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英雄の証明 (2011)

CORIOLANUS

監督
レイフ・ファインズ
  • みたいムービー 63
  • みたログ 246

3.29 / 評価:100件

隠れBL映画?

  • bakeneko さん
  • 2012年2月28日 13時31分
  • 閲覧数 778
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

シェークスピア劇“コリオレイナス”のBBC&英国スタッフ&演劇人による映画化作品で、時代背景が現代風にアレンジされてアクションシーンも盛り込まれていますが、主人公が葛藤と激情を独白するワンマン芝居が主体を占める“シェークスピア劇”映画であります。

“この邦題1ヶ月後には絶対忘れているな”(前売り券を買う時に、既にタイトル名が出ませんでした♡)。
え~、オペラや演劇の世界では古典原作の舞台を現代的に置き直して“古色蒼然”としたイメージを払拭して若い観客を呼び込むと共に、“どう変わったのかな?”という興味でオールドファンも足を運んでもらう試みが良くなされます。
特にシェークスピアの有名な作品では、新しい解釈や舞台の現代化が常に発表されていて、本作もその流れの映画と言えます。
唯、古代ローマ時代の物語を現代の架空の小国に置き換えた本作では、
文化設定や武器は現代のものとなっていますが、国家政治体制や登場人物のメンタリティは原作の時代のまま&名前や命名形式も古い形を採っていて、メインの戦闘も(最新の銃器があるのに何故か)ナイフで戦います。そして、冒頭の現代的な服装と情景の新鮮さに慣れて来ると、意外と動きの乏しい“心理劇”重視の作劇である本作は、“血沸き肉躍る”アクションを期待してきた観客には動きに乏しい印象を与えると思います。
逆に言えば、(服装や背景を現代的に置き換えて入るけれど)意外と本格的なシェークスピア劇を眺めることのできる作品で、含蓄のある名台詞&心理葛藤の劇的緊張&役者の演技の見せ場―というお芝居の醍醐味を堪能出来ます。
愚直なまでに自分に正直な軍人のプライドと意地の決着を、(役者監督らしく)じっくりと表情と芝居に焦点を合わせて見せる演出は、古来変わらない”人間のプライド”が巻き起こす悲劇をドラマチックに浮かび上がらせているのであります。

また、主人公&ローマ側の文化&軍服装が“イングランド”風で、
対するヴォルサイ人がアイルランド風であることの風刺性や、
ロケ地にボスニアの実際の瓦礫城塞を使用している等の現実性、
そして、いつに変わらぬ“政治家の腹黒さ”と“庶民の軽薄さ”には時代を超えた名台詞が今もピッタリなこと等は、古典のストレートな映画化作品には無い現代的な見方を楽しませてくれます。
やはり役者の名演に支えられた作劇ですので、主演&監督のレイフ・ファインズの大見得を切った長芝居が見所ですが、それに対して一歩も引かない貫録の演技でバネッサ・レッドグローブも唸らせてくれます。

シェークスピア劇や心理葛藤劇がお好きな演劇ファンにお勧めの重厚な悲劇であります。

(ねたばれ?&脱線)
1、終盤のハードゲイ的なタンクトップ軍勢を観ていて思ったのですが、本作って隠し味が“ガチムチ(ヒゲ筋肉系)系BL”映画じゃない!
そう思って観ていると、ジェラルド・バトラー(攻め)&レイフ・ファインズ(受け)の心理葛藤が良く分かったりして!(そして最後の決着も、“やっと一緒になったと思ったのに、私よりローマの方が大事なのね、キィィー!”というジェラルド・バトラーの心の声が...御免なさい)。
2、ロケ地となったボスニアに敬意を込めたのか、「アンダーグラウンド」に使われたあの曲が一瞬流れますので御傾聴を。

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