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シャンハイ (2010)

SHANGHAI

監督
ミカエル・ハフストローム
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  • みたログ 691

2.80 / 評価:348件

もう少し掘り下げてほしかった

  • 野暮な江戸っ子 さん
  • 2011年11月3日 6時42分
  • 閲覧数 309
  • 役立ち度 28
    • 総合評価
    • ★★★★★

1941年の上海を舞台に描くアメリカ・中国合作のサスペンス大作ということですが、なるほどと思える米中的歴史認識で作られているのだなあと感じました。日本から見ると、ハリウッドが中国に気を遣って作った感じです。太平洋戦争勃発前の日本軍占領下の上海で、アメリカ諜報部員の死の裏に隠された人間模様が描かれています。歴史ミステリーと上海ノワールとでも言うべきかハードボイルドとラブロマンスを詰め込んだようですが、ちょっと消化不良のような気がしました。全体的には物語に関わる男女のほとんどが、愛と歴史に翻弄された悲しい運命の物語ということなのだと思います。
ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、渡辺謙や菊地凛子らが共演しています。
日本人としては、ハリウッドスターの渡辺謙と菊地凛子の活躍に期待したいところですが、菊地凛子については、なんだかおまけみたいな扱いで、ネームバリューが使われた感じでとてももったいないという印象です。渡辺謙の演技は安定していて見事なのですが、その設定が上海の日本軍人としては重要な人物だと思うのですが、嫉妬深い男にしか描かれていないようで、結局中途半端な印象となってしまいました。
ちなみに、チョウ・ユンファは上海闇社会のボスということなのですが、渡辺謙同様に半端な嫉妬深い男または純愛の男?(うそ臭くて理解できない)となっていました。
主役はジョン・キューザックとコン・リーなので、取り巻く人たちは大雑把でいいみたいです。
チラシなどには、登場人物の相関図が掲載されていますが、映画でもその程度の描き方しかしていないので、薄っぺらい印象だけが残りました。各々の人物設定と人間関係に深みが欲しいと思いました。

タナカ大佐(渡辺 謙)とスミコ(菊池凛子)の関係がよく分からず、なぜ執拗に追いかけているのかが分かりません。それは愛だと言うのならば、後出しすぎです。
経緯は不明ですが、冷酷なタナカ大佐にも、愛した女性が居たといことなのですね。
とにかく、愛した女性を失った悲しみは尋常でないという謙さんの演技でした。

そもそも、物語の発端となったコナーの死は、安直な嫉妬によるものとしていいのでしょうか?そこには何かが暗躍しているというミステリー性がありそうだったのに、殺される前のコナーの行動に意味はなかったのでしょうか。
そして、そのコナーとスミコの関係が分かりにくい。これも愛というくくりですか?

さらには、アンソニー(チョウ・ユンファ)の、アンナ(コン・リー)への想いは切ないと見るべきなのか?暗黒街のボスであっても大きな愛を貫き通すという美学があるのでしょう。アンナとポールの関係に気付き、嫉妬心を持ちながらも、アンナを守り、最後にはポール(ジョン・キューザック)にアンナを託すという男気を見せます。

でも、ラストで、アンナは、何故、あんな選択をしたのでしょうか?
愛よりも信念ならば、やっぱり愛は全てに勝るわけではないという物語だったのですね。

1941年の上海は、暗躍する米中日などの陰謀が渦巻き、愛さえも嘘になり、誰もが信じられない世界となっていました。
そんな状況でも真実の愛を見せた男と女が居たということ。
そういう観点に絞ってみるといいのかもしれません。宣伝も愛を売り文句にしています。

タイトルの通り、上海の街がもう一つの主役です。
1941年当時の、モダンだった魔都上海を再現した壮大なセットは、素晴らしい。今見るとレトロなのですが、時代を感じさせてくれるだけでなく、妖しい雰囲気がとても魅力的でした。当時はまだ租界という名称ではなかったようですが、中国でありながら中国ではなく、外国人が混在しながら暗黙のルールが出来上がっている、猥雑な雰囲気が醸し出されています。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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