2011年9月17日公開

女と銃と荒野の麺屋

A WOMAN, A GUN AND A NOODLE SHOP/三槍拍案驚奇

902011年9月17日公開
女と銃と荒野の麺屋
3.0

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(24件)


  • emi********

    2.0

    つまらない映画の楽しみ方

    ここではないどこかへ、ひとときの夢を見せてくれる映画が大好きです。 多ジャンルを観るので、ハズレも多く引きます。 そして、この映画は…ハズレでした。 時代背景が不明、ストーリーラインも不明、それが最初10分ほどでわかるので、別の方法で楽しみました。 (1)異文化体験 風習や衣服など、異文化なものを見つけて楽しむ。 この映画だと、金太郎風の前掛けや、警官のマッチ(綿に火打石)などがいい味だしていた。 (2)風景を楽しむ ”七色の山”として有名な七彩山。数年前にアンビリーバボーか何かで紹介されていて、覚えていました。また映画で見れてうれしい。 (3)脇キャラが見せてくれるネタ的要素 製麺作業で、ピザ職人のようにくるくると薄く延ばしていくシーン。 その後できあがる麺も、「これ絶対おいしい」と思える品。 このシーンが見れただけでも、よかったと思う。 繁盛している店(金庫に現金たっぷり)なのに、一般の客が入っている様子がないのも、シュールで良い。 90分という短さもよかった。つまらん映画で3時間とかだと、後半は怒り半分になるが、90分なので暇つぶしにちょうどいい。 観終わってから、まさかのチャン・イーモウ監督作品と知ってびっくり。 リメイク作品と知って、2度びっくり。 なぜチャン・イーモウ監督ほどの人が、リメイクまでしてこの作品を世に送り出したかったんだろう。 中国には未発掘の逸材も多いのだから、そういう作品を見せてください。 イーモウ監督、がんばれ。

  • fg9********

    3.0

    日本の正月の隠し芸大会に出場したら優勝

     …あらすじは、解説のとおり。  「サンザシの樹の下で」を観た翌日に観てしまったが、同じ監督が作った作品とは到底思えない。  麺屋の職人3人が、麺の生地打ちのパファーマンスを見せるシーンは印象に残ったが、日本の正月の隠し芸大会に出場したら優勝間違いなしか……。

  • w_s********

    4.0

    無数の穴から射し込む光

    あの場面をきっちりと“リメイク”するあたり、 一流と呼ばれる監督はやはり違うんだなと感心しました。 誰か日本を舞台にリメイクしてくれませんかね。

  • edo yabo

    3.0

    いいのか悪いのか分からない

    チャン・イーモウ監督が、コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』を中国に置き換えてリメイクした時代劇ですが、僕には微妙な感じでした。コーエン兄弟の作品自体が好みの分かれるものが多い中で、イーモウ風にするとさらに偏った感じがします。 いきないり国籍不明のダンスで始まりますが、設定が中国ということさえ分からなくします。麺屋の話なので、麺を作っているシーンもあるのですが、それは導入部のみで本筋にはあまり重要ではないようで、その意味もどうだったのでしょうか。 舞台を中国の原野にし、西部劇を中国に持ってくるとこんな荒野かと思わせます。 主要登場人物は4人。強欲な夫、勝気な妻と臆病なその浮気相手、妻と浮気相手の殺害を依頼された狡猾な悪徳警官。 いたずらとしか言いようのない運命を、限りないブラックユーモア満載で描いています。 万里の長城から西に位置する荒野の町で、中華麺屋を経営するごう慢な中年男ワン(ニー・ターホン)。妻(ヤン・ニー)が若い従業員リー(シャオ・シェンヤン)と浮気をしており、銃を購入したことを知ったワンは激怒し、2人の殺害を警察官のチャン(スン・ホンレイ)に依頼する。麺屋の金庫にある大金に目をつけていたチャンはあえて二人を見逃し、依頼とは違う行動に出るが、各々の思惑が事態を予想外の方向に動かす。 という物語なのですが、ワンがあっさり死んだりするので、変な方向に向かってしまうのですね。 嫉妬、復讐心、強欲、罪悪感などが殺伐とした中、ユーモアを交えて、絶妙なのかズレているのか解釈微妙な表現です。 ハリーの災難のように、ワンの死体も災難で、ブラックにブラックを重ねたようです。 チャン・イーモウ監督らしく、相変わらずの色づかいで、派手な衣装、赤茶けた荒野、冷気を感じる青い空と流れる雲、紫の夜と月の光。刻々と移り変わる色調の変化は、登場人物の感情を表しているかのようです。 この映画は、欲にまみれた人間の愚かさを、とにかくユーモアで語っていますが、ブラック極まりない。ただ、冗談なのか本気なのか、その表現は終始違和感があり、迷い込んでしまったまま終わってしまった感じがしました。

