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よみがえりのレシピ (2011)

監督
渡辺智史
  • みたいムービー 19
  • みたログ 12

3.57 / 評価:7件

「種」をつないでゆく物語

  • 雪りんご さん
  • 2014年11月2日 20時34分
  • 閲覧数 579
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

山形で古来から栽培されている「在来種」と呼ばれる野菜と、それを育てている方たちのドキュメンタリーです。

藤沢かぶ、だだちゃ豆、外内島きゅうり、宝谷かぶ、金谷ごぼう・・・といった在来野菜が農家さんの思い、独特な栽培方法と共に紹介されていきます。

案内役のような役割をしているのが、山形大学の江頭先生と、アル・ケッチァーノの奥田シェフ。

北九州出身という江頭先生は、「外」からの視点を感じられる語りで、山形に残っている在来種の文化を分かりやすく示してくれます。

奥田シェフは、野菜と消費者とのつなげ役として