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クロエ (2009)

CHLOE

監督
アトム・エゴヤン
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  • みたログ 1,290

3.23 / 評価:569件

解説

『秘密のかけら』など独自の愛の世界を探求する鬼才、アトム・エゴヤン監督による官能サスペンス。何不自由ない生活を送りながら、夫の浮気疑惑によって自らを破滅へと追い込んでいく女性の悲しいさがを描き切る。孤独にさいなまれる主人公を体当たりで演じるのは、『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーア。魔性の娼婦(しょうふ)を、『ジュリエットからの手紙』のアマンダ・セイフライドが熱演する。2人の美女が織り成す危うい関係にゾクゾクする。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

キャサリン(ジュリアン・ムーア)は産婦人科医として成功し、大学教授の夫(リーアム・ニーソン)と息子(マックス・シエリオット)と平穏に暮らしていた。だが、ある日彼女は夫と教え子の浮気を疑い始め、何も手につかなくなる。彼女は偶然出会った美ぼうの娼婦(しょうふ)クロエ(アマンダ・セイフライド)に夫を誘惑してほしいともちかけ……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2009 Studio Canal All Rights Reserved.
(C)2009 Studio Canal All Rights Reserved.

「クロエ」リメイクの“人選”が功を奏した魅惑的な官能サスペンス

 先頃の「ツーリスト」が一例だが、さほど知名度の高くないヨーロッパ映画のリメイク権を買い、わかりやすく派手にしつらえ直すのはハリウッドの十八番だ。そのパターンを踏襲すれば、2003年の「恍惚」が元ネタの本作は気恥ずかしい昼メロになりかねない企画。ところが製作者アイバン・ライトマンの絶妙なスタッフ&キャストの人選により、実にスリリングな仕上がりとなった。

 アトム・エゴヤン監督率いるチームに、「セクレタリー」「毛皮のエロス」の脚本家が参加。何と“アブノーマル”な期待をそそる顔ぶれだろうか。案の定、序盤から鏡やガラスを用いたショットが頻出し、アマンダ・セイフライド扮する娼婦はまるで鏡の向こう側からやってきたかのように、もうひとりの主人公ジュリアン・ムーアの前に現れる。若く美しく謎めいた娼婦は、もしやミッドエイジ・クライシスの憂鬱に囚われた人妻の潜在願望的分身なのか。エゴヤン監督はそんな突飛な解釈の余地を残しつつ、エロティックな嘘と妄想がふたりの女の間を行き来し、膨張していく様を魅惑的に紡ぎ出す。

 ファンタジーを渇望する女と、他人のファンタジーを叶える女。後者の娼婦が自我に目覚め、人妻の領域を暴力的に浸食していくクライマックスはいかにもハリウッド映画的だが、ここでもガラスの演出が冴えている。現実とファンタジーの境界をもガシャンと粉砕する破壊音こそは、この物語を締めくくるにふさわしい。まさに身も心も壊れゆくファムファタールに血を通わせたセイフライドのしたたかな演技も、ぜひご賞味あれ。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2011年5月26日 更新

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