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新少林寺/SHAOLIN (2011)

新少林寺/SHAOLIN

監督
ベニー・チャン
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3.76 / 評価:381件

少林寺・・・不可辱!

  • lamlam_pachanga さん
  • 2011年7月30日 1時41分
  • 閲覧数 1511
  • 役立ち度 58
    • 総合評価
    • ★★★★★

『新少林寺/SHAOLIN』なんて題名を聞いて、カンフー映画好きが黙ってられるか!

2011年2月半ば、こんなたわけた理由で北京へ飛んだ私(マジです)。とっとと(北京行きの口実として利用した)仕事を済ませ、夜の会食をドタキャンし、昔住んでた頃に通っていた懐かしの映画館へ直行。こんだけわがままやって罰かぶるかもと不安だったんですが、そこは映画の神様に私の情熱が届いたようです(アホか)。

本作の監督はベニー・チャン。香港ではドラマチックなストーリーに超絶アクションを畳み掛ける、その道の第一人者として知られる人。出世作の『ジェネックス・コップ』を皮切りに、『香港国際警察/NEW POLICE STORY』、『インビジブル・ターゲット』、『コネクテッド』など、代表作には事欠きません。どちらかと言えば現代劇を得意とする人だったんですが、今回は久々に時代劇へ挑戦。私の感想ですが、今後は、間違いなく本作がベニー・チャンの代表作となるでしょう。

とりあえず、ストーリーから紹介しときます。

辛亥革命後の河南省登封。戦乱の時代に野心を燃やす軍閥の侯傑(アンディ・ラウ)と、副官の曹蛮(ニコラス・ツェー)。覇権争いに敗れた敵の将軍を追って少林寺へ乗り込んだふたりだが、住職の方丈(于海)、浄能(呉京)、浄空(釋延能)が殺戮を制止する。だが無慈悲な侯傑は命乞いする敵将を射殺し、少林寺を侮辱する言葉を残して去って行く。登封城入城の日、ふたりの前に義兄の宋虎将軍が現れた。戦果を横取りする彼を曹蛮は苦々しく思い、勢力拡大を狙う侯傑も彼の暗殺を決意。侯傑の妻・顔夕(范冰冰)は夫の権力志向を危ぶむが、彼は耳を貸さない。そして曹蛮が宋虎暗殺の手筈を整えた夜、侯傑は妻子を伴い宋虎との会食の席へ赴くのだが・・・。

これ、ただのカンフー映画(少林寺映画)ではありません。勿論、スペクタクルなカンフー・シーンには事欠きませんが、それ以上に観た人の心に残るのは「ひとりの男の成長物語」です。正直、ベニー・チャンの情緒的なドラマってのは苦手だったんですが、初めてそれを素直に消化出来ました(自分でも意外です)。

テーマは、「人は変われる」。

アンディ・ラウ演じる侯傑がスクリーンに登場した時、彼は悪の最高点を極めたような表情をしています。ですが、劇中の彼は過酷な代償を払わされ、己の過去を悔い、心からの懺悔を経て、仏の慈悲にすがります。その行く末がどうなるかはご自分の眼で確認して頂きたいと思いますが、映画のエピローグで妻(范冰冰)と向かい合う彼の表情に是非注目して頂きたい。私は、不覚にも涙しそうになりました(苦笑)

因みに、この対の主人公を演じたニコラス・ツェーの演技はさらに素晴らしく、『孫文の義士団』での純粋無垢な車夫はどこへ行ったのやら(笑)アンディ・ラウ以上に悪の最高点を突き抜けた表情を見せますが、彼の行く末にも是非ご注目。

この映画はアジア的な仏教思想を底辺に抱くテーマを、如何にもベニー・チャンらしい情感たっぷりのドラマに落とし込み、それがストーリーに奥深さを与えています。リー・リンチェイの『少林寺』、張徹(チャン・チェ)の『少林寺列伝』、ラウ・カーリョンの『少林寺三十六房』など、過去の少林寺映画が「武術」ばかりに傾注していたのに対し、この映画は「仏の慈悲」を描いています。但し、そんなに甘い「慈悲」でもないので、そこは覚悟が必要ですが。

とは言っても、これはエンターテイメント超大作(笑)あらすじに書いたオープニングのシーンから、クライマックスの大スペクタクル・シーンまで、映画の見せ場は随所に用意されています。特にクライマックスの戦闘シーンなんかは、コーリー・ユン以下多くのベテラン武術指導家が参加して作り上げており、集団演武としては香港映画史上最高と言える迫真の出来でした。

さらにこれらの場面を彩るのは、師兄役がめちゃめちゃ格好良かった呉京(ウー・ジン)、懐かし過ぎて涙が出た于海(ユー・ハイ)、脇役のくせにおいしい所を持っていくジャッキー・チェン、能欣欣(ション・シンシン)との闘いが涙を誘う釋延能(シュー・イェンナン/レビュータイトルはこの時の彼の台詞)と言う、超超超超超実力派武打星たち!これでリンチェイがいれば・・・それは贅沢か(笑)

エピローグ後、雪の舞う少林寺で修行に励む僧侶たちをバックにエンド・クレジットが流れます。アンディ・ラウの歌う主題歌(「悟」)と共に非常に感傷的な気持ちに浸れますので、最後まで席を立たないことを強くお薦めしておきます。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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