2011年7月23日公開

黄色い星の子供たち

LA RAFLE./THE ROUNDUP

1252011年7月23日公開
黄色い星の子供たち
4.1

/ 224

38%
40%
17%
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1%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(96件)


  • db

    3.0

    切ない

    切ない

  • dkf********

    3.0

    テーマは重いが、印象は薄い残念作

    戦時中のフランスのユダヤ人摘発・迫害に実は自国政府が絡んでいたという知られざる史実を暴露した仏産歴史映画。フランス人にはショッキングな事実だろうが、政府はこれを戦後50年間も認めなかったというから酷い話だ。 本作はその悲劇を丁寧に描いていて、世界へ向けたメッセージとしては力のあるテーマだ。ただ史実を追う事に注力し過ぎ、演出が平坦で盛り上がりに欠けた印象を持った。 体育館に閉じ込められたユダヤ人達の描写にもそれほど悲惨さを感じられず、全体的にきれいに作り過ぎている感が拭えない。 メラニー・ロランも主役の扱いのわりには地味な印象ばかりが目立ち、いつもの美貌に見惚れる要素がなかったし、戦時中なのにあんなにでっぷり太ったジャン・レノのミスキャスト感が半端なく、作品を壊しているだけだ。 制作された意義と価値は間違いなく高いが、エンタメ度は低く、万人受けはしないだろう。もっと良い作品に出来たと思うだけに残念。

  • y0u********

    4.0

    ただただ辛い

    子どもに焦点を当てたナチスドイツ系の映画はとにかく観ていて辛い。かわいそすぎて、、、。 後味もあまり良くなかった。 こんな事件があったなんてこの映画を観るまで知らなかった。 ポーランドやドイツ、イタリアが舞台のホロコースト映画はたくさんあるけど、フランスでこんな酷い事があったとは。 それを知れただけでもこの映画を観た価値があると思う。

  • hor********

    2.0

    言い訳映画

    あの虐殺システムの中フランス側にもこんな良い人たちがいました、という言い訳めいた映画。 ちょいちょい出てくる下着のチラ見せシーンは観客サービスのつもりなんだろうか。逆に神経を疑う。

  • sig********

    3.0

    フランス黒歴史、だが映画としてはどうか?

    1942年、ナチスのホロコーストにフランス警察が協力してユダヤ人を捕らえ拘束したという、ちょっと信じ難い話です。 でも実話、捕らえられたユダヤ人たちが冬季競輪場(ヴェル・ディブ)に集められたため、ヴェル・ディブ事件と呼ばれているようです。 長年、この事件はフランスではタブー視され、長年公式には認められてきませんでした。 1995年にシラク大統領が演説で、ホロコーストにおけるフランスの責任を認めました。 肝心の映画の方ですが、やや単調です。普通のホロコースト映画とあまり変わりません。 もちろん史実としてこのようなことがあったことを映像化することに意義はありますが、メッセージ性があまり感じられません。 ジャン・レノとメラニー・ロランの無駄遣いですね。 むしろ、映画「サラの鍵」の方が、強烈なメッセージを残します。

  • yok********

    2.0

    美人のナースに話が引っ張られ過ぎて。

    いまいち、話の要が表現されていなかった。 同じ題材の「サラの鍵」の方が小説なのに、この歴史的事件の要を痛烈に表現していたと思う。

  • おすむすだん

    2.0

    始まって少しして、画の軽さに気がついた。

    ビデオ撮影の初期の作品みたいだなと一瞬思った。偽善の学芸会のようであった。ヒトラー役が、華奢だった。子どもはかわいくいたいけで、泣けた。でも、何かいやなかんじがした。

  • fg9********

    4.0

    記憶に留めて置かなければならない佳作

     …あらすじは、解説のとおり。  ナチスドイツによるユダヤ人虐殺ものは数多くあれども、それがフランスのパリでも行われたことなど不勉強な自分に知るよしもなく、また、ナチスドイツによって牛耳られていたフランス政権(警察)自らが実行部隊となって一斉検挙に及んだことにも驚いた。  そして、お決まりのとおり劣悪な環境の収容所(自転車競技場)へ閉じ込めれてしまうが、そこへ点検にやってきた消防士の隊長の高潔さには眼頭が熱くなった。  別々の収容所へ送られる母と子の別離のシーンなど、悲しくて切なくて重々しい場面が多い中にあって、エンディング・テロップの「子供も含めて1万3千人もの命が奪われたが、フランス市民の匿いなどにより、1万人もの命が救われた」とあって、人間の尊厳のようなものが感じられて、再び眼頭が熱くなった。  記憶に留めて置かなければならないなかなかの佳作だった。

