優しい見せ方で、勇気のもらえる映画
- ron***** さん
- 2級
- 2020年5月26日 16時50分
- 閲覧数 237
- 役立ち度 2
- 総合評価
2009年に亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの遺作を、製作から8年を経て2017年に劇場公開。
ピアノの上手な女子学生、二胡を演奏する優等生など高校生たちが、宗教や民族の違いによる葛藤を抱えながら、音楽コンクール“タレンタイム”を目指す。
ドビュッシーの『月の光』、バッハの『ゴールドベルク変奏曲』などのクラシックに加え、マレーシアの人気アーティスト、ピート・テオが作曲したオリジナル曲など、多彩な音楽が物語を彩る。
出演は、パメラ・チョン、マヘシュ・ジュガル・キショール、「ムクシン」ノモハマド・シャフィー・ナスウィなど。
原題「Talentime」
マーレシア映画
配給はムヴィオラ
2009年作品
上映時間120分
〈仮設の映画館〉で鑑賞。
大阪なので地元の十三の第七藝術劇場を応援で。
仮設の映画館、家でみるのに上映前にちゃんと携帯電話のOFFなどの注意も入るのも面白い。
2009年、脳出血により死去したヤスミン・アフマド監督の遺作なので、前から観たいと思ってたんですが、〈仮設の映画館〉で上映されていることを知り、迷わず観ました。
かなり良かった。
学校の音楽コンテストに出場する生徒たちの話で、内容はかなり王道で、結構よくあるものなのでストーリーに新鮮味はなく、ベタなメロドラマですが、俳優のナチュラルな演技や、音楽や、けっこう唐突な展開などが面白いし、映像は美しいし、随所で心を打つ。
それに脚本が良く出来ていると思う。
なんか凄く懐かしい気分にもなった。
多くを語っておらず、観客に委ねるところもありで、ただのベタの映画とは違う。
この監督、小津安二郎とダグラス・サークに影響を受けているので、この作品も随所に小津っぽい無人シーンがあったりするのがまた萌える。
非常にまっすぐな映画でした。
なので変にスレていないので、見やすい。
なんせ劇中の音楽がめっちゃ良くて、それだけでも高得点。
オープニングのドビュッシー「月の光」でゆ〜っくりに引き込まれる。
ただ、登場人物が多くて、しかもマレーシアの名前なんで、覚えられん。
誰が誰だかよくわからんくなった。
マレーシアという国は、民族や宗教が異なる人々が暮らす多民族国家であり、国民のみなさん、様々な言語を話す国。
実際にこの映画でも、色んな国の言葉が使われていました。
マーレシアのことをもっと良く知っていると、より楽しめると思います。
劇中のオーディションの各人の音楽も多種多様で面白い。
派手に感動させるのではなく、ジーンという感動が随所にある。
優しい見せ方で、とても前向きになって、勇気のもらえる映画です。
興行的には、〈仮設の映画館〉なんでどう予想していいか難しいですね。
劇場公開だと、その劇場に行かないといけないど、〈仮設の映画館〉だと、日本中どこからでも観れますからね。
たくさん視聴があっても、満席にもならないし。
普通なら通常の劇場公開より、断然収益があるはずです。
ただ、〈仮設の映画館〉が世間的にそこまで浸透してるのかというと、それほどでもない。
というか、映画ファンしか知らない。
そもそも公開映画が、マイナーなので、〈仮設の映画館〉で観る方々は、コアな映画ファンがほとんどでしょう。
しかも、同時期に数本の作品があるし。。。
まあ好きな人はみんな観るでしょうけど。。。
さあ、これはどう予想したらいいんですかね。
1日、50人観るとしたら1800円なんで90000円。
これが30日だと270万円。
1日、どれくらい観られるものなんでしょうね。
最終興行収入は〈仮設の映画館〉だと全劇場で400万円くらい行くんでしょうか。
星4つ(5点満点)
★★★★
詳細評価
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