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富夫 (2011)

監督
伊藤潤二
  • みたいムービー 3
  • みたログ 21

2.65 / 評価:17件

ホラーという先入観で観るから失望するの

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2016年10月12日 14時48分
  • 閲覧数 557
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 私はこれ見て初めて「ああそうだったのか」と納得しました。伊藤潤二の作品がどれもこれも魅力的なのは、とてもグロテスクな画や物語の背後に、一貫して「滑稽さ」の要素があるからだったんだと。これがあるから、読んでいても決して本気で心底こわくなることがない。楽しめる。このグロテスクさを「楽しい」「美しい」と思える視点が確保されている。

 この『富夫』を「ホラー」という先入観で観てはいけません。これは「ホラー風コメディ」です。現実離れしている、といって文句を言う皆さんは、そもそもホラーだの幽霊だのSFだのというジャンル全般を観ないと決めておくことをお勧めします。

 最後に医者全員が首おさえて登場するのも、「彼らまでそうなった理由が理解できない」などとピント外れに健全な理性を発揮して考えないことです。冷静で科学的であるべき医者たちが仕事中の白衣を着たまま自分の首をおさえて立ってる姿の滑稽さを面白がるシーンなんです、あれは。
 冒頭シーンも、首から血だらだら流してる人を横目に「うるさいわねまったく」と立ち去っていく人々の光景は、滑稽であると同時に、都会の人々の他人に対する無関心さへの皮肉が利いてる。
 首が切れるという事態の重大さ・緊急さと、その男が券売機で切符を買って電車に乗ろうとするという日常の平凡さとのアンバランスに、吹き出しそうになった方は少なくないでしょう。

 そういうふうに観たら、これはこれでなかなか悪くない作品です。すばらしい、とまでいうにはちょっと安っぽすぎる印象はぬぐえませんでしたが。

詳細評価

物語
配役
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映像
音楽

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