  • mar********

    3.0

    ネタバレ物語には感動するが・・。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • d_h********

    4.0

    ネタバレ生き残った人々の優しさ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • たあこ

    5.0

    子供たちの哀しい瞳

    この映画に出会い、英語を再び(というより、イチから)学びたいと心から思った。 英語は全く分からないが、本編でフランス語を聴いていると、 “英語が分かれば、字幕なしで映画を「感じる」ことができるかも……” と思えたのだ。 英語が大の苦手な私に、そんな思いを抱かせた『黄色い星の子供たち』は、真に衝撃と感銘を受ける映画であろう。 この映画の注目すべき点は、子供たちの瞳である。 一斉検挙された人々に降り懸かる過酷な事態を、子供たちは時にひどく冷静に、その瞳を通して見つめている。 ラストの哀しい瞳(というよりは、虚無、だろうか)には、胸が張り裂けそうになる。 「悪の凡庸さ」に対抗するには、考え続けることが必要だ。 これは、私が敬服してやまないH.アレントから学んだことである。 彼女自身も「ユダヤ人」というだけの理由で、国外に亡命せざるを得ない状況に陥った。 そのような辛い過去を持ちながら「悪の凡庸さ」に帰趨したことは、(M.ハイデガーのナチス入党も大きな要因であるように思うが)彼女の自然と人を愛し、許せる性格ゆえだったのかも知れない。 『黄色い星の子供たち』に感銘を受けた方は、是非とも『ハンナ・アーレント』もご鑑賞いただきたい。 どちらも素晴らしい映画であることに間違いはない。 (但し、だれかれ構わずおススメできるような明るい内容では勿論ないので……ホロコーストに関心のある方だけにでも、心から推薦しておきたいです!) ……英語、頑張らねば。

  • des********

    3.0

    フィクション交えた伝記映画

    2015/10/07、DVDで鑑賞。 タイトルからするともっと子供が物語の全面に出てくるのかと思ったが、大人目線の話だった。むしろ主役はメラニー・ロランが演じる看護婦のアネットですね。ユゴ・ルヴェルデ演じるジョー・ヴァイスマンという子役が子役の中では物語に加わってきますが、中心にいるとは言えない。 それは良しとしてこの映画の題材のヴェル・ディヴ事件、フランス政府は割と最近まで責任を認めていなかったそうですね。ナチスの命令とはいえ手を下したのは全部フランスの警官。いくら敵対していた政権が行ったこととはいえ、後の政府が国として責任を認めないというのはないですね。この映画では二人(三人かな?)子供が生き残ったことになっていますが、実際には子供の生存者はいなかったそうです。 こういう映画にあまりジャン・レノは出してほしくなかった。収容所生活しているユダヤ人にしてはなんかゴツすぎて嘘っぽく見えちゃうんですよね。なんかリアリティが無くなるというか。客寄せかな?と思ってしまう。 競輪場に集められた時、トイレが足りないのか衆人の前で女性が小便をしていたけど、衛生的に考えてそれはあったのかな?ああいう風に人を過密に収容するときは伝染病には一番注意を払うだろうし。と、こんな風に設定を疑ってしまうようになっちゃう。

  • mam********

    5.0

    ホロコースト映画の秀作品です

    実際にパリで起きたヴェルディヴ事件を元に映画化した作品ですが、ホロコースト映画の中では「シンドラーのリスト」に次ぐ素晴らしい作品です、特にメラニーロレンの演技が素晴らしく、彼女の祖父もユダヤ人で実際にアウシュビッツに収容されていたそうです、涙なくしては観れない秀作です。

  • kps********

    2.0

    歴史的事実の羅列

    ナチスのユダヤ人虐殺を描いた映画なんだが、若い世代やあまりこういう作品を見たことがない人には凄い良作なんだろうと思う。 自分にはちょっと既視感というか、もう何度もこういう作品見てる感があって ちょっと見通すのがしんどかったかな。 取り立ててドラマしてないし、ちょっとドキュメントっぽい感じで淡々と進むしね。 もう最初のほうでラストに列車で送られて殺されること分かっちゃうんで、最後のシーンも取って付けたように見えてしまった。 これが最初の作品なら絶賛してるかも。 個人的には別段また作られる必要性を感じない作品。

