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女と銃と荒野の麺屋
2011年9月17日公開

女と銃と荒野の麺屋

A WOMAN, A GUN AND A NOODLE SHOP/三槍拍案驚奇

902011年9月17日公開

edo yabo

3.0

いいのか悪いのか分からない

チャン・イーモウ監督が、コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』を中国に置き換えてリメイクした時代劇ですが、僕には微妙な感じでした。コーエン兄弟の作品自体が好みの分かれるものが多い中で、イーモウ風にするとさらに偏った感じがします。 いきないり国籍不明のダンスで始まりますが、設定が中国ということさえ分からなくします。麺屋の話なので、麺を作っているシーンもあるのですが、それは導入部のみで本筋にはあまり重要ではないようで、その意味もどうだったのでしょうか。 舞台を中国の原野にし、西部劇を中国に持ってくるとこんな荒野かと思わせます。 主要登場人物は4人。強欲な夫、勝気な妻と臆病なその浮気相手、妻と浮気相手の殺害を依頼された狡猾な悪徳警官。 いたずらとしか言いようのない運命を、限りないブラックユーモア満載で描いています。 万里の長城から西に位置する荒野の町で、中華麺屋を経営するごう慢な中年男ワン(ニー・ターホン)。妻(ヤン・ニー)が若い従業員リー(シャオ・シェンヤン)と浮気をしており、銃を購入したことを知ったワンは激怒し、2人の殺害を警察官のチャン(スン・ホンレイ)に依頼する。麺屋の金庫にある大金に目をつけていたチャンはあえて二人を見逃し、依頼とは違う行動に出るが、各々の思惑が事態を予想外の方向に動かす。 という物語なのですが、ワンがあっさり死んだりするので、変な方向に向かってしまうのですね。 嫉妬、復讐心、強欲、罪悪感などが殺伐とした中、ユーモアを交えて、絶妙なのかズレているのか解釈微妙な表現です。 ハリーの災難のように、ワンの死体も災難で、ブラックにブラックを重ねたようです。 チャン・イーモウ監督らしく、相変わらずの色づかいで、派手な衣装、赤茶けた荒野、冷気を感じる青い空と流れる雲、紫の夜と月の光。刻々と移り変わる色調の変化は、登場人物の感情を表しているかのようです。 この映画は、欲にまみれた人間の愚かさを、とにかくユーモアで語っていますが、ブラック極まりない。ただ、冗談なのか本気なのか、その表現は終始違和感があり、迷い込んでしまったまま終わってしまった感じがしました。

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