ある夏の日の狂気
- dearum_juju さん
- 2014年7月26日 9時47分
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- 総合評価
若きアル・パチーノが、無計画で稚拙な銀行強盗を起こす青年を演じている。
最初はなにか安っぽい劇を観ているかのような印象を受ける嘘みたいな銀行強盗。そのおかしな状況を察知したかのように、すぐリラックスし始める銀行員の女性達。
映画自体の舞台もほとんど銀行の中と外だけで、キャストの演技もどこか劇風。
アル・パチーノ演じるソニーは、単なる無教養な銀行強盗ではなく、実は彼には彼なりの事情がある。
彼と警察とのやり取りを通して、その複雑な事情が徐々に明らかになる設定だ。
ジョン・カザール演じる強盗のパートナー、サルの存在も何か一種異様で、ソニーとの温度差がこの映画のヘンな空気をますますおかしなものにしている。
ソニーの行動に狂喜するやじうま達。ソニーの母親。ソニーの恋人。ソニーの奥さん。なにもかもクレイジー。
1970年代のアメリカ社会の影の部分が、狂気となってある暑い夏の日に噴出し、白日のもとにさらされ、その日の終わりに溶けて消え去った。
夏に観てほしい一本。
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- 不思議
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