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パーフェクト・センス (2011)

PERFECT SENSE

監督
デヴィッド・マッケンジー
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3.22 / 評価:224件

解説

人間に備わる五感を奪う謎の感染症がまん延し、人類存亡の危機に陥った世界を舞台に、危機的な状況下で巡り合った男女の恋の行方を描く恋愛ドラマ。主演は『ムーラン・ルージュ』などイギリスきっての実力派俳優ユアン・マクレガー、彼と恋に落ちる科学者に『007/カジノ・ロワイヤル』のエヴァ・グリーンがふんする。監督は、『猟人日記』でもユアンを主演に迎えたデヴィッド・マッケンジー。世界を舞台にした壮大なストーリーと、愛の意味を問う人間ドラマを融合させた斬新な映像世界が異彩を放つ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

“SOS”と命名された原因不明の奇病が世界中で爆発的にまん延し、感染者たちは嗅覚や味覚、聴覚などの五感を次々と喪失し、人類は存亡の危機にひんしていた。そんな状況の中で出会ったシェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と科学者のスーザン(エヴァ・グリーン)は、謎の病に侵されたまさにその瞬間、互いに惹(ひ)かれ合う。しかし、謎の病の前に人類はなすすべもなく世界は終局を迎えようとしていた……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010
(C)Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010

「パーフェクト・センス」絶望的結末ながら生きる力と喜びが余韻となる優れた寓話

 嗅覚、味覚、聴覚と、順にひとつずつ感覚が失われていく未知の感染症が世界を覆ったとき、人々はどうするのか? 過去に例のない設定での世界の終末を、異変に立ち向かう科学者スーザンと、五感すべてで人々を幸せにするシェフのマイケルのラブストーリーから見つめる展開が秀逸なヒューマンドラマ。

 一応SFだが、現代人の慢心を諌めるかのように、この物語で科学は無力だ。スーザンは、絶望的未来をいち早く察知する中で救いを求めるように恋をし、傷つき、真の愛に気づいていく。中盤、彼女が科学の限界を身をもって知っていた過去が明かされ、扮するエバ・グリーンの繊細な感情表現が胸を打つ。

 一方のマイケルは嗅覚、味覚が失われても人々に会食の楽しみを提供しようと工夫する。それは自身の生の証しでもあったが、さらに事態が悪化すると愛の力に気づき、必死に愛を求める。

 そんなふたりの背景に、どんな苦難に見舞われても前向きに人間らしく生きようとする人々の切ない姿が映り込み、希望を生むのだ。

 とはいえ、デビッド・マッケンジー監督は、暴力や略奪に走る人々の醜い姿も映しだす。だが、感覚を失う直前、人々は異常な感情の高ぶりに見舞われ、負のエネルギーを爆発させるという予兆の仕掛けが絶妙で、いつしか人間を信頼してしまう。その描写が強烈で、人々が自分の醜さを知って平穏を望む思いに自然に包まれるのだ。

 また、世界の状況については詩的なナレーションで終始示した構成も、悲劇にワンクッションを置いて効果的。それが終盤、触れ合いを求めて捜し合うふたりの情感をナレーションが浮き彫りにし、絶望的結末ながら生きる力と喜びが余韻となる優れた寓話となった。(山口直樹)

映画.com(外部リンク)

2012年1月6日 更新

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