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ブラッディ・パーティ (2010)

WIR SIND DIE NACHT/WE ARE THE NIGHT

監督
デニス・ガンゼル
  • みたいムービー 17
  • みたログ 38

3.14 / 評価:14件

吸血鬼版 sex & the city?

  • kug***** さん
  • 2013年10月3日 0時56分
  • 閲覧数 378
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 孤児で保護観察中のスリの少女「レナ(主人公)」と彼女を追う若い警官との恋愛ドラマが話の中核です。
 ですが、レナは中世から生きる同性愛者の女性ヴァンパイア「ルイーズ」に見初められてしまったのです。彼女は吸血鬼に変えられ、仲間にされてしまう。社会へとセレブとして溶け込み、飾り、遊び、殺し、喰らい享楽の限りを尽くしている女ヴァンパイアたち。しかし、レナはそれにどうにもついていけない。
 彼女たちのやりたい放題にはすぐに足が付くので警察の突入を受けて、一人が直射日光に焼かれて死んでしまう。国外逃亡を行おうとするが、もう一人も不老不死に疲れ果てていて、実の母の死を看取ったあとで自ら日光を浴びて滅びる。ルイーズと二人だけになったレナ。自分を追いかけてくる警官を殺そうとするルイーズを止めたことで彼への思いがばれ、嫉妬に狂ったルイーズは彼を殺そうとする。レナはルイーズの不意をついて朝日の中へと放り出して倒す。
レナと警官は二人でいずこへかと消える。

 ドイツ映画ですが、セレブレティな生活を優雅に過ごす残酷な女ヴァンパイアたちを、けっこうゴージャースに描いていて安っぽさは感じません。この設定はセックス・アンド・ザ・シティーの影響なんでしょうかね。ルイーズによると、彼女らの仲間の男のヴァンパイアたちは粗暴だから自滅して滅んで、今は女しかいないそうです。ヨーロッパに面識があるものが40人くらい。総数では200人ほどだとか。
 最初は安っぽい映画だろうなと思ってみたんですが、意外としっかりしていて現代的な女の欲望丸出しでありながら、どこか貴族然したゴシックな振る舞いや雰囲気があり、吸血鬼としての風格はあります。ただし、その愚かな部分も含めて、ですが。特に移動するのに「わざわざ飛行機をのっとって乗員を乗客皆殺し」とか、そんなことわざわざしなくても…といったことを次々して、これで男が愚かとはどの口が言うんだって感じです。気に入った高級車もすぐに盗んで足として使って、高級ホテルに乗り付けて贅沢な日々を過ごす。足がつかないほうが不思議なくらいやりたい放題ですね。ルイーズもまだ、吸血鬼になって20年くらいの、きゃぴきゃぴした「ノラ」が悪戯にすぐ人を殺すのを嗜めますが、ルイーズ自身もやることが相当にやることが雑なので全く説得力がないですね。
 そんなどうしようもない彼女らですが、時折「本当に相手を愛すことができない」という自分たちの身の上を悔やむ描写がさりげなく入っており、そこは非常に良い部分ですね。これがなければ、この映画の評価は一段落ちていたでしょう。
 …ただ、あれほど残酷なくせに自分のお気に入りのホテルマンには「わたしに近づくと本当に傷つけちゃうんだもの」と距離を置いてたノラなのに終盤、朝起きるとベッドの中の隣でホテルマンが死んでたりとか、省略の仕方がイマイチって気がします。そこからいきなり、警官の突入シーンになって、次のシーンでは「死ぬたくない」ともがいて死んでしまうのも…。ベタですが「これでよかった」みたいな救いがあったほうがいいかもしれません。もう一人のシャルロッテもなぜ母の死の死を見取って自分が死ぬ気になるのかがイマイチですね。夫も子供も捨てたという設定なら、そのどちらかの方がもっと胸に来るものがあるのではないでしょうか? 

 と、首をひねるところが多々ありますが、これまで見た近年のドイツ映画の方ではかなり面白い部類です。ヴァンアパイアを演じる女優たちも世界的には無名ながら、かなりの美人ぞろい。そこから二段くらいは落ちる主人公のレナですが、最初は男装の汚い格好でスリをしていて、それが貧乏な少女の姿になり、吸血鬼になり、最後は豪華な衣装とメイクで別人のように変わるというシークエンスで徐々に変化していくのが面白いですね。特に湯船の中で吸血鬼に生まれ変わるシーンでの変化が実にインパクトがあって、この映画の見所といえるでしょう。

 そういえばこの映画のルイーズ、作品中では明記されていませんがルイ14世の妾だった「ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール」の成れの果てかもしれません。彼女をヴァンパイアにした女性はフランスで火刑にされたという台詞があります。
(逸話の多い人物です。日本では小説「ゼロの使い魔」のヒロインの元ネタですね)

詳細評価

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