ここから本文です

ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ (2011)

THE HELP

監督
テイト・テイラー
  • みたいムービー 626
  • みたログ 2,493

4.13 / 評価:1236件

命をかけた闘い 

  • とみいじょん さん
  • 2016年6月12日 16時00分
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

一人ひとりの勇気が集まって世の中は動いていくんだな。
 そして、最初の一歩を踏み出した女性の勇気。もし彼女がいなかったら何も始まらなかった。勿論、この本の企画をもっと前に考え付いたとしても、埋もれてしまっただけかもしれないけど。

乳母に育てられる。こんな乳母ばかりならいいけど。
 血の繋がりより自分を愛しいと大切にしてくれる存在がいるから自尊心が育っていく。だのに、その後の周りの大人の影響で人格がねじ曲がる。怖い。

暴力の直接的な表現は無い。
 エイビリーンが襲われるんじゃないかと怯えて帰路を急ぐ。そんな演技に、いつかリンチに会うんじゃないかとドキドキハラハラ。
 エイビリーンの息子の死にざま、DVと、言葉で語られることに胸をえぐられる。TVから流れるニュースで時代を感じ、他の地で起こっていることを想像する。

この映画の中で描き出されるのは、日常の中に、人々の感覚の中に沁み込んでしまった差別。時代に、地域の価値観に呑みこまれてしまうと、それが差別だとは思えない差別。あまりにも当然のことで、差別している意識もないから変えられない。ある意味、暴力よりもっと怖い差別。
 ヒ―リ―は、私達から見れば見事なヒールに映るけど、あの時代のあの風潮の中で、かなりの優等生・皆から尊敬され羨望されるべくふるまっているだけの女性なのだろう。「正しきことをすべき」「こうしなければならない」という価値観を押しつけ、人々の称賛を得ようとするだけの女性なのだろう。相手の立場に立って、相手の気持ちは考えられない。
 人生早期に愛を与えられて人は愛を知る。でも、子は親(乳母)との関わりの中でだけで育つわけではない。家族の、社会の価値観に染まり、その中で称賛されるやり方を身につけていく(社会化)。
 ヒ―リ―の母はパンチの効いた存在で、ヘルプ目線になっている私にはすかっとしたことをやってくれる人だが、ヒ―リ―にとっては守ってくれる人ではない。ヒ―リ―も寂しい存在なんだな。社会の中での優等生をしなければ認めてくれる人がいないんだもの。

という、世代間連鎖を描き出した作品。

そんな地域に風穴を開けるのが、他の地で暮らしたことがあり、大学で学んだスキ―タ―と、他の階層からやってきた無学無教養のシーリア。

自分が生きている場所の常識だけを当然と思ってしまうことの怖さ。
映画を見たり、違う価値観を持っている人と話をしたり、本を読んだりして、自分の常識・価値観を見直すことって大切なんだなあと思った。

 

映画としての成功は、魅力的な配役だろう。
 エイビリーン演じるデイヴィスさん、この人あってのこの映画。
 ミニ―演じるスペンサーさんの魅力的なこと。シーリアをちょっとバカにしつつも面倒見る姿が気持ちいい。
 そしてヒール役のヒ―リ―演じるハワードさんとシャーロット演じるジャネイさんがきっちり憎たらしい役を演じきってくれる。
 ミニ―を師として家事の腕を上げていくシーリアとその夫もすてき。チャスティンさんが見るたびに違う役どころでスゴイ。


最期がけっしてハッピーエンドでないところもいい。それでも顔をあげて歩いていく、そんな姿勢を真似したいと思った。


*いつもの私なら、ミニ―がヒ―リ―にやったことで映画の評は☆1つにするところなんですが、それがあってもなおの感動作です。(このエピソードで、物語の評は☆5-1=4)
*お手伝いさんの暴露本て『家政婦は見た』的なゴシップ要素もあって、本当は守秘義務の範囲内で、暴露本だしちゃうようなお手伝いさんは雇っていられないんだけど。それでも、お手伝いさんの地位向上に役立つ意義ある本なんだろうな。
*白人セレブ階級の暮らしがのぞける。衣装・調度と憧れです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 恐怖
  • 勇敢
  • 切ない
  • かわいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