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コーマン帝国 (2011)

CORMAN'S WORLD: EXPLOITS OF A HOLLYWOOD REBEL

監督
アレックス・ステイプルトン
  • みたいムービー 66
  • みたログ 184

3.49 / 評価:125件

ヤラシイ映画ではありません、真面目な映画

  • shinnshinn さん
  • 2016年2月9日 8時24分
  • 閲覧数 748
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

現在89才のロジャー・コーマンというハリウッドの映画人(監督・プロデューサー)の足跡を追った映画であり、ドキュメンタリーです。自分も名前だけは知っていましたが、これほどスゴイ(面白い)人物だとは知りませんでした。映画のプロデューサーであり、監督です。ハリウッドのB級映画の帝王と言われている方です。お気楽なお客の多いドライブ・イン・シアター用の映画を専門に製作していた時期もありました。

この方は若いころ、大手映画会社に就職するも、すぐに辞めてしまいます。自分の手柄を上司に取られた的な、わりとサラリーマンにはありがちな理由からみたいです(笑)。つまり結構サムライです。ここから自主映画製作という独自の道を歩みだします。要するにインデペンデント系映画製作の草分け的な親方です。

とにかく予算がないので、作る作品は怪獣ものや宇宙人ものなど正直、大人の鑑賞に堪えられるかどうかは疑問です。それでも子供たちや一部のB級ファンには受け入れられたのか、興行的には失敗しません。出発がそんななので、早撮り、低予算、観客に受ける、が信条です。早い!安い!うまい!です。映画への情熱は高いのですが、芸術性や格調で認められたいみたいな感覚はおそらく希薄だったのかもしれません。

尊敬するのは、生涯、大作の製作には手を出さなかった事です。巨額の予算で映画をつくるのは馬鹿げている!とまで言っています。ここが大事な独特のセオリーなのですが、一番の理由はいつまでも大好きなハリウッドというリングに立ち続ける為なのではないのかと自分は見ています。つまり、大きな賭けに敗れ、ハリウッドから消えていった幾多の人々を冷静に見つめていたのかもしれません。

とにかく、かたくなに低予算映画なので、ある意味、オスカーとは無縁の人生だったのですが、2009年にアカデミー名誉賞を貰っています。長年の功績からなのでしょうが、おそらくハリウッドの大御所たちの力も働いていたのかもしれません。つまり、数多くの重鎮監督や俳優たちがまだ若く駆け出しのころ、このコーマンさんに面倒を見てもらったらしいです。うがった見方をすれば組合に加入していない、つまり安く使えた若衆が、いつの間にかみんな親分になってむかしの親方に恩返しをしてくれたのに近いものを感じます。オスカーを手にするにしては、とても遠大な計画なので、まさか意図していたとは思えません。

世界の巨匠映画や日本のアニメの輸入、配給もやったみたいです。ウイキペディアによると「風の谷のナウシカ」を自国向けにストーリーを徹底的に改変したりもしています(そこは、やめて~ぇ)。そのあたりに、この方の興行師的なファクターを感じざる得ません。つまり、商売人です。なるべく、安く仕入れて、なるべく高く売る。ここまで書くと何だか、いかがわしい山師のようですが、意外にも映画に出て来るコーマンさん本人は温厚な大学教授のようです。ただし、その外見とは裏腹に、権力が嫌いで大資本を馬鹿にしているようなところがあるのかもしれません。反骨精神というか。その潔い生き方にとても好感を持ちます。

映画好きの方なら貴重な映像資料として楽しめますが、内容がマニアックなので万人向けではありません。

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