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青い塩
2012年3月17日公開

青い塩

BLUE SALT

1222012年3月17日公開

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5.0

何色で生き、死に、生まれ変わるの

ヴァイオレンス、グロさ。そんなイメージを韓国映画に持ってる人は多いと思いますが、この作品ではそういう要素が見当たりません。ちょいと洒落た、新感覚の韓国映画が登場したわけです。 実は私、イ・ヒョンスン監督の作品を初めて観たのですが、評判通りの映像美で開始1分、引きこまれてしまいました!ストーリーの結末がオープニングからいきなり飛び込んできたので、ビックリしましたよ。それが途中もいい具合に絡んできて、ますますラストシーンで観客たちの不安感情を誘うというね。まあ、観れば同じ気持ちになると思いますよ。 ストーリーの内容はそんなに新しいものでもない。なのにこうも気持ちを引き込ませる要素は何なんだ!?伝説のヤクザ、ドゥホンとドゥホンを殺せと命じられている、セビンの距離感。それが本作のメインであり、いい意味で歯痒いところなのです。ネタバレしないように魅力を伝えていこうと思います。 2人の料理教室での出会い。つまり最初の出会いは事実上、よくないものだった。でも、よくないものでなければ出会ってなかった…。 ドゥホンは一見ただの優しいオジサン。でも所々に、彼のただならない経歴が滲むスゴさを発揮します。ああゆうのは、かなりの玄人って誰でも分かりますよ。マジでスゴいっ! セビンは、自分のことをよく気にかけてくれるドゥホンに徐々に心を開いていきます。でもだからこそセビンは心苦しい。殺せと言われてる相手に惹かれて、殺せなくて、一緒にいれなくて。本当に苦しかったと思います。ドゥホンは彼女の正体を知りながらもほっとけなくて、セビンは彼をどうにか救いたくて。勘違いしてはいけないのは、ここでの2人の感情が単純明快な恋愛じゃないってことです。関係は言葉では言い表せない複雑さのまま、あのラストシーンへともつれ込む。 映画のタイトルにもあるように、本作品は色とスパイスが物語の鍵的な要素です。少し話は逸れますが、「あなたは今、何色の人生を歩んでいますか?」と問われたとき、どう答えますか。赤、青、緑、黄、茶…といろんなパターンの人生があると思います。話を戻すと、2人の関係もそんな質問に当てはまると言えそうです。 スパイスはよく注目して観ておくとイイです。これは何を暗示してるのかな?ってね。見どころの 1つです。スパイスの役割りデッカいですよ。 私が思う、この映画の味は塩辛さです。オープニングからエンディングまでずっと塩辛い。 塩田での官能的な映像美から始まって、それで終わるこの作品のストーリー。だったとしたらあまりにも切なすぎますよ。安心して最初から最後まで観て下さい。ストーリーの細部を詳しく語りたいですが、頑張って我慢します! 無理のあるストーリー展開とか、2人の歳の差にしっくりこないとか、そんな感じの批評をもし、気にしているならば、迷わず劇場へ足を運んで下さい。そして自分の目でこの映画を評価し、是非レビューを書いて欲しいと思います。見る前から、この映画を批判してはいけない! さすがの演技ソン・ガンホに、若手女優シン・セギョン。プラスその他の韓国の実力派がそろいました。シン・セギョンの演技は初めて見たのですが、最高でしたよ(かわいいし)。セビンの抱く孤独さ、切なさ、内面に秘めた弱さを絶妙なバランスで表現し、ソン・ガンホと2人でかかってきたので感情移入なんてあっという間。予告編にもある、「私はおじさんを殺す」とか切なすぎるでしょ。予告編終盤、「おじさん」の後に続く言葉も是非聞いて来てください。何度も書きますが、監督の圧倒的映像美と共にお楽しみ下さい。私はより多くの人にこの映画を好きになって欲しいです!そしてこのレビューのタイトルの意味は、見終わった後に一考してみてください。

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