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人生はビギナーズ (2010)

BEGINNERS

監督
マイク・ミルズ
  • みたいムービー 290
  • みたログ 1,185

3.45 / 評価:478件

自分の人生、誰もがビギナーです。

  • 野暮な江戸っ子 さん
  • 2012年4月14日 16時47分
  • 閲覧数 1102
  • 役立ち度 26
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画は、誰もが人生のビギナーであり、新たな一歩を踏み出すことに年齢は問題ではないと言っているように思います。
経験や実績などに囚われず、殻を破ることで幸せをつかもうとする登場人物たちには共感を覚えます。
設定は突飛でも、人生を肯定的にとらえていて、人間賛歌としては王道なのかもしれません。
とは言っても、75歳で同性愛をカミングアウトされたら、息子としてはビックリすると思いますが、これを否定しないところが興味深いのです。
また、この息子が38歳にして、ほぼ初めての恋というのも、原因は内気というだけではないような気もしますが、そのぎこちなさに応援と共感です。

妻に先立たれ、自身もガンを宣告された父・ハル(クリストファー・プラマー)は、75歳にしてゲイであることをカミングアウトし、新たな人生をスタートさせます。一方、アートディレクターの息子・オリヴァー(ユアン・マクレガー)は38歳になっても、内気な性格からかなかなか恋をすることができません。友達は仕事と犬のアーサーという生活です。
しかし父が亡くなった後に仲間から呼び出されたパーティーで、運命的にアナ(メラニー・ロラン)と出会います。お互いに人と距離を置いた生活をしており、どことなく似た感じの二人は徐々に惹かれあいますが、微妙なすれ違いからオリヴァーはまた一人でいることを選択してしまいます。それはどのカップルにもある普通の些細なすれ違いだと思うのですが、内向性と経験不足なのでしょうか、関係の維持は難しかったようです。
しかし、オリヴァーは、他界したハルの人生の最後の5年間を自分の心に忠実に生きた、愛にあふれた日々を思い出します。そんな父親に戸惑いながらも、彼の生き方にオリヴァーは背中を押されることになのです。正直に生きることや愛することの大切さを見つけるのです。

父と暮らしていた過去と恋人との関係でゆれる現在を、時制を交互に行きかう表現で描いています。
過去は現在に繋がっていて、人は死んでも心の中に生き続けるもので、その大切さは変わりません。亡くなった人のことを覚えている人がいる限り、まだその人は生きているとも言えます。

そして、現在の自分自身、自分以外の人と関係を作るには、たったの一歩が踏み出せない臆病さ、ペットにならば二歩でも三歩でも踏み出せるのに。
なんて想いは、誰もが少しは心の中にあるようにも思います。

過去と現在は、未来のためにあり、全ては繋がっています。
ハルが踏み出せたように、オリヴァーも、もう一歩が踏み出せそうです。
オリヴァーとアナの新しい物語の始まり予感に、なんともいえない暖かな気分になります。

とにかく演じる3人と1匹が絶妙で、本当に素晴らしい。
クリストファー・プラマーのゲイ役は、それだけでビックリですが、ごく普通に当然のように演じていて、ゲイのグループ?の中で75歳のビギナーです。新鮮な触れ合いとときめきには微笑ましさと切なさが微妙で絶妙でした。
ユアン・マクレガーとメラニー・ロランは人間と付き合うことが不得意で、引き気味で遠慮がちな恋人たちを演じていましたが、自分と相手を両立できない知性と感性、その苛立ち、切なさ、そして愛情を画面いっぱいに表現していました。
なんて思っていたら、この二人、共演が縁で恋におちたらしいですね、納得です。
そして。オリヴァーに語りかけるジャック・ラッセル・テリアのアーサー役のコスモは、愛らしく知的で、吹き出しにつけた人の言葉での台詞が、これまたグッドアイデアで絶妙です。

全体的に柔らかな雰囲気で、登場人物(犬)は皆優しい。
そして、自分も一歩踏み出せそうな気分になります

詳細評価

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