  • was********

    3.0

    麺づくりのシーンが面白い

    中国奥地の山の中にある一軒の麺屋が舞台です。 コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」がベースだそうですが、 残念ながら見ていないので比較できないのです。 麺屋の主人ワン、その妻(小池栄子に似ています)、使用人3人と悪徳警官が主な登場人物です。それぞれのキャラがよく描かれていました。 悪徳警官のセリフのないところの表情がなくワルワルでした。 従業員の2人の頭の足りなそうなキャラも良かったです。 あと、時を表す、中国の山の中の荒涼としたきれいな風景が印象に残りました。 特に、映画のなかで、麺を作るところがイタリアンのパイ生地を作るところのようで3人がサーカスのように面白かったです。

  • まるたん

    3.0

    チャン・イーモウ、迷走中

    中国版ラジー賞(年間最低映画に与えられる賞)が2010年から出来たそうで、それが「金の箒(ほうき)賞」 その第一回の受賞作品がこの「女と銃と荒野の麺屋」になります。チャン・イーモウみたいな巨匠がこういう賞をとるっていうのも、なかなか面白いもんですね。おめでとうございます(笑) そのためにストレートアヘッドな純愛悲劇「サンザシの樹の下で」より公開が遅れたということですが、「サンザシの樹の下で」がそれなりに日本の観客に好評だったというところから余勢をかって公開したんでしょうか。 しかし!チャン・イーモウの作品です。例え最低作品賞だった見逃すわけにはいきません! すでに日本公開からしばらくたって、午前中のプログラムになっていた最終公開日の六本木シネマートに向かいました。昼前の休日の六本木です。さわやかですね。 シネマートの隣のビルの階段には、酔っぱらってつぶれた若いサラリーマンが大股開きで寝ていましたが。 コーエン兄弟の80年代の出世作「ブラッドシンプル」のリメイクということですが、原典の乾いた暗さをそのまま喜劇仕立ての演出に転換させています。人間をよくよく観察してみると、シリアスと笑いは表裏の関係にあるわけです。だから目のつけどころは良いのではないかと思いますよ。中華仕立てのブラックユーモア。でも、まあ本作の笑いどころが笑えるものかといえば、ちょっとどうかなとも。 無国籍風の荒野のラーメン屋の設定は、ちょっとばかし中途半端だったかな。 「芙蓉鎮」の豆腐屋みたいに繁盛している必要はないけど、「中国娘」(2008年ロカルノ映画祭金豹賞のインディペンデント映画)の麺屋くらいの映画の中の必然性が欲しかった。 警察がガサ入れに来るときに、饗応してごまかそうとする場面で、店の従業員何人かがかりで麺をのばすアクロバティクなシーンが面白く目を奪われますが、なんかこのシーンのために麺屋にしたんじゃないかと思わせるぐらい、あんまり意味ないですね。 まあ、架空の時代を超越した感のある設定ですから、これぐらいでいいのかもしれませんが。 カネで買われた美人(ちょっとクセはあるけど)の嫁と、子どもが出来ないのを嫁のせいにして虐待する金持ちのダンナという設定は、「菊豆」そのまんまですね。不倫相手がなんともたよりにならない使用人のヤサ男というところもそのまんま。 情事の場所が人里離れた丘の上というのもそうですな。セルフパロディということですかね? 浮気をみつけたダンナが警察官雇って暗殺を依頼するのだが・・・というところからはコーエン兄弟の筋を比較的そのまま辿っています。 いちいちシーンが異様な色彩に包まれているのはチャン・イーモウならでは。まあしかし、喜劇仕立ての中だと、原色のガチャガチャ感がやりすぎな感じも受けなくはないです。 全体として、そんなに悪くはないですよ。面白い。 が、チャン・イーモウがこんなのやる必要があるのかどうかというと極めて疑問。 北京五輪の演出の後の第一作がこれですか。どうしちゃったんだろうという感じですね、正直なところ(笑) 「サンザシの樹の下で」は、それなりによく出来ている映画でしたが、あまりにも直球っぷりにびっくりしましたが、こっちの作品も違う意味で驚き。やりつくしちゃったんでしようかね。うむむ。

