2012年10月20日公開

よみがえりのレシピ

952012年10月20日公開
よみがえりのレシピ
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(4件)


  • nan********

    5.0

    「種」をつないでゆく物語

    山形で古来から栽培されている「在来種」と呼ばれる野菜と、それを育てている方たちのドキュメンタリーです。 藤沢かぶ、だだちゃ豆、外内島きゅうり、宝谷かぶ、金谷ごぼう・・・といった在来野菜が農家さんの思い、独特な栽培方法と共に紹介されていきます。 案内役のような役割をしているのが、山形大学の江頭先生と、アル・ケッチァーノの奥田シェフ。 北九州出身という江頭先生は、「外」からの視点を感じられる語りで、山形に残っている在来種の文化を分かりやすく示してくれます。 奥田シェフは、野菜と消費者とのつなげ役として、在来野菜を現代風に、新しい魅力的な素材として提示してくれます。 戦後、均質化した野菜が求められる流通の中、固有種はその存在意義を失っていきました。 映画の中でも「現金収入につながる野菜を育てることが優先された」という農家さんの証言があります。 しかし、そんな時代の流れの中で「ここにしかないものだから」とお金にならなくても藤沢カブを育て続け、種を守ってきたおばあさん。 また、だだちゃ豆の種苗を選別しているおばあさんに、道に落ちていた種豆を「宝物落ちてたよ」と拾って渡してくれる孫。 なんて尊い考えなんでしょうか。胸を打たれます。 盛夏、焼き畑を行い秋に収穫できるかぶの種を撒いて厳しい冬の蓄えとする。 焼き畑は見るからに大変な作業の上、今となっては冬のために蓄えずとも食料はあるのに、続けている後藤さん。 焼き畑は林業と密接に関係していて、焼き畑を行った後は、植樹しそこにはまた数十年後に森が生まれます。 「孫の代に残してあげる」と後藤さんは言います。 遥か昔の先祖から、孫の代、あるいはその先まで。 受け継がれていく「土地の宝物」。 その宝物を料理する奥田シェフの言葉で印象的だったのは、「畑で食べた時の味を再現したい」。 といって、レストランのテーブルに生野菜をそのまま出すわけではなく、ピザになったり、パスタになったり肉と合わせたり・・・。 「調理法に野菜を当てはめるのではなく、野菜に寄り添う料理の仕方」で作られるアル・ケッチァーノの料理の数々。 特に気になったのが、シェフいわく「世界一合う」という金谷ごぼうと牛タンの組み合わせ。 「これは食べてみたい!」素直にそう思いました。 そう思うことが、在来種たちの未来につながり、 日本の土地文化を守っていくことにつながるのでしょう。 ※上映終了後、同時開催イベントで販売されていた在来種の白菜・人参等を買って食べました。作品中でも在来種のきゅうりは苦味が強い、という表現がありましたが、確かに、スーパーのものに比べるとすごく主張のある味で驚きました。栄養を直に感じられる味というか・・・野菜って本来はものすごく力強い味がするんですね。

  • ker********

    2.0

    ネタバレ期待していたものと違いました。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • taro48.

    3.0

    白飯、沢庵、味噌汁の美味しさ再発見。

    普段この種の映画を有料で劇場観賞する事はないのですが、スローライフフードに興味を持つ友人に連れられ観賞。   当方東北秋田在住ゆえ 燐県の山形には馴染がありましたが 採算性や栽培の難易さ、食べやすさのみ?で慣らされてきた現在の野菜の味に一度は消えかけていた古来からある野菜本来の姿を復活させた山形県庄内地方の方々の努力には 敬意を表しました…  とはいえ実際栽培している農家の人々は 在来作物を焼畑農法等昔からある栽培方法で地道に栽培している彼等にとっては それが当たり前で生活の一部になっているようです。  鶴岡の有名レストラン「アルケッチャーノ」で 在来野菜を栽培した農家の人達に  普段食べている食事からは考えもつかない新しいレシピで食事を楽しんで貰い農家の老人が驚くシーン等は 仄々として微笑ましいです。 ドキュメンタリー独特の淡々とした映像が95分続きますが 会場に居た小学生や幼児等がぐずらず 大人しく観ていたのは感心しました…  飽食や味の濃い料理に慣れた今 老人が囲炉裏で食べる白飯に味噌汁、沢庵の漬物には食欲をそそられますし 在来胡瓜の漬物も是非食べてみたいと…   現在の日本人は一度添加物まみれのスーパーの惣菜、加工食品から 身体をリセットする必要があるようですね。  但し淡々と始まり淡々と終わる、この作品を映画として観賞した際 どうかといわれると う~ん?と言わざるをえません。  田舎暮らしやスローフードに興味がある方々にはお薦め…   アニメや娯楽大作中心の映画ファンには 苦痛な時間となるでしょう…   因みに 私は何度か舟を漕いでしまいました。        

  • nam********

    4.0

    マクロからミクロへの再転換

    「おいしくて、そして心に効くドキュメンタリー映画」 「古より受け継がれてきた在来作物  その種を守り続けている人々がいる」 「人と人のつながりを取り戻し  再びよびがえるコミュニティ」(以上、予告編より) 映画の舞台は東北の山形県庄内地方。 日本海に面し、出羽三山を擁し、最上川の河口に位置する 映画『おくりびと』の舞台にもなった雪深い地方です。 長く続いてきた大量生産、大量消費の流通の中で 淘汰され、失われつつあった在来種の野菜を見直し、 生産から消費までを、地方の特色として、文化として、貴重な遺伝子として ここにしかない良さを取り戻す。 それは同時に地方のコミュニティの中での 人と人とのつながりを取り戻すことにもつながっていく… 「地産地消」、「食の安心安全」、「食育」、「食糧自給率」 使い古されたようなそんな言葉を、 地に足つけた地方の目線から、 一人一人が、着実に、一歩ずつ。 まさに小さなことからコツコツと。 世の中の大きな流れがマクロからミクロへと揺り戻りつつある現代。 3.11大震災の後で、この流れはより顕著に感じます。 この半世紀の間に世界中で加速度的に巻き起こってきた様々な食糧問題。 もともとそれぞれの地方の長い歴史の中で安定していたは食文化があって、 市場経済が肥大化する中で破壊され、一回りしてようやく戻ってきつつある。 言ってみればこの状況は、大国の資本主義経済主導のマッチポンプ。 世界規模でマクロの農業と食を取り巻く問題は 世界中のこういうミクロの動きで大部分が解決できるような… そんな気にさせられました。 まずは自分でできることとして なるべく地元の店で、地元の食材を選んで 食べ支え、買い支えすることから始めたいと思います。 素直で素朴で実直なドキュメンタリー。 観てよかった。

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