  • jew********

    5.0

    題名見て、子供用のファンタジー映画かと

    最初この題名を見て、小さな子供が見るようなファンタジー映画と勘違いし、あまり面白そうにも思えなかったのでせっかく録画したが観ずに削除てしまおうかと思った。でも見てよかった。 ナチス占領下のフランスでのユダヤ人迫害を描いたこの作品の特徴は、とにかく映像が美しく、メラニー・ロランはきれいで、子供たちも愛らしく、常に家族愛とちょとした笑いにあふれ、悲惨で深刻な状況を敢えてフランス風の「美」のオブラートに包んであるような気もした。 黄色い星を胸に付けた子供たちが嫌がらせをするフランス人に対して「どうせユダヤ人嫌いなんだよねー、アーリア人が好きなんだよねー」などとおどけた口調で言い返したり、子供がヒトラーの演説のマネをして親を笑わせたり、監禁されている競技場にドイツの軍人たちが入ってくるとユダヤ人たちが一斉にブーイングを始め「人間のクズ!」など口々に罵詈雑言を投げつけたり、伝えられているドイツやオランダでのユダヤ人迫害に比べるとかなり自由な雰囲気で、これがリアルな描写なのかどうかはわからないが、ナチスの非道をすでに知っている我々にはその悲惨さが十分に伝わるし、これはこれでありなのかなと。 一斉検挙の日、アパートの一室でユダヤ人の母親とその幼い子供たちがまさに連行されようとしているときに、同じアパートのフランス人女性が飛び込んできて、そこにいたユダヤの子どもの手を引き、「あら、こんなとこにいたの?ダメじゃないのユダヤ人なんかと一緒にいて!」と子供を連れ去ろうとする。結局、子供がユダヤ人の自分の本当の母親をのほうを見て「ママ!」と叫んでしまい、このフランス人女性の必死の演技も無駄になる。せめて子供だけでも助けようと画策してくれたこのフランス女性にユダヤ人の母親が涙ながらに「ありがとう」つぶやくところは美しく、感動的。究極の悪の悲惨の中から生まれた究極の善意の崇高さとでもいうべきか。

