ここから本文です

宇宙人ポール (2010)

PAUL

監督
グレッグ・モットーラ
  • みたいムービー 344
  • みたログ 2,915

3.92 / 評価:1452件

解説

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』などで絶大な人気を誇る迷コンビ、サイモン・ペッグとニック・フロストが主演と脚本を務めたSFコメディー。陽気な宇宙人とオタクの青年2人が繰り広げる珍道中を、『未知との遭遇』『E.T.』など過去の傑作SFへのオマージュをちりばめて描く。宇宙人ポールの声を、『グリーン・ホーネット』のセス・ローゲンが担当するほか、『エイリアン』シリーズのシガーニー・ウィーヴァー、『E.T.』などのスティーヴン・スピルバーグ監督がカメオ出演しているのも見逃せない。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

SFオタクのイギリス人青年、クライブ(ニック・フロスト)とグレアム(サイモン・ペッグ)は、念願だったコミックの祭典「コミコン」とアメリカ中西部のUFOスポットを巡る旅を楽しんでいた。その途中彼らは、ネバダ州の「エリア51」でポールと名乗る宇宙人と遭遇する。そしてポールを故郷に帰すため、悪戦苦闘の日々が始まり……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED
(C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

「宇宙人ポール」SF映画のパロディが導くサブカル世代のアメリカ人論

 オタク御用達のコメディにすぎないと思えば大間違い。なかなかどうして、単なるパロディでは終わらぬ境地へ達していく。重要なのは、脚本・主演の2人がイギリス人であることだ。ホラーや刑事アクションをモチーフに、映画的偏愛を描いてきたサイモン・ペッグとニック・フロストがSFマニアに扮し、アメリカに乗り込んでオタクの聖地をめぐる。表層的には、スピルバーグ作品を筆頭に数々のアメリカ映画へのオマージュのつるべ打ち。脱走を図った宇宙人ポールと遭遇し、故郷への帰還を目指す彼との逃避行が、ストーリーの柱ではある。

 コミックコンベンションに始まり、広大な西部のUFOスポットをキャンピングカーで旅するうちに、知的な笑いが見え隠れしてくる。まずはポールのキャラクター。英語が達者で下ネタやジョークを飛ばしまくり、やたらとフレンドリー。政府に拘束されながらも、半世紀以上にわたってポップカルチャーに影響を及ぼしてきた彼こそは、外国人から見たアメリカ人らしいアメリカ人だ。一方、道中で出会う、排他的で粗暴な連中や、進化論を否定し、ポールを目の敵にする狂信的なキリスト教原理主義者もまた、この国の別の顔。こうなるともう、誰がエイリアン=よそ者なのか混沌としてくるから面白い。

 ロードムービーのスタイルを採って、20世紀後半の伝説となった西部の原風景をたどる本作の正体とは何だろう。人を癒し覚醒させる科学的な神であり、往年の映画の中のアメリカ人の典型でもあるポールを、イギリス人2人組は解放することになる。これは外部からの視点による、風刺精神に満ちたサブカル世代のアメリカ人論に違いない。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2011年12月15日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