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ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ (2011)

THE HELP

監督
テイト・テイラー
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4.13 / 評価:1230件

解説

1960年代、人種差別が横行していたアメリカの田舎町に変化をもたらした実在の女性たちについて記したベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。白人家庭でメイドとして働く黒人女性たちとジャーナリスト志望の若い白人女性との友情を通して、社会に対して立ち上がる勇気を描いていく。主演は、『ゾンビランド』のエマ・ストーン。『ダウト ~あるカトリック学校で~』のヴィオラ・デイヴィス、『ターミネーター4』のブライス・ダラス・ハワード、『ツリー・オブ・ライフ』のジェシカ・チャスティンなどが共演。感動的なストーリーはもちろん、彼女たちの熱演にも心を揺さぶられる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

アメリカ・ミシシッピ州。1960年代当時、白人家庭でメイドとして働く黒人女性は“ヘルプ”と呼ばれていた。作家志望のスキーター(エマ・ストーン)はメイドの置かれた立場に疑問を抱き、彼女たちにインタビューをすることに。仕事を失うことを恐れて、皆が口をつぐむ中、一人の女性の勇気が社会を揺るがすことになる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.
(C)2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

「ヘルプ 心がつなぐストーリー」問題提起や告発よりは楽しませつつ確かに現実に切り込む語り口がある

 米南部、中でもとりわけ旧弊な差別の巣窟として知られたミシシッピ州都ジャクソン出身の監督と原作者。土地っ子ならではの裡(うち)からの目と、“ヘルプ”と呼ばれた黒人メイドの真実の声に耳を傾ける白人側からの距離とが、公民権法制定(1964年)直前の時代と世界を人の向こうに映し出す映画の大きな味方となっている。

 例えば身分違いの結婚をして爪はじきの“ホワイト・トラッシュ(白人貧民層)”な“金髪白痴美女”、彼女にメイドが自慢のフライドチキンを伝授するさりげなくいいくだり。黒人=フライドチキン、偏見、差別だ――と、噛みつかれそうな細部は“政治的正しさ”の奴隷の現代ハリウッドの常識からいえば自己検閲の対象に他ならない。ところが一見、あたりさわりなさそうな映画「ヘルプ」の作り手はきちんと味わい所の細部を生存させてみせるのだ。社交界のボス的奥様から不当に解雇されたメイドと同じ奥様の元恋人と結婚して恨みを買った“美女”。ふたりが同じテーブルで分かち合うチキンの一場は、人種だけでない差別をそれぞれに耐えて生きている人と人が分かち合う心を鮮やかにあぶりだす。声高な主張の代わりに当り前に土地の現実を生きてきた作り手の目が、耳が、舌が、そうやって細部を活かし味わい深い物語の奥行きを生んでいる。そこにがむしゃらな問題提起や告発よりは楽しませつつ確かに現実に切り込む語り口がある。そんな成熟。それこそが黄金時代のハリウッド映画の妙味を支えたものではなかったか。自分の知る小さな世界を確実に描いて大きな世界を透かし見せる大人の話術が光っている。(川口敦子)

映画.com(外部リンク)

2012年3月22日 更新

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