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極道めし
2011年9月23日公開

極道めし

1082011年9月23日公開

Kainage_Mondo

3.0

食べられることの幸せを肝に銘ずる。

金が無ければ食べられない。病気をしても食べられない。幼子なら、生まれ落ちた世界や環境のせいで食べられないことだってある。 “食べもの映画” を観るとき、いつもそんなことが頭の中を過る。残りの人生であと何回食事をすることが出来るのか、本作でもちらりと触れられていたが、そんなことも浮ぶ。美味しいものを出来るだけ何度も食べたい ・・・ 人として当たり前の望みが叶わない人が世界では大多数だという不条理も浮ぶ。昔から、私が食べもの映画に弱い理由だ。 な~んて小理屈はこのあたりで ( 笑 )。 漫画原作らしく映画もそのテイストである。受刑者たちが、おせち料理の一品を賭け、順番に思い出の “めし” の話で競うのだが、思い出のなかに登場する実家も、海辺も、スナックも、すべて舞台の書割 & 大道具の如きしつらえで、これは面白いなぁ~と思って観ていると、健太 ( 永岡佑 ) と しおり ( 木村文乃 ) の話だけは特別扱い。まぁ~主人公だから仕方がないかとは思ったが、このエピソードが結構ベタで盛り上がらない。木村の清純美人風テイストを楽しんでおくんなさい、ということなのだろうか ? 受刑者各人の個性は面白かったし、排便や放屁が遠慮無く描かれているのも許せる雰囲気だったし、思い出めしの描写が、 “美味しんぼ” の登場人物のセリフように、食感や味の表現がご大層で可笑しかった。個人的には、お袋の味のうちの黄金飯 と 味噌味の牛すき焼き が旨そうで、生唾ごくりもの ( これが採点ってのも振るっている ) だったが、インスタントラーメンも手間を掛ければ大したもの ってのも良かったかな。 出演者では、麿赤兒が圧倒的存在感で、首のひねりや頭の突き出し方などに大駱駝艦主宰の切れを感じた ( もっといろいろ見せて欲しかったな )。コンドルズ・ぎたろーも目立っていたが乱杭歯をなんとかせいよ~と思ってしまった。木野花 や でんでん はちょい役ながら良い味を出していた。上を向いて歩こう はエンドタイトルでトータス松本が歌っていたし、劇中でも大事な役目を負っていたが、もうひとつピンと来なかった。 そうそう、健太が独房で両手首を拘束されたまま食事を差し入れられ、這って行って犬喰いスタイルで食べるシーンがあったが、刑務所といえどもあれは無いだろう。嘘っぽいなぁ~と感じた瞬間、切なさなんぞ飛んでしまう。こしらえが過ぎたね。

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