  • shi********

    4.0

    悲劇を知り、学ぶ。意義と価値がある秀作。

    「もし過去に戻ることができたら、ヒトラーを殺すか?」 「私は医者だ。人の命を救うのが仕事だ。私は、ヒトラーを殺す。」 古い作品で恐縮だが「デッド・ゾーン」という作品中でのやりとりだ。 同じ想いに駆られてしまう。 ヒトラー率いるナチスドイツはユダヤ人600万人を虐殺したと言われている。 また、犠牲になったのはユダヤ人だけではなく、知的障害者やジプシーなどの民族も500万人を虐殺、合わせて1100万人を虐殺したと言われいる。 「ホロコースト」と呼ばれるこの大虐殺は広く知られている。 しかし本作で描かれている悲劇を、恥ずかしながら私は初めて知った。 1942年夏、ナチス占領下のフランス。 ユダヤ人たちは黄色い星の印を服に付けることを義務付けられていた。 彼らを差別的に扱う市民もいたが、差別なく好意的に接する市民もいた。 だが一部だったユダヤ人立ち入り禁止施設が拡大、人々はナチスによるユダヤ人狩りを予感していた。 7月16日、占領下フランス・ヴィシー政権(ヴィシーという町を首都としている)はナチスの圧力と取引に屈し、フランス警察によるユダヤ人一斉検挙が敢行される。 フランス市民に匿われたユダヤ人もいたが、1万3000人のユダヤ人が、まずはヴェル・ディル自転車競技場へ連行される。 医療品はおろか、水や食糧まで不足する劣悪環境。 当初は無邪気だった子供たちも、やがて疲労衰弱していく。 5日間放置されたのち、彼らは収容所へと移送される。 ここまでが話の中盤である。 その後の彼ら1万3000人の、特に無邪気な子供たちの、あまりに過酷な運命には愕然とするしかない。 前半は連行前の彼らの生活を丹念に描いている。 またヒトラーやフランス政府の様子も織り込まれていて、いかにフランス政府がこの愚行に走ったかもわかる。 描かれるヒトラーの様子が怒りを倍加させる。 家族とともに豪華な食事を取る様子や、「国際社会が騒ぐ前にやってしまおう」とヒムラーに語る様子などだ。 フランス政府要人の描写も同様で、上品な朝食を取りながら語るシーンもある。 ユダヤ人の運命を左右する事情とは、焼却炉の建設問題だけである。 真の意味の「人道的見地」などは存在しない。 それどころか終盤、恐るべき意味でこの「人道的見地」という言葉が使われる。 ホロコーストを扱った作品は過去に多々鑑賞しているが、いつも疑問に思う。 この許されざる蛮行は、なぜここまで大規模に行われたのか。 一部の人間が狂気に支配されて行われたわけではない。 何万人ものナチス兵士がこの蛮行に関わった。 罪なき者、特に無邪気な子供たちを死に至らしめるなど、いくら軍の命令とは言え、ここまで大規模に、かつ整然と行われたことは、何度考えても理解できない。 人間とは、ここまで愚かになれるのだろうか。 しかしこの大戦で迫害されたユダヤ人たちは、その後イスラエルを建国。 そこに暮らしていたパレスチナ人を追い出すことになるが、国際社会はこれを黙認。 奇しくも今上映されている「いのちの子ども」という作品からもわかるが、このことは依然解決の光が見えない国際問題となっている。 規模や手段や動機は異なるが、人間を迫害している点では同じ。 かつて被害者だったユダヤ人の一部が、今は加害者となっていることは残念でならない。 本作で描かれたこの「ヴェル・ディル事件」がフランス政府の責任によるものと明らかになったのは、それから50年近く経った1995年のことである。 このように歴史上封印され、その後数十年経て真相が明らかになる事件は、この事件だけではない。 「カティンの森」で描かれた「カティン事件」などである。 また悲しいことに、このような民族虐殺は近年でも発生している。 「ホテル・ルワンダ」「ルワンダの涙」で描かれたルワンダの大虐殺。 「戦場でワルツを」で描かれたレバノンのサブラ・シャティーラの虐殺。 「バビロンの陽光」で描かれたイラクのフセイン政権によるクルド人虐殺。 本来教育や報道で知るべきことなのだが、私は映画を通してより深く学び、また恥ずかしながら初めて知ったものもある。 だが実際、本作を含めこれらの作品を鑑賞していなければ、多くの人々は(特に我々日本人は)その出来事を知りもせずにいるのが現状ではないだろうか。 今年もまた終戦の夏を迎える。 原爆投下、東京大空襲を学ぶことももちろん大切である。 だが世界のこのような悲劇を知ることもまた、大切なのである。 そういう意味で、本作は非常に意義があると言える作品だ。 多くの人々に鑑賞してほしい価値ある作品の一つである。 またこのような自国の恥部とも言える事件を描く姿勢は大いに評価したい。 日本映画人にできることだろうか。

  • Patched Swispo

    5.0

    文句のつけようがない。

    ホロコースト関連の映画は少なくないが、それらの中でもこの作品は『シンドラーのリスト』と並ぶ(超!)名作だと個人的には感じている。 味方であるはずのフランス警察により、“ユダヤ系”だという“罪”で逮捕され、“死”への片道切符を渡される人たち。 当然、子どもたちも例外ではない。 我が子と引き裂かれる母親たちの悲痛な叫び声を私は決して忘れることができない。 互いに引き裂かれた母親たちと子どもたち。しかし、“合流地点”は初めから決まっていた…。“死”という“合流地点”は…。 だが、そのように絶望的な状況にあっても、“心ある人たち”というのは存在していた。 その中の一人が、この作品の主人公である実在の人物、赤十字社看護婦アネット・モノー(演:メラリー・ロラン)である。 劇中における彼女の働きは素晴らしいとしか言いようがない。人種における偏見など全く持たず、弱り果てていくユダヤ系の人たち(とくに子どもたち)に助けの手を差し伸べ続ける。激務のため彼女自身が倒れそうになりながらも、必死に弱者の世話を行い続ける。凄まじいまでの“自己犠牲”ぶりである。 そのような訳で当然といえば当然なのだが、この人は戦後イスラエル政府から『諸国民の中の正義の人』賞を贈られている。オスカー・シンドラーや杉原千畝が受賞したあの賞である。 私はこのメラリー・ロラン演じるアネット・モノーという人物の人となりに強い衝撃を受けたと同時に、自分も彼女と同じような状況に置かれた場合、彼女のように正しく人間味溢れる行動をとることができるのだろうかと自問させられた。 ぜひ、そのような人になりたいと強く思う。 最後になったが、メラリー・ロランの演技、秀逸だった。 最高点以外考えられない。

