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スーパー・チューズデー ~正義を売った日~ (2011)

THE IDES OF MARCH

監督
ジョージ・クルーニー
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3.35 / 評価:548件

解説

アメリカ大統領予備選挙を舞台に、選挙戦の裏側をスキャンダラスに描いた政治サスペンス。2004年の民主党大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙キャンペーンでスタッフとして働いていたボー・ウィリモンによる戯曲「ファラガット・ノース」を、ジョージ・クルーニーが映画化。ジョージふんする大統領候補の選挙参謀を、『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリングが熱演するほか、共演にはフィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティら演技派が名を連ねる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

マイク・モリス知事(ジョージ・クルーニー)の大統領選挙キャンペーンチームで戦略担当を務めるスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、決戦のキーポイントとなるオハイオ州予備選討論会の後、ライバル陣営から密会の依頼を受ける。その後、インターンとして働く女性と仲良くなった彼は、選挙戦を揺るがす重大な秘密を知ってしまう。やがて彼はし烈な情報操作戦の渦中へと巻き込まれていく。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2011 Ides Film Holdings, LLC
(C)2011 Ides Film Holdings, LLC

「スーパー・チューズデー 正義を売った日」ラストの余韻に胸躍るピカレスクな政治ドラマ

 4年に一度行われるアメリカ大統領選の舞台裏に渦巻く陰謀や裏切りを、コンパクトかつ濃密に描いたスリリングな政治ドラマ。監督4作目となったジョージ・クルーニーは、1950年代の赤狩り事件を採り上げた「グッドナイト&グッドラック」よりもリラックスムードで、とらえどころのない政治の世界を、知的かつ皮肉たっぷりに風刺する。

 主人公の選挙キャンペーン広報官、大統領候補、上司の選挙参謀、部下の選挙スタッフ、ライバル陣営の選挙参謀、勝敗の鍵を握る大物議員、スクープを追いかける新聞記者……すべてのキャラクターが“理想主義者”として描かれている。しかし、ほぼ全員が勝つためには手段を選ばないピカレスクな存在であることが黒い笑いを醸し出す。ゆえに刻一刻と選挙情勢や人間関係は激変。時に敵味方が入れ替わるストーリー展開から一瞬たりとも目が離せないのだ。

 特筆すべきは、ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティと声のいい名優たちが揃ったことだ。丁々発止の心理戦を、声の調子で聞き分けることができるのはなんとも楽しい。一方で、男たちの汚い争いに巻き込まれる選挙スタッフ・インターン役のエバン・レイチェル・ウッド、新聞記者役のマリサ・トメイも容姿を十分に活かしたハマり役だが、それぞれの役柄にもう少しひねりが欲しかった。「冷徹な男性社会の犠牲になる女性」という構図は現代ではやや古い気がする。

 実際の選挙は当選結果がすべてだが、この「スーパー・チューズデー」では、選挙戦の内実こそがすべてである。クルーニーはこの現代の悲劇を、自らの血筋(父親はジャーナリストのニック・クルーニー)に逆らうことなく、冷徹な態度で一級のエンターテインメント作品に仕上げている。(佐藤睦雄)

映画.com(外部リンク)

2012年3月22日 更新

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