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パーフェクト・センス (2011)

PERFECT SENSE

監督
デヴィッド・マッケンジー
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  • みたログ 551

3.23 / 評価:220件

パンデミックパニックではない

  • lad***** さん
  • 2018年7月14日 23時03分
  • 閲覧数 429
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

原因不明の奇病に立ち向かうSFパニックを想像していたら、静かに受け入れているので非常に退屈だった。けれど聴覚を失うあたりから引き込まれていった。
ラストの二人の表情がとても印象に残った。
贖うことの出来ない非常事態に陥った時の一組のカップルのヒューマンドラマとして観るのが正しい鑑賞スタイルらしい。

世界中が大変なことになっていても世の中の事情はマイケルとスーザンの視点からしか語られないので、この非常事態に政府がどういう対応をしているのか等は一切見えない。世界を救うヒーローも現れない。というか、何かしらの対策をしているとは思えない。

シェフのマイケルは嗅覚がなくなれば濃い味付けの料理を、味覚がなくなれば触感を楽しむ料理を提供し、レストランに現れる客の様子から人類が現状に適応している様子が読み取れる。
災害時でも秩序を重んじる日本人には「抵抗せずに静かに全てを受け入れる姿」は共感しやすいかもしれないが、他の国ではどのように受け止めるのだろうか。やはり危険を冒して人類を救うヒーローが現れた方がいいんじゃないのか。
自分は何かを失ったときに取り戻すことではなく、失った状態で生きて行く術を模索する姿も一つの形と受け止められた。

残念だったのはスーザンの伝染病学者設定。
マイケルがシェフの視点から一般市民の様子を描いているのだから、スーザンは専門家として政府や学会の様子を描けるはずなのに、成す術もなくただ発症をおとなしく待つだけ。学者なら必死に解明しようと研究する姿があってもいいはずなのに、全くなし。やる気あんのか?ただタバコ吸ってセックスに明け暮れる日々。
目の前にある未知の課題に興味を抱くことが出来ないタイプのキャラクター設定で学者はない。小説家とか画家の方であれば独特の価値観や視点で物事を見るキャラクターとしてスーザンの人間性に深みも出ただろうに。占い師とかヒーリングマッサージとかスピリチュアルな職業でも、とにかく科学者とは正反対の設定にして欲しかった。そうすれば最初から素直にSFファンタジーとして受け止めたのに。


ラストの解説じみたナレーションはなくても良かった。完全に結末を観客にゆだねた方が逆に印象深いラストになる。
もしくは最後まできっちり描いて欲しかったかな。味覚をなくして歯ごたえや舌ざわりや温度で食を楽しむ、聴覚をなくして振動で音を感じるくらいまではなんとなく想像できる範囲。五感全てを失ったとき、どのようにして人々がそれを受け入れて生きて行くのかは想像するのさえ困難。そこまで描けたら相当インパクトのある作品になっただろう。
レビューでやたら「エヴァのおっぱい」と言われていたけど、インパクト薄いからポルノまがいの映画と受け取る観客が多くなってしまったのだろう。いい題材だと思うのに、残念。


最後に、味覚がないからって石鹸は食べちゃダメだと思うよ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ファンタジー
  • 切ない
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