぶり出します。この作品の出来はどうあれ、比較対象として観れば、「貞淑」と「淫乱」どちらが真実な人間の在り方か、そしてそれらが、虚実一体である事がよく分かります。

  • yn0********

    2.0

    想いは痛い程わかるが。。

    色んな意味で観るのがツラい作品。亡くなったかつての恋人が忘れられずの想いは伝わってくるが、自称失格監督のことも亡くなったAV女優のことも全く知らない自分のような人間が感情移入できる内容だろうか、果たして。決して故人を貶めるわけではないが、内輪の追悼映画の域を出ていないように感じた。

  • oo0********

    1.0

    監督失格

    本当に・・・・ここまでつまらないDVDを借りたのは初めて。平野さんの他の作品なんて知らないし、結局は死んだ人までもネタにしないと映画作れないんでしょう。

  • けん

    5.0

    すべての人が生きているということ

    当たり前のことですが、 当たり前のことというのは、 常に忘れられる傾向にあるように思う。 映画への感想なんてものはなく、絶句しかないが、 誰しもが『衝撃』を知る必要があるように思う。 3.11以降、あるいは9.11以降、 『生』は考え直されるのだと思っていました。 しかしながら、当たり前であることは忘れられる。 また、クリエイションとは誰しもに平等であり、 また、誰しもがもがき苦しむものであるように思う。 生み出されたモノの『評価』なんてものは、 個人個人の主観であり、ただの雑感でしかないように思う。 だから、そんなくだらない感想に躊躇するのではなく、 『作品』として発表できる人を単純に尊敬する。 ただ、正直『なんだか、お腹いたいです。。。』 昔、『エレファント』を見て鬱になり、 『誰も知らない』を見て救われました。 もう、放映は終わってしまいましたが、 『クリエイション』の作品という意味において、 『イグジット スルー ザ ギフトショップ』を見て、 救われたいと思います。 衝撃的な作品だと個人的には思います。 観賞後は、一人でごはんは食べたくない。 気持ちになりました。 興味のある方は事前情報なく観るのをお勧めします。 ただ、情緒が安定しているときにして下さいね。

  • どーもキューブ

    5.0

    平野監督のドキュメント大合格

    スタジオカラー提供。プロデュース庵野秀明。カメラ、編集、出演、監督、平野勝之。 2011年劇場公開邦画作品で一番見たかった作品。 平野勝之、元大人のビデオ監督。(人物レビューものちブログ予定) 本作にインサートされる作品の核、「由美香」鑑賞済み。 次作「流れ物図鑑」は、東京に行った際見た。BOX東中野で殴られた。面白かった。劇場に平野さんチャリ飾ってあった。 その平野監督が長らく封印していた作品を紐解き作り出した。 なんとプロデュース、ただでさえ自作「エヴァンゲリオン」リメイクで忙しい最中の庵野秀明監督!「由実香」を見て、当時「(旧)劇場版エヴァンゲリオン」製作中で煮詰まった庵野監督が救われ、涙した本作。その恩返しにと製作を買って出た。 劇場は、六本木公開?、うわぁいきテーとつぶやく。庵野監督の初実写「式日」同様に行きてぇーというボルテージマックス。 首をながーく待ちすぎて待った 東宝2枚組DVD特典ディスク有り、購入鑑賞しました。 うわぁ、こりゃー凄いです。久々なんか、あのーどう言ったらいいか、鑑賞後、それは、ちょうど原一男監督「ゆきゆきて神軍」を見終えた後のような 重たい、そして、あったかい爆弾をドキュメンタリーで見せつけ、魅せ、脅されたようでした。 声にゾワゾワしたというか、振るえがきましたねー、久々に。はい。それほど このドキュメンタリーには 素晴らしい瞬間 がありまして これは私原一男作品以来のメガトンボムを食らいました。 やっぱり凄い作品でした。 内容は、 ひらたくぶっちゃけると 平野監督のAV劇場公開ドキュメンタリー「由実香」プラスその後のドキュメンタリーという作品です。 監督と女優の恋、愛、旅ドキュメンタリーであるといえます。 あとは解説したくありません。 まあ見る人によっては、「だから、なにが言いたいの?」とか こんなAVのドキュメント見せられても、ぐちゃぐちゃしてるのみせられても、よく知らないし、とか ヤラセくさい?とかいろんな邪念さぞ、 浮かぶかとは思います。 私はやはりこの2人の関係性、作為的なカメラ的共犯恋愛映画に不思議と 愛を見て 醜を見て 追い詰めと サドマゾと 肉体と運動と 景色と痴話痴情と 人を愛した ゆみかさんを愛した平野さんの強烈なドキュメンタリーだと痛感しました。 「監督失格?」いやいやドキュメンタリーとして、最強に合格でしょ!と思いました。 かつてないむしゃぶるいと終わりの矢野さんの歌に今までの緊張がとけ、少し力がぬけたように癒され、救われました。 この作品は、そんじょそこらじゃ作れない 念、思いのつみ重ね、魂 が、はいってると私は思います。 ドキュメンタリー映画史上でも、小川伸介、原一男、につぐ、残る作品だと思います。 はいすんげーですから!最初、ニコニコ、中ぱっぱっ、だんだん締め付けられ、、、はい結末。襲われるんです、本ドキュメンタリーの力に、リアルなんてもんじゃない、、、ドキュメントですから。 作為と私意が入り、それがドキュメントですから。 素晴らしい平野さんの自我撮り愛憎悪爆弾 立派にやられました。 さて 監督、ゆみかの共犯ドキュメンタリー 監督失格 いやいや 平野監督のドキュメント大合格 ゆみかを愛したら監督失格になってしまったのか? 平野監督の生涯に一本しか撮れない渾身の作品です! 参りました! 追伸 本作気になった方は 松江監督の「アンニョンゆみか」もどうぞ! 追記 特典映像には、平野監督8ミリ映像あり。そこに映画友である園子温監督がいらっしゃいます。こちら「愛の街角2丁目3番地」レビュー予定。