  • melrose1004

    5.0

    有刺鉄線を握りしめた、その掌に。

    『戦場のピアニスト』や『縞模様のパジャマの少年』。ユダヤものを扱った作品には、ある種の「衝撃」を伴うものが多いので、本作も、この数ヶ月その公開を待ちわびつつも、身構えながら劇場へと足を運びました。 観終えた直後の第一印象は、淡々とした静かな映画、ということ。 派手に慟哭を誘う演出があるわけではなく、若干の暴力は描かれていても、むごたらしい虐殺シーンがあるわけでもない。 しかし、ジャーナリスト出身の監督らしく、そして女性監督らしく、ストーリーを淡々と進ませることで真実の客観性を保ちつつ、悲しみの事実を日常生活に密着した観点から繊細に描き、なにより子供たちを温かく包み込むその視点が素晴らしく、後からじわじわ沁みて来る作品でした。 その日捕らえられたユダヤ人8000人が収容されたのは、冬季競技場「ヴェル・ディヴ」。 看護学校を卒業して初めての任務に赴いたアネットは、足を踏み入れるなり思わず鼻をつまむ。そういう形で、この歴史的事実の悲惨さを表現するところが見事。 喧騒の中にひとり呆然と立ちすくむアネットのアップから、競技場全体を見渡す位置まで引くカメラが捉える情景。まさに、数千の人が一箇所に閉じ込められている様をダイナミックに映し出す。 ぐったり疲れきった大人たちを尻目に、自身の置かれている状況を知る由もない子供たちが無邪気に走り回る光景は、実際に今起きている場面をリアルタイムで観ているかのようである。 しかし、そもそも証言や記録の乏しい「ヴェル・ディヴ事件」。 あくまで事実に拘るというスタンスで映画にし、使い古された形でなくドラマティックにメッセージを残すことは、そう簡単なことではなかったはず。 淡々としたストーリーの中でクライマックスに描かれたのは、一見ありがちな「家族の別離」。 次の収容所への移送が決まったが、今回はなぜか男と女子供に隔離される。 そして、さらには、子供は全員置いていき、10日後に改めて移送するとの決定が。 強制的に母親から引き離される子供たち。 どこへ連れて行かれるのか分からない不安の中でもここまで耐えてこられたのは、家族が一緒にいたからこそ。 劣悪な競技場に閉じ込められても、思い出話を笑顔でできる余裕があったのは、家族が一緒にいたからこそ。 事の真相に薄々気付き始めた大人たちは、引き離される子供たちに最後のメッセージを残す。 不安の中にも強い気持ちを保とうとしている息子ジョーに手を振る父の掌は、不条理への怒りに握り締めた有刺鉄線でついた傷から血が滲む・・・。 しかし、ただ単純に家族の別離の悲しさを描くものではないからこそ、この作品には深みがあると感じられた。 フランスからのユダヤ人移送を命じたナチスドイツは、子供は対象外としていたのだという。 「人道的理由」の名の下に、結果的に子供たちを死の収容所へと送り込んだのは、むしろフランス政府だった。 フランス映画であるこの作品は、自国の恥の部分に正面から向き合っている。 自由を求めてフランス国内に難を逃れていたユダヤ人たちから、自国の警察がその自由を奪い、ラジオや新聞は彼らを寄生虫扱いする。 時折さしはさまれるシーンに、違和感を覚えるほどに子煩悩な姿でヒトラーを描くことで、さらに自虐的に自国の過ちを強調しているかのようである。 しかし、一方で、そんな恥ずべき自国の歴史の中にも、幾ばくかの良心が残されていたことに、この作品は救いを見出そうとしている。 大量検挙当日に、1万人のユダヤ人を匿ったパリ市民。 数日にわたり水も食料もなかった「ヴェル・ディヴ」のユダヤ人たちに、上命に反して水をもたらし、手紙を預かった消防士たち。 そして、非情にもユダヤ人たちの家族を切り離したこのクライマックスは、それは最期の収容所での悲愴な別れを彼らに味わわせたくないとの思いからだった、とも解釈できる。 さらには、せめて子供たちだけでも救う道を模索しようとしてのことだったのかも知れないのだ。 父や母と離れ離れになってしまったジョーが、奇跡的にも生き延びることにもつながったこの別離のシーンは、当のユダヤ人たちだけでなく、自由と平等を標榜していたはずのフランス人たちにとっても絶望的なシーンであることは間違いない。 けれど、真摯に歴史に向き合おうとするこの作品に対しては、そこに一筋の希望の光を残しえた出来事としての救いの意義をも認めてあげたいと思うのである。 「黄色い星」とは、ユダヤ人たちであることを識別するために胸に装着を義務付けられたワッペンのこと。 つい隠してしまいたくなる「屈辱のレッテル」ではあったけれど、それをつけて元気に学校へと走りゆく子供たちの姿には、彼らのアイデンティティを象徴させようという制作者の思いも込められているのではないか、と思いたい。

  • やふたろう

    4.0

    名もなきシンドラーたちが唯一の救い

    悲劇の度合いが強ければ強いほど、その映画に感銘を受ける。 ナチスものなら『シンドラーのリスト』『善き人のためのソナタ』…と“特薦”映画に枚挙のいとまがない。 人間の行為としてはもっとも恥ずべき“ユダヤの迫害もの”を観るたびに「自分だったらどうだっただろう」と空想モードに突入する。 どうせ、凡人の端くれ。上層部にいることはない。 捕らえられるユダヤ側か、捕らえるナチス側か、それとも(この映画では)フランス側か。 ユダヤ側であった場合なら、こそこそお金を貯めて海外逃亡を最優先に考えそうだ。 ナチス側なら、自らの命を張ってでも上層部の命令に歯向かう兵士でありたいが、いわんやクレイジー・ヒトラーを暗殺するスーパーヒーローに憧れるが、結局は大勢には逆らえないダメな人間の一人になるだろう。 情けないが、罪なきユダヤ人に拳銃を向ける大勢の一人として。 重要なのは、フランス側である時に“ユダヤ人”を嫌悪する人間であるかどうか。 人間はそもそも残酷な動物だ。迫害を受けて連行される黄色い星の人々に罵詈雑言を浴びせることだってできる。 他人事ではない。日本のメディアでは、放射能汚染で苦しむ地域を『フクシマ』と差別的に表記したり、東北で収穫される米に『セシウムくん』と名づけたり。 凡人でも構わないから、人々が本当に苦しんでいる時は、名もなきシンドラーの一人でありたい。本作はこのような感情を恥ずかしげもなく醸しだす効果があるようだ。 “ヴェルディヴ”の惨状。 全く次元の異なることではあるが、3.11被災者の避難民に置き換える。 《できるのに、やるべき事をやらない》無能な菅政権の無作為が“ヴェルディヴ”を実質管理していたフランス政府(ヴィシー政権)のそれと実態は変わりがないほどに見えてくる。 極論すぎる極論と承知の上。 多くのフランス人たちは、ユダヤ人たちを助けようとはしなかったどころか、ナチスに協力して、それまでの隣人たちを差別し、排斥していったのが事実。 太平洋戦争時の日本国民の対応にどこか似ています。それが、人間の狂気。 それでもなお、正義はある。 赤十字のナース、1万人のユダヤ人を匿った(少なくない)善良なフランス市民、そして消防士たち。それぞれの立場で為すべき最善の行為を行った人々に感謝。 『黄色い星』はジャーナリスト出身の監督らしく、ドキュメント性に富んでいます。 伝えたいことが多すぎて軸がぶれてしまい、映画としての評価は若干低めになりましたが、1942年6月の出来事を知るには十分な完成度。 この映画に感銘を受けた方は12月に公開の決まった『サラの鍵』を観ることをお薦めします。 ヴェロドローム・ディヴェール(自転車競技場)のエピソードが、まるでデジャヴュのように撮られている。 ドラマ性は『サラの鍵』の方が高いです。 (2010年の東京国際映画祭「観客賞」「監督賞」受賞作、もちろん★5.です。) 8月6日、広島原爆の日。 あれだけの悲劇を生んだ核兵器は原子力と姿を変え「平和利用」の名のもとに、今日もまた放射能をまき散らす。

  • ome********

    3.0

    昔話よりも、、、

    戦後60年以上続くパレスチナ問題のほうが悲惨。ナチの迫害をテーマにした映画は他にもたくさんあるけど、ユダヤ人に心から同情できないのは、ユダヤ人(イスラエル)が「現代のナチス」になってしまっているからだろうね。

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