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狼たちの午後 (1975)

DOG DAY AFTERNOON

監督
シドニー・ルメット
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3.97 / 評価:542件

アッティカを忘れるな!

すっかり短くなってしまった春を越えて初夏の様相を呈してきた今週、すぐそこにうだるような長い夏が待ってます。
原題にあるDOG DAYはうだるような夏のことを指し、今日知ったのですが複数形にすれば停滞期を意味するとのこと。思うようにいかないパチーノたち、映画の内容にシンクロしてますね。

中盤以降、登場人物の汗かき加減がハンパない!日本の汗かき映画が「高校大パニック」ならば、米は「狼たちの午後」!あ、同じシドニー・ルメット監督作「十二人の怒れる男」も密室ムンムン汗かき映画でしたね!

ぜひ若者に観て欲しい一本。僕はたぶん中2の時に日常洋画劇場で観て意味も分からずに「アッティカだ!アッティカを忘れるな!」と友人と真似して騒いでました。メル・ブルックス「新サイコ」を観た翌日は「新聞だ!新聞だ!」と同種の騒ぎっぷりで。
その1〜2年後に淀川センセ洋画劇場でTV映画「アッティカ刑務所大暴動」←タイトル不確かです を観てハッ!と気づいたものでした。

いきなりからパチーノとカザールが銀行強盗を実行。でももう1人の仲間は銀行に入った途端怖気づいてしまい早々に脱落!そう、パチーノたちの計画は何一つ思うようにいかない!手際の悪さを目の当たりにした女子行員に「あんたたち、計画あんの?」と聞かれるほどの無計画ぶり!金庫には大金無いわ、無用に煙出して外から疑われるわ…ユルユルなのがバレて、彼氏からの電話に出た行員からは「ねえ、いつ終わるの?」と聞かれる始末。

ただ、もう一つの計画外は、パチーノがまあまあいい奴だと思われたことから行員との間に「ダイ・ハード」や007ではヘルシンキ症候群としておなじみのストックホルム症候群が生まれること! 最初は卑劣な犯行に対して憎しみを露骨に表していた女子行員たちが次第に円満解決という目的に向かって仲間意識を育む。
さらに、「アッティカを忘れるな!」発言によって野次馬が味方につく!パチーノ演じるソニーはヒーロー扱いになり、宅配ピザ店員をはじめ、ソニーを神格化していく!野次馬は警察をおちょくり、囃し立てる!この展開がめちゃめちゃ面白い!ほぼ実話!

以下、終盤のネタバレ地方。

後半はソニーの恋人(犯行の理由)、さらに妻や母が絡んできて展開していきますが、唸らされるのが、ソニーが黒人FBIを見抜く一連の、パチーノと黒人俳優の目の演技。シドニー・ルメットの演出力と俳優の演技力すげー!

本作が製作された年は「ロッキー」の前年だからアメリカンニューシネマはもはや終わりを告げていた頃ですが、実際の事件は1972年なので大好きなニューシネマ感がたっぷりあります。
ラスト、全てを失ったソニーに対する女子行員たちの素っ気ない態度が、若気の至りによる若者の敗北を徹底的に描いたアメリカンニューシネマ感満載。たまりません。

あ、「エイリアン」「パンプキンヘッド」ファンにはランス・ヘンリクセンのチョイ役かつ重要な役も見逃せません!

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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