ここから本文です

ミッション:8ミニッツ (2011)

SOURCE CODE

監督
ダンカン・ジョーンズ
  • みたいムービー 715
  • みたログ 4,227

4.04 / 評価:2297件

ラスト16分の意味するもの

  • 藤次郎 さん
  • 2011年11月2日 11時50分
  • 閲覧数 7177
  • 役立ち度 162
    • 総合評価
    • ★★★★★

以下結構ネタバレしております。

--------------------------------------

観た直後は、本作は現実世界、最後の転送で爆破を未然に防いだ結果生み出された並行世界、生命維持装置が切られた後のスティーヴンスとショーンが共存した並行世界が主な舞台ではないかと思った。

だが再考すると並行世界の存在を一部否定せざるを得なくなった。

テロ犯探しのミッション完了後、スティーヴンスはクリスティーナや他の乗客を救うべく8分後に生命維持装置のスイッチを切るようにオペレーターの女性大尉グッドウィンに依頼して最後の転送をする。
転送先で犯人を逮捕し列車の爆破を未然に防ぎ、グッドウィン大尉にメールを送り、父とのわだかまりを解き、愛するクリスティーナと最後の時間を過ごす。
そしてちょっと淋しいハッピーエンド・・・
ではなかった。

ここからが解釈が分かれるエンドとなるが自分はこう考えた。

先ず、原題(Source Code)の意味からしても、大前提としてショーンの記憶がコンピューターの中にデータとして存在し、そこにスティーヴンスが介入していくのであり、スティーヴンスの活躍やカプセルの場面などで見落としがちになるが、転送中は全てコンピューターの中の世界である。
従って最後の転送中でのメール発信や父への電話も実際はコンピューター内の出来事であり、スティーヴンスが自己完結したプログラムであって、いわば彼が見た理想の夢のようなものなのだ。

次に、メールを受信したグッドウィン大尉が居る新しい並行世界。
コンピューター内での出来事が新しい世界を作り出す事は上記と矛盾するが、そこには自身がテロを未然に防いだ事を知らないグッドウィン大尉と別のスティーヴンスが存在している。
もしこれもスティーヴンスが作り出した夢ならば悪夢という他なく、彼が自虐思考主義者とは到底思えないので、消去法で考えても並行世界と判断するのが相当と思われる。
きっとうまくいく、とメールを送ったのは、自身が苦しんだミッションにこれから当たる2人にエールを送ったのだ。
ここだけはテロがある限りリセットされる並行世界として存在し続け、ループしていくのだろう。

そして最後に、生命維持装置が切られた後もスティーヴンスが乗り移ったショーンが存在し、クリスティーナや他の死んだ筈の乗客全員も無事となった世界。この時点でここは並行世界となったのだと初めは思った。
だがそれは違う。

8分が経過して静止状態からまた動き出した世界。
実はここから生命維持装置を切られたスティーヴンス本人が実際に亡くなるまでの8分が始まったのだ。
だから静止画から暗転してエンドロールでは全く不充分なのであり、静止画の前後、合計16分が必要なのだ。ショーンとしての最期とスティーヴンスとしての最期を描く為に。

完璧な晴天の下、オブジェの前でもっとこのままでいたいというスティーヴンスのセリフが、終焉が程近い事を暗喩して胸に突き刺さる。
しかもオブジェに映る姿はショーンである。
彼に対する敬意もスティーヴンスは決して忘れなかった。ショーンと共に生き、戦い、そして最期も共に逝くのだ、笑顔で。
2人は本当に戦友だったのだ。
そしてラスト8分は、スティーヴンスのショーンに対する贖罪の8分でもあった。
何という悲しくて爽やかなハッピーエンドなのだろう!

「映画通ほど騙される」というキャッチコピーは正に的を射ており、全く映画通でない自分が思ったこの考えも、もしかしたら全然的外れかも知れない。
やはりスティーヴンスとショーンは並行世界で共存していくのかも知れない。
或いは他の解釈が・・・?

だが自分は上記の終わり方がふさわしいような気がした。そして涙が出る程感動した。

上映時間僅か93分の中に収めた手腕も素晴らしい!

秋の夜長に考察するにはもってこいの本作。
☆5つ!
監督の次回作がとても楽しみだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ファンタジー
  • ロマンチック
  • 不思議
  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
  • セクシー
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