土が茶を育て、土地が人を育てる
- raz***** さん
- 2018年8月5日 21時56分
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お茶の有機栽培のお話ですが、
中身は主人公みのり(田中麗奈)の成長物語です。
お茶の成長と、みのりの成長を重ね合わせているストーリーが秀逸で、
そこに気づけるかどうかで感想はまるで変ってくると思います。
有機栽培というのがポイントで、つまり無農薬栽培ですが、
それと対極にある農薬を使った栽培が、みのりのこれまでの人生を
表しています。ようするに、お父さんが農薬を使って”温室育ち”な娘に
育ててきたということです。
ところが、やっぱり温室育ちじゃ社会を生きぬく強さをもつことが
できず、デザイナーの仕事を簡単に辞めてしまったわけですね。
でも、大分県の生まれ育った土地に戻ってきて、
大地に触れて茶葉の栽培を自分の意思で始めたことで、
みのりは生きる強さを身に着けることに成功しました。
有機栽培では、病気になってしまうこともありますけれども、
すぐに農薬に頼らず、自然の回復力を信じることも大切だと
映画の中で描かれています。
これは、そのまま子供の成長にも当てはめることができて、
過保護に育てるのではなくて、子供の自発的な意思を尊重しようと
いう話になると思います。
でも、過保護に育ててきたお父さんをすぐに批判することもできなかったりします。みのりが小さいころに大怪我をしたとき、おじいちゃんが子供から目を離すなと怒鳴りつけたことが、おそらく、過保護の始まりだったのでしょうね。そこらへんは、笑い話になっていてオチがついていて楽しいです。
ところで、このストーリーはお茶でなくても他の有機野菜でも適用可能です。なので、みのりの成長と連動したお茶だからこそという要素が1つ欲しかったかな。難しい注文ですがそこだけが残念。
他は大満足です。視聴後、余韻にも浸れて良かった!
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