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回廊亭殺人事件 (2011)

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2.56 / 評価:16件

実写化する意味ないです

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2021年6月27日 1時02分
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1991年に東野圭吾が公表したミステリを、2011年に常盤貴子主演で単発スペシャルドラマ化したものです。本来の「映画」じゃありません。

 最近は東野作品の実写化は大ブームですね。確実に視聴率が取れるネタなんでしょう。ここ数年は三谷幸喜がアガサ・クリスティの作品を、舞台を日本に置き換えて野村萬斎主演で単発ドラマ化したものが話題になっていますが、こういういわゆる「本格ミステリ」もののファンっていうのは昔から確実に一定数いて、テレビ局にとってはありがたい安全パイなんじゃないでしょうか。

 この「回廊亭」も、「本格推理」ものの王道の密室劇です。テーマはこれまたポピュラーな遺産相続劇・遺言状騒動です、人の出入りのない旅館・回廊亭に遺言状の開封のために一族が集まったら、そこで殺人事件が起こった。さて犯人は誰か。整形で別人になりすます設定といい、何から何までどっかで見たことある舞台設定ですね。だからこそこのジャンルが好きな人は安心して謎解きを楽しめる、ってわけでしょう。

 私はこの種のミステリ・ドラマは嫌いです。先述の三谷作品もそうですけど、映像で映ってるのは旅館とかホテルとかの中だけで、人間関係とか個人の特長とか周辺事情なんかは全部、登場人物の「言葉」で説明されていきます。このドラマでも、最初にわっと10人ばかりの一族関係者が旅館の広間に出てきますが、死んだ富豪と誰がどんな関係にあるかということは、全部台詞によって説明されていきます。
 たった数分間で言葉だけで行なわれる人物紹介を、一発で全部記憶することに何の苦労も感じない人ってのは確かにいるもので、そういう人はそこから先の事件の展開を楽しく追いながら見れるんでしょうけれど。

 私はここで疑問に思ってしまう。
 こんなふうに言葉だけで筋が説明されるものを、なんでわざわざ実写ドラマで見なくちゃならないのか。それなら文庫の小説を読んでる方が、自由に立ち止まったり読み返したりしながら人間関係を想像力の中で思い描ける分だけ、面白く感じられる。そう思ってしまう。
 彼は弟で実業家です、彼はその兄で大学教授です、彼女は兄の妻ですが兄は既に他界しています、とかいった台詞のどっかを、LINEでも来たりして一瞬うっかり聞き逃したら、後で色々わからないところが出てくる。
 こっちは1日の仕事が終わって風呂にも入って寝る前に酒飲みながらゆっくりのんびり楽しむためにDVD見てるのに、なんでこんなに一瞬も気が抜けない集中力で台詞聞いてないといかんのか。映像作品ならもっと目で見てわかり、楽しめるものを見せろよ。と、私なんかは思います。

 この当時の東野圭吾は、本格ミステリ作家としての評価を確立したくて、こういうクリスティや横溝なんかと共通する難解パズルゲーム的作品を量産していました。
 最近の東野作品はもう少し幅が広がってきて、ただ単に「誰が犯人か」を当てるゲームを作るのでなく、殺さずにいられなかった動機の方を描くことに重点を置いたり、最新のバイオテクノロジーのはらむ倫理的問題に切り込んだり、と、色々考えさせられる作品がたくさんあります。そういう作品は、作り方によっては実写ドラマにすると面白くなると思います。
 実写ドラマにする価値が一番少ないこんな作品の実写ドラマを、今わざわざ取り出してきて見る価値は、ないと私は思いますねえ。これ見るぐらいならいっそ原作小説の方を読むことを、私はお勧めします。

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