  • aki********

    1.0

    ××折り紙付きの駄作。つまらんすぎっ

    とてもヒーローや初恋のきた道の監督作品とは思えない。 しょーじきつまらない。 ビデオで見るのも、テレビで見るのもオススメしない。 時間の無駄。 映像はCGを多用した合成的色彩で、まったく感心せず。 また話もだらだらと展開のない物語で××。 ☆1つでも多い、評価対象外。

  • kap********

    3.0

    チャンイーモーの実験的な映画

    チャンイーモー監督と聞いて、期待を持って観た。想像していた内容とは結構違っていた。これは舞台劇か、というのが印象。黒澤明の白痴とかドデスカデンという作品を見た時の印象に近い感想をもった。ドラマティックでもなくブラックコメディなのだが、キレがイマイチ。実験的な作品のように感じた。

  • いやよセブン

    3.0

    オリンピック後の初作品

    コーエン兄弟デビュー作「ブラッド・シンプル」のリメイクだが、笑いの要素が強い。 主要登場人物は四人、従業員と浮気している妻、気付いている夫、浮気の相手の男、夫に雇われた警官。 殺人事件が起き、現場を見た人が、微妙にずれた思い込みで行動するため結局は・・・という話。 チャン・イーモウ監督には「至福のとき」という傑作人情喜劇があるが、今回は中途半端な感じ。

  • oce********

    3.0

    大衆演劇の様

    チャン・イーモウがあのコーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」をリメイクしたこの作品。 もちろん舞台は中国であり、荒野というのが1つのポイント。 オリジナルはタイトル通り本当にシンプルな計画を移すものだったが、こちらも主要な人物は6人のみ。 ただし演出がかなり違っており、まるで大げさな大衆演劇のように見えてしまう。 それはコメディ部分に共通しているし、突然来る銃撃も緊張感を煽る。 ただリメイクという部分を差し引いても、「ブラッド・シンプル」の方がやはり優れてるという結論は変えられない。

  • tkh********

    4.0

    良かったよ

    コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」を中国に置き換えてリメイクしたノワールタッチの時代劇作品。 「ブラッド・シンプル」は未鑑賞。 舞台は中国の原野にたたずむ麺屋ながら、どこか違和感漂う 未知の国っぽさと、微妙な個性のキャストに不安を感じましたが、 さすがチャン・イーモウ監督と思わせる美しい映像とブラックユーモア満載の 展開でラストまで楽しめました。 麺屋である理由は、このシーンを撮りたいが為じゃないかと思わせる 製麺の過程は必見です。 意外と楽しめるので、是非観て下さい。

  • かくれが

    2.0

    女と銃と荒野の麺屋@DVD

    オススメ度・・・2 鑑賞前期待度・・・4 鑑賞後満足度・・・2

  • tsu********

    3.0

    うまく料理しきれず

    チャン・イーモウとしてはうまく料理しきれなかったなという印象です。 店主の部屋に入れ替わり立ち代わりやってくる、カラフルな服を装った面々、わずかの差ですれ違ったり、或いは鉢合わせになったり、そのスリリングかつコミカルな演出がどうも中途半端。 話としては面白いはずなのに、どうもそれに乗り切れないのです。 セリフの使い方、編集の仕方、映像、いずれもうまくいっていないようで、せっかくの題材でしたが、あまり惹きつけられないまま終わってしまいました。

  • haf********

    4.0

    作品の狙いや仕掛けは面白い!観て損はない

    強烈な個性のタイトルとチャン・イーモウ作品という所に惹かれて鑑賞です。 始まりは唐突な感じもあり、最初はなかなか良さがわからなくて「うーん」と いう感じもしましたが、スン・ホンレイ演じる警察官チャンが依頼を受ける あたりからは、この作品の本領発揮です。 登場人物たちの偶然の連鎖、入れ替わり立ち代わり見せる表現の面白さ。 麺屋である必要は疑問もありますが、作品の狙いや仕掛けは十分楽しめる 作品だと思います。終盤は集中して鑑賞していました。 大絶賛とまではいかないまでも、一見の価値は十分にあり。 評価としては星3.5~4ぐらいを星4つとしたします。