  • b03********

    5.0

    セックスという行為以上のもの

    これはもう映画を観る、という体験というよりも観客ひとりひとりが平野勝之監督とAV女優林由美香の生活に割り込み、最後は林由美香の葬式に参列したような気分になる凄まじい映画だった。映画の終了後、ヒルズの観客は全員黙りこみ、となりのOLは嗚咽し、若い男女はロビーの出口で抱きあってキスしていた。映画ってなんだ?俺が今まで見てきたのはあれはなんだったんだ?愛の先には死があり、その死と向かいあえるかで再び愛が問われる。AVを超えたドロドロのAV映画。映画「監督失格」は女性に見て欲しい。 きっと僕と同じ(それなりの人生経験を積んだ)男性ならわかってくれると思うけど、愛する女性と一緒になり、裸を見せ合い、お互いを愛撫し、セックスをして、強く抱きしめても、いや愛するからこそ、もっとこの女性と一緒になりたい、独占したい、すべてを受け入れたい、という欲望が湧く。愛すれば愛するほど。もうどうしようもない愛、ある時は狂気さえ感じる愛の痛みだ。それをただの「ラブ」とか「愛している」なんて表現するにはあまりにも無理がある。いっそメチャメチャにしたい。狂ってしまいたい。愛による破壊、愛の臨界点と表現しようか。この「監督失格」を観て僕はこの性愛以上のどす黒いものの正体がなんとなくわかったような気がする。 この映画のもう一つのテーマは家族だ。北海道旅行の時の彼女の平野監督に向けられた「幸せだよ」は、だから自分に対しての存在理由の再確認に聞こえてしまう。チンケな家族愛とは違う、幸せになれない母と娘の心の奥から吐き出される愛だ。AV女優という職業だって(だからこそ)由美香の願いは悲しく切ない。急死現場の母親の取り乱すシーンには母親の愛がバシバシ伝わって僕はそこで鳥肌が立った。 由美香の死後、平野監督は映画が撮れなくなるが、それでも平野監督は今回この「監督失格」という映画を苦しみながらも完成させることによって林由美香も成仏されたのではないだろうか?ドロドロとした性愛以上の愛の先には死があり、その死と向かいあえるかで再び愛が問われ悩み苦しむ。裸やセックス描写などAVを超えたドロドロの人生のAV映画。これを「人生」とか「生きる」なんて安っぽい言葉で言うのはこの映画に大して失礼だ。そして僕は正面向いてこの映画に向かい合い、自分自身に問いかけてみたいとおもう。 六本木ヒルズに行くまで、きっと映画館では昔、林由美香にお世話になった往年のAV好きのオッサンが多いかな?と思ったら予想以上に女性も多く、また客層も若かった。僕はこの映画を特に女性の方に観て欲しいと思う。最後に、この映画を見て平野監督のことをかっこ悪くてダサくて、ダメな人間だと思ったら、それがなによりものこのダメ男をかつて愛した林由美香への鎮魂歌(レクイエム)のような気がしてならない。「監督よかったね」って。 林由美香よ、安らかに眠れ。 追伸:僕には最後の矢野顕子の曲は不要に感じた。あのままブツっと終わってくれた方が救いようがなくてよかった。ドキュメントフィルム以外は不要に感じられたが、きっと異論はあるだろうな。いろんな意見があっていい。いい映画は刺激を生む。

