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ミッション:8ミニッツ (2011)

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監督
ダンカン・ジョーンズ
  • みたいムービー 716
  • みたログ 4,225

4.04 / 評価:2294件

観客の願いはただひとつだろ?騙されてぇ!

  • CONRAD さん
  • 2011年11月1日 0時48分
  • 閲覧数 3538
  • 役立ち度 75
    • 総合評価
    • ★★★★★

「このラスト、映画通ほどダマされる!」この警告文が効いたのなんのって!
どれだけ奇想天外な脚本が待ち受けていることやら、期待に大きく胸を膨らませ、いざ映画館へ。
さてさて、映画の設定は?
米軍の特殊ミッション。
乗客が全員死亡した列車爆破事件。
乗客のひとりの“死亡する8分前の意識”に入り込む任務。
遂行するのはスティーヴンス大尉(ジェイク・ギレンホール)。
当初、何を目的としたプログラムなのか、自分は何処にいるのか、わからない。
自分が何をしているのかさえ、わからないまま。
「まずは爆弾を探して!」謎めいた女性(グッドウィン大尉)の指令を受けてプログラムの世界へ強制移送。
じょ・・・状況を説明してくれぇ~・・・
8分間でプログラムは自動的に終了される。
次第に状況がわかってくる。
今回のミッションの目的は、プログラムの世界で爆破犯を探し出し、次のテロを防ぐこと。
爆破犯は列車爆破の後、現世でシカゴの街一帯を爆破しようと企んでいる。
過去に起きた現実(列車爆破事件)から創り出されたプログラム。
8分間でどれだけ変化を加えようと、また同じシチュエーションが繰り返される。
プログラムの世界の登場人物は、殴ろうと、脅そうと、助けようと、それぞれの“常識”と思われるリアクションをする。
ミソは、8分間のシチュエーションを、おそらく、何回でも繰り返すことができること。
列車に何人の乗客がいようと、ひとりひとりシラミ潰しに犯人探しをしたならば、いずれは犯人がわかるのである。
今回は、“次のテロを防ぎたいから”という時間設定つき。


プログラムの中でやりたい放題。
どうせ8分間の世界は現実ではない、ただのプログラムなのだから、生きようとしなくてもいいし、誰かを助けようとしなくてもいい。
爆弾を解除する方法を知るまでは、列車の中にいたならば、毎回爆破でふっ飛ばなくてはならない。
痛みを感じるならまっぴらゴメンだ。
でも、列車を降りることも選択できるし、何回も繰り返したら、爆弾を解除する方法もわかっちゃう。
どんな選択をしても8分間でその世界は終り、また新しく同じシチュエーションでその世界は繰り返される。
仮想世界を楽しめたらいいけど、心理的苦痛もハンパではなさそう。
飽きたら別のプログラムはあるのかしら?


ここからめっちゃネタばれ。
実はこの主人公ジェイクは、身体が死んでいて、意識だけつながっている。
脳みそ生きているんだろ?つまり生きているんじゃん・・・と突っ込みたくなるが。
自分が2ヶ月前に、戦死していることを知らされる。
現世の人たち(グッドウィン大尉とか)とコミュニケーションがとれる。
現世の人たちがテロで大量に死ぬことを防ぐために、代わり映えしないプログラムの世界で、ひたすら犯人を捜しまわる。
ん?
父親と話がしたいって?
わざわざプログラムの中で父親と会話しなくっても・・・現世で会話できるだろ?


ジェイクは仮想世界で生き、これからもミッションを遂行し続けるより、本当の死を望む・・・
のではなく、“全く新しい世界”に賭けたのだ。
「最後にプログラムを・・・
 そして8分間が経過した時に、生命維持装置を切ってくれ」


ミッションに成功。
犯人を捜し当て、現世でのテロを防ぐ。
でももう一度、プログラムを。
助け出したい彼女(ミシェル・モナハン)だけでなく、すべての乗客に幸せを。
自分の生命を止め(プログラムを強制終了)、全ての人が笑って、幸せの時が止まる。
切り取られた映像が美しい。


いや・・・止まっていない。
8分間が過ぎても動ける。
仮想世界が続いている。
仮想世界の中で、爆弾は解除した。犯人は捕えた。
仮想世界の中で、現世にいるあの人(グッドウィン大尉)に、携帯電話からメールを送った。
現世での死。
仮想世界での、あるはずのない時間が動き出す。
そこからは新しい世界。
パラレルワールドが動き出したのではなく、動き出した時間は、現世とつながる。
朝、列車の中のジェイクから、現世の彼女(グッドウィン大尉)にメールが届く。
列車爆破事故は起きない。
その世界が、現世として続けられる。
仮想世界にいたはずのひとりの男性乗客の姿で、ジェイクの意識で、新しい世界を生みだした。



SF映画として理屈をこねるよりも、他に触れるべきところがあるのはわかっているのだが、どうしても理屈で突っ込みたくなるのがご勘弁を。
理屈抜きでも、ちゃんと感動できるし、楽しめるエンタメ作なので、ご安心を。
予測不能なストーリー展開だとか、騙す騙されるの映画ではないです。
騙されたかったのだが、鑑賞後はそんなことどうでもよくって。
でも満足感でいっぱいになるなかなかの傑作です。



OS Cinemas MINT KOBE

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音楽

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