  • mai********

    3.0

    舞台を見ているようでした

    登場人物の衣装が色鮮やかで 登場人物が限られてて 舞台が荒野か麺屋のどちらかに限定されてて これが舞台演劇だったら面白いかもと感じました。 心理戦に近い駆け引きがあって 誰がどれだけ得をするのか?って感じのストーリー展開。 誰が何をしてくるのか? その行動は他の人にはわからないので、目の前のシチュエーションで自分が何をするべきなのかを恐怖感と闘いながら選択してという感じでしたが… 恐怖感を誰が克服できるのか? 誰が得をするのか? もう少し心理的な戦いがあったなら面白かったかもなぁ~ 色は鮮やかだったんですけどね。 その色彩の鮮やかさが印象的な作品でした。 微妙に3Dを意識したような映像があったかもしれないけど… もしかして3D作品もあったのかな? あんまり必要だとは思わなかったケド。 これが舞台演劇ならカナリ面白い気がしました。

  • shi********

    2.0

    喜劇調と殺伐感の織り交ぜ方が・・・。

    「ブラッドシンプル」をチャン・イーモウがリメイクした作品。 舞台が中国なのは仕方ないが、なぜか時代劇、なぜか麺屋。 銃や大砲まで売り込む怪しい武器商人。 彼から銃を買った妻と愛人は夫殺しを企み、それを察知した夫は悪徳警官と組んで妻たちを狙う。 という話なのだが、冒頭の武器商人登場の場面からもうノリ切れない。 コメディ舞台劇を観ているような気分になってしまった。 オリジナルの記憶は定かではない、というより「ファーゴ」とごっちゃになってる気がするが、殺伐とした、色調の薄いイメージがある。 それをチャン・イーモウがリメイクってどんなもんか?と思い足を運んだが、なにせ荒野。 そこでとっても色鮮やかな衣装の人たちが、大声でがなり合う。 のめり込む前に睡魔に・・・。 スンマセン、中盤から断続的に眠ってしまいました。 喜劇調と殺伐感の織り交ぜ方がどうにも合わない作品だった。

  • tsu********

    3.0

    欲望が転がる赤茶けた荒野

    変わった題名 場所は、万里の長城西の果て。 荒野の中にポツンと建つ麺屋が舞台。 「人の欲」が「人の運命」を絡みとっていく。 そんな人間模様が話の核。 登場人物が複雑に交錯する。 麺屋の主人ワンは、妻を虐待しながら妻の不貞を疑い。その妻は、意味ありげに旅商人から銃を購入する。妻の浮気相手は、気弱な麺屋の従業員のりー。そして、ワンと結託する狡猾な悪徳警官のチャンが事態をややこしくさせていく。さらにもう一人、ワンの金庫を狙うもうひとり太目の従業員がそこに絡む。 欲が欲を呼び、 偶然と偶然が重なり、 事件が事件を呼ぶ。 そしてこの映画には、もう一つ主役がいる。 それは、タイトルにもある「荒野」。 赤茶けた不毛の大地であり、 うねる地形に、赤白まだらの地層。 見事なまでの殺伐とした風景は、人の欲の果てを象徴するかのように眼前に拡がる。自然愛好家なら、その景色を観るだけでも一見の価値はある。 複雑に絡む内容に対し、展開の切り替えが平坦なのが残念なところ。チャイナ好きで軽い悪漢映画好きな人向けかな。 2011年12月4日 シネフクシネマモード1にて

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ極彩色の華流ノワール

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • WONKAVATOR

    2.0

    色々過剰でウザイ

    演技過剰。 演出過剰。 カメラワーク過剰。 とにかく観ていてハナニつく。 役者がとにかく気持悪い。 大画面で観るに耐えない面相の人々ばかり。 わざと!? 美しければ良いというわけではないけれど、 本作の俳優とりわけ演技派というわけでもないだろうし... 何だろうね!?この気持悪い感じ... 狙い過ぎてスベった感じかな!? 予告に騙されましたとさ...