  • yi_********

    4.0

    監督失格

     平野勝之監督は何でも人妻・不倫が好きらしく、林由美香さんとも不倫関係にあり、その時に作られたアダルトビデオが『わくわく不倫旅行』…ということで『監督失格』です。今作はドキュメンタリー映画監督やAV監で知られる平野監督が2005年に失くなった元恋人の林由美香さんとの出会いから別れ、そして再生を描いたドキュメンタリー映画で、『エヴァンゲリヲン』シリーズの庵野秀明監督が実写映画を初プロデュースし、矢野顕子さんが音楽を担当したことでも話題の作品です。あの強烈な予告で一気に惹かれてしまい、林さんのことをほとんど知らない状態で予備知識ほぼゼロの状態で観に行ったのですが…いやー、今作ほど批判することの出来ない映画は他にはないよね!観ている最中”これは映画なのか”、”なぜ俺はこんなのを観ているのか”、”これを観て何か得るものがあるのか”などなど、とにかく色々なことを考えながら観てしまったんですが、観終わって平野監督が”死”をテーマに扱った物語にありふれた、一見シンプルな答えにたどり着いたとき…何故か涙が出てしまったよね。ここまで生々しく親しい人の”死”に触れることの出来た映画はないでしょう。  今作はラース・フォン・トリアー監督が鬱病の治療も兼ねて『アンチクライスト』を作り上げたように平野監督が林さんとの思い出を振り返って過去と決別し、新たな人生を歩もうとする”過去と再生”をベースに作り上げた、言わば平野監督のオナニーに111分間付き合うって感じの作品に仕上がっています。前半は平野監督と林さんが二人で一ヶ月費やして日本の最北端にある北海道の島まで自転車で旅する過程を通して平野監督と林さんの出会いや林さんはどのような人だったのか、そして林さんのAV女優になるまでのあまりにも悲惨過ぎる人生を振り返り、後半は2005年の林さんの誕生日に起きたあの出来事の映像を15分以上挟んでから平野監督と林さんのお母さんが林さんの死を乗り越える様子を展開していきます。タイトルの『監督失格』とはケンカしたときなど普通の映画でいう山場的場面に限ってカメラを回していない平野監督のことを指し、平野監督は彼が持つ”何気ないやりとりにも重要な要素がある”みたいなモットーから林さんといるときのほとんどをカメラに納めていて、あの日もいつも通りカメラを回して林さんの部屋を訪れたんだが…観ている最中はハッキリ言って「なぜこんな映画を観ているんだろうか」や「こんな監督のオナニーを観ていてなんの特があるんだろうか」と『アンチクライスト』と同じような感じで観ていたんですが、観終わってからは”もし家族や友人、恋人が突然死んだら…”ってことにはじめて向き合ってしまったという。「俺だったらふっ切れるまでどのくらい時間がかかるだろう」…そんなこと考えていたら自然と涙が出てしまったよね。そして平野監督が最後で心の中にずっとモヤモヤしていた何かの正体に気づいたとき、彼が起こした行動にも一見異様なんですがグッときてしまったという。個人的に一番印象的だったのは林さんのお母さんであり、野方ホープというラーメン屋を経営しているママでした。2005年のあの日の夜にマンションに訪れてからのママの苦しみは決してフィクション映画では味わうことの出来ない衝撃に襲われたし、予告にも登場する「人は二度死ぬ」っていう言葉も脳裏に焼き付いてしまいました。あと由美香さんは関わった人のほとんどを不幸にしてしまうほどハッキリ言ってしまえば”最も関わりたくないような女”です。時々由美香さんの行動や発言に平野監督同様ムカつくことさえありました。そんな由美香さんとずっと親しんできた平野監督は…やっぱ愛なのかな。あと劇場には少なからずエヴァファンらしき人もいて、私はあんま詳しくないのでわからないんですけどきっと庵野色も強い作品に仕上がっているのでしょう。ラストの矢野顕子さんの歌も平野監督と由美香さんの思い出にピッタリな曲で…エンドロールでもグッときちゃったよね。あえて不満点を挙げるとするならやっぱ前半の旅のシーンが長く感じてしまい、逆に後半の平野監督の再生ドラマが短く感じてしまったことでしょう。このバランスが良かったら尚更良い作品になったでしょうに…。  全体的に決して万人にオススメ出来るような作品ではありません。”衝撃的”と囁かれていますが、観た人によってはただただ退屈だと思える人もいるでしょう。私も二度と今作を観ることはないと思います。だけど私は中盤のあの日のママの叫び狂う姿が脳裏から離れなく、”親しい人の死”をここまで生々しくストレートに描いた作品は数少ないと思います。観終わって数日したら色々と思い出してジーンとするような作品なのかもね。大切な人とどう関わり合っていくのかを見つめ直したいって人にとくにオススメする作品です。(7点)

  • et_********

    5.0

    「喪の作業」という人としての使命

     ほとんどの映画といのは観客に見せることを第一の前提としていると思うのですが、この作品は違います。  平野監督が自分自身のけじめをつけるために、亡くなった林由美香に捧げた作品で、観客は二の次という印象を受けました。  それでいながら作品として、結果的に絶妙のバランスが取れているところが凄く良かったです。  林由美香はAV業界で伝説的な有名人ですが、作品としては、彼女の名を聞いたことも無いような、AVとは無縁の人向けに作られています。  それと彼女の代表作は数多くあるのですが、この作品はこれまでの作品とは視点がちょっと違います。  彼女自身を描くというより、もっと普遍的に、一人の人間の死というのが、身近の人にとってどのような重みを持っているのか、残された者たちがこれから生きていくために、それをどう乗り越えていかなければならないかといったことに、重点が置かれている気がしました。  そのためには過去の込み入った出来事なども、振り返れば甘美なものと変化されてしまっています。  かなりの部分で「由美香」からの映像をそのまま使われているのですが、そのそもAVの企画で立ち上げたに過ぎないものなのに、平野監督扮する爽やかな冒険野郎が一人で旅行する予定だったのを、好奇心旺盛な彼女が自発的に参加したという、ほとんど事実の歪曲がなされています。  実際はやりまくっていて、200発もやっちゃったとか宣伝文句にしてたのに、ここではエロさとも無縁です。  なにより、平野監督自身は、同情の余地の無い鬼畜と思うのですが、ここではキツイところもあるけど、心根はとても優しい中年男として描かれています。  かなり無理のある設定なためか「流れ者図鑑」の映像を使うところでは、主演の松梨智子の許可が得られず、モザイクだらけにした映像にせぜるえなかったところに苦笑しました。  それでもこの作品が説得力を失わないのは、平野監督が自分をさらけ出すことの誠実さには嘘偽りが無いと感じたからです。  それは、まるでこれは平野監督の遺書のようだと思えたくらいでした。  この作品を世に送り出さないことには前に進めないという決意を感じたのですが、同時にこの表現方法を使ってしまうと、もう後に出すものがないのではと感じました。  作品の後半で、以前とは見る影もないほど才能をすり減らし、体力的にもボロボロになってしまった監督が、最後の一滴をひねり出すようにして作品を完結させる姿に胸を打たれました。  一見、これは東宝が世の中でもっとも手掛けそうにない種類の作品で、映像も信じられないくらい粗いし暗いのですが、まるで一種の純愛映画のような雰囲気さえ漂っているほどの誠実さでした。

  • meg********

    1.0

    ネタバレ音楽が矢野顕子さん

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • mir********

    3.0

    作りもんじゃない生の人間のダメさぶり

    発表当時からなにかと話題。庵野秀明プロデュースというのも気になり遅ればせながら観る。心揺さぶれるような感動はなかったが、由美香と別れたあとの監督平野のダメさぶり、由美香の死亡を発見後、以降5年間、何も撮れなくなってしまった監督平野の、落ち込みぶりが、作り物ではない、なまなましい人間の記録になっていて、感動とはちょっと違うが、静かに心打たれる。 エンディングの矢野顕子「幸せのバカタレ」がぴったりで、とても印象的・効果的。

  • ぼごい

    2.0

    …音悪すぎ。

    テレビの音量MAXで干渉した。 ドキュメンタリーだから、しょうがないのかもしれないけど、音が悪い。 内容よりも音の悪さが衝撃だった。 これが映像のプロの仕事だろうか? ちゃんとスタジオ入って、音調整したのかなぁ。 商業映像作品として、耐えきれない程の音の悪さだ。 まさに監督失格でした(´Д`) 弟子のペヤングの機転の利くカメラワークは、良かった。 竹馬で全国一周している人のドキュメンタリーがみたい。

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