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劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ

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5.0

クソみたいな世の中を生きづらい正直な人へ

やっべー 最後泣きそうになってもーた 観てみたいと思ってた 『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』 ・プロ棋士を目指す女子高生。  大学進学を望む両親と分かり合えずケンカばかり。  そして兄は引きこもり生活を送っている。 ・一人息子を養うため、夜にポールダンサー、昼間には清掃業者のバイトとして働き、  生活費を稼ぐシングルマザー。  5歳の息子はパソコンを肌身離さず、「神聖かまってちゃん」のネット動画に夢中。  通っている保育園にまでパソコンを持ち込むため、問題になってしまう。 ・「神聖かまってちゃん」の売り出し方について、上層部の意見を受け入れられず、  バンドメンバーにも言い出せずにいるマネージャー。  レーベルとバンドとの板挟みに苦悩している。 「神聖かまってちゃん」のライブ当日までの、それぞれの一週間を描く。 監督は『SR サイタマノラッパー』の入江悠。 この方、何気ない会話を撮るのが上手い。 起伏なく、淡々と、とつとつとしてるのに、 退屈じゃなく、すごく観やすい。 『SR サイタマノラッパー』ファンなら クスッとなっちゃうキャスティングも絶妙。 登場人物たちが、何故、かまってちゃんを必要としているのか? もし、この映画を観るのなら、 かまってちゃんに関する最低限の知識はあった方がいいと思う。 ボーカルの「の子」が、小学校から中学校にかけて受けた、いじめ。 境界線人格障害を患っていること。 どんな想いを込めて、歌をうたっているのかということ。 それを知ってるだけでも、捉え方や感じ方が全く違うと思うから。 世の中の人から批判され叩かれまくり、 一部から失笑を浴びる一方で、 熱狂的なファンも多いこんなバンドもめずらしい。 の子の素行の悪さは、さすがにひど過ぎて嫌いだけど。歌は好き。 映画では演奏されないけれど、 『夕方のピアノ』とか初めて聴いたときは、 ものすごく嫌悪感でいっぱいになって、ウツになるかと思うほどだった。 でも、でも、あまりにも狂気的な正直さで、 胸が掻きむしりられそうな気持ちにもなる。 個人的に、かまってちゃんの曲は、必要な人が、 必要な時に聴けばいいものだと思っている。だから、おすすめはしない。 そういう意味でも、5歳の保育園児とか、 まだ必要としていない子どもたちに聴かせるなんて絶対いや。 映画でのラスト。 かまってちゃんのうたう『ロックンロールは鳴り止まないっ』の 突き抜けて行く感覚にふるえる。 そして、そのままエンドロールで流れる曲が『未ちなる方へ』だなんて。 泣いてしまいそうだったよ。 の子がいじめられていたときに、 唯一助けてくれた阿倍君へ向けて、つくられたといわれる曲。 ゼロ年代のカリスマロックバンドと呼ばれることもある「神聖かまってちゃん」。 いまを生きる子どもたちの “魂の叫び” なのかも知れない。 いまも、傷ついている人たちが沢山いる。 耳を傾けてみる。 きっと、救われる人だっている。 人の心を動かしてこそ、ほんとうの “ロック” だと思う。

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