  • xi_********

    3.0

    私はそんなに嫌いじゃない

    2009年に製作された張芸謀(チャン・イーモウ)唯一の日本未公開作がようやく登場するみたいです。突然公開される理由が何であれ(『サンザシの樹の下で』に便乗したのかな)、中国映画がひとつでも多く日本で観られることは素直に喜びたいと思います。 中国国内では大ヒットを記録した本作の日本公開がここまで遅れた理由のひとつは、この映画が張芸謀最大の失敗作だと認識されているからでしょう。映画ファンの方はラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)をご存知でしょうが、簡単に説明すると、これはアカデミー賞とは逆にその年一番の失敗作を決める賞のこと(但しどちらも北米公開作品だけが対象)。実は中国でも2010年からこれと同じ趣旨の賞が開設されており、映画評論家31人と4万人のネット投票で決定されるその賞を「金の箒賞」と言います。で、本作はその記念すべき第一回受賞作(苦笑)。 とりあえず、ストーリーを紹介しときましょう。 荒野に佇む一軒の麺屋。女(閻妮)が外国人から拳銃を買った。その女は麺屋の老板(店主)である夫(倪大紅)になぶり者にされており、使用人の阿四(小瀋陽)はそんな彼女に想いを寄せる。女は夫を亡き者にしようと企むが、そこへ罪人をつれた役人(孫紅雷)が通りかかる。拳銃の所持がバレやしないかと慌てたものの、女は何とかその場を取り繕う。だが、夫は女が阿四と不貞を働いていることを知り、その夜、役人が金の無心に舞い戻ったところに、女と阿四の殺害を依頼する・・・。 気付いた人もいるでしょうが、これはジョエル&イーサン・コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』のリメイクです。先に言っておくと、オリジナルと共通するのはブラックな空気が流れていると言う部分だけ。物語は踏襲されてるものの、本作は冒頭から「喜劇」としての方向性が明確に打ち出されてます。要はブラック・ユーモア溢れる諷刺喜劇なんですが、演者に趙本山(ヂャオ・ベンシャン)や小瀋陽(シャオ・シェンヤン)を起用していることからも、張芸謀がこれまでにない方向性に挑戦していることが分かります(ふたりは中国を代表するコメディアン)。つまり、これは「張芸謀らしくない異色作」ってことです。 とは言ってもそこは張芸謀ですから、相変わらずの色彩美豊かな衣裳(と言うか原色系で相当奇抜なんですが)や、青空に映える砂漠の映像美(これもかなり独創的)なんかを挿入することは忘れてません。ラストには北野武を意識したような大胆な演出まで施されてるし、まあ、こんな自己主張演出が必要だったのかは大いに疑問ですが、これも映画の愉しみであることは違いない。 反対に出演陣はかなり地味。国際的な役者は孫紅雷(スン・ホンレイ)くらい。まあ、彼も日本で公開されてるのはロクな映画がないですからね(本当はとても良い役者さんなんですが!)。閻妮(イェン・ニー)は数年前のTVドラマでやっと人気が出た人だし、倪大紅(ニー・ダーホン)の出演を喜ぶのもコアな中国映画ファンだけでしょう。先のふたりのコメディアンなんかは、多分、日本じゃ全くの無名(苦笑) 個人的には、張芸謀が思い切り喜劇へと舵を切ったせいで、オリジナルにあった「それぞれの利己的な行動の結果が登場人物たち袋小路に追い込んで行く」と言うサスペンスがなくなっちゃったのが残念。なのに、映画の後半で喜劇色が薄まるのも何だか中途半端。ただまあ、これを観るのはコーエン兄弟のファンじゃなくて張芸謀ファンでしょうから、逆にそれが受ける可能性もあるんでしょうけど。 何れにしても五輪前の大作主義から一転、明後日の方向に吹っ切れた張芸謀の決断には拍手。私はこれを「面白い映画」とは思わないし、それが成功だったか失敗だったかはともかく、映像作家が挑戦してる姿(作品)を観るのは決して嫌いじゃない。 それだけに、『サンザシの樹の下で』が純愛映画だったのには腰が抜けたんですが(苦笑)

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