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名探偵コナン 11人目のストライカー
2012年4月14日公開

名探偵コナン 11人目のストライカー

1102012年4月14日公開

Knj412

3.0

アクション全振り。合う合わないが両極端

迷宮の十字路辺りから顕著になってきた、「カットしても物語上の問題はないアクションのためのアクション」「推理の整合性、伏線、サスペンス、一本の映画としてのクオリティよりも、キャラ萌え(キャラ燃え)を重視」という方向性の極致と言ってもいい映画でした。 この手の方向に舵を切った後も、戦慄の楽譜といった揺り戻しの良作もありましたが、前作今作とかなり極端な出来になってきました。 ・明らかに真犯人の身の丈を越えた事件の大規模さ ・トリックの杜撰さ(「自分が犯人だったら」と仮定したときに、あまりに実現可能性が低すぎるとやはり冷めてしまいます) ・観客に情報を伝える下手さ(「2回目を観ると前半のシーンの隠された意図やさりげない情報提示に膝を打つ」みたいな物がゼロ。ただただ起きた事を後出しじゃんけんで説明されるだけ) ・目立つ扱いのわりに物語上いなくても問題ない真田青年(キャラとしては好きですが、コナン側の物語と彼のエピソードに接点が全く無いので尺を割いて描写する意味がない) ↑などなど・・・アクション作画以外の質の低下が個人的には限度を超えており、ちょっとイヤミな言い方をすると「アクション以外に興味がない映画」といった感じです。 そして売りのアクションも派手で格好良くはありますが、ストーリーの要請と言うよりアクションする事自体が目的になってる感が凄くて、明らかに物語のカロリーに対して尺や規模が過剰過ぎます。 ただ、真犯人が容疑を晴らすために一個アイディアを挟んで来るのは、サスペンスとしてはありきたりですが、これまでのコナン映画から一つ捻りを入れようと工夫していてよかったと思います(肝心のトリックの実現性がかなり低いのは大きなマイナスではありますが)。 「コナン君がどんなド派手アクションを見せてくれるの!?」といった映像的な快感を楽しむと言う見方なら、前半のアクションでおつりが来るレベルだとは思いますが、それ以外の質があまりに低すぎるために、「過去最低」という人の意見も残念ですが理解できます。 特に今作は過去作にあった「キッドや平次のようなコナン以外の人気キャラがメインで格好良く活躍」「新一と蘭、平次と和葉などのラブコメ描写」といった特定層への接待要素も薄いので、本当に「アクションが良ければ、料金分の元は取れる!」といったタイプの方以外にはオススメしかねます。 ※私自身はアクションでも元が取れるタイプですので☆は3つにしました また、お馴染みのゲスト声優ですが、序盤に登場する遠藤さん達は流石にもう少しディレクションできなかったのかと思いますが、三浦さんは下手は下手ですが演技素人としてまだ許容範囲、桐谷さんは特に問題ないと思います(最初のDAIGOさんショックでハードルが下がり切っているだけかもしれませんが)。 最後に、これはレビューとはちょっと外れた余談ですが、今作の真犯人、喋り方の特徴なのか音声加工が甘かったのか、初めて「加工された電話音声」で特定できてしまいました。

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