少年と自転車 (2011)
LE GAMIN AU VELO/THE KID WITH A BIKE
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希望を感じさせてくれる作品
- vamos1or8 さん
- 2015年6月6日 0時46分
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12歳の少年シリルは養護施設で暮らす。
父親に養育放棄されたことを受け入れられず居所を探しているうちに
知り合った女性サマンサと週末里親の契約を結ぶ。
少年にかわいらしさを感じない、感情移入できないなどのレビューも散見したが、
むしろリアリティのある演出故の効果だと思った。
母を失くし、祖母が死んで父しかいない。その父も荷が重すぎる、と背中を向ける。
少年にとってカッコイイ自転車を買って貰ったことは父の愛の証のようなもの。
父は金に困ってその自転車を売っていた。
その現実に打ちのめされ、反抗的な態度で周囲を困らせる。しかし他にどうしろって言うのか?
深く傷ついた心を自分でもどうしたら良いのか分からなかったろう。
主人公演じるトマ・ドレの自然な演技に引きつけられ、心情が痛いほど伝わって来た。
不良グループにそそのかされて盗みを働いたシリルを責めることなく優しく抱きしめるサマンサ。
二人のように出会った時から何故かお互い強く信頼し合える関係は、実際存在する。
そして血が繋がっていても愛のない関係も多い。
要保護児童の半数以上が家庭での虐待が理由。
そんな現実に微かな希望を投げかける作品。
詳細評価
イメージワード
- 不思議
- 切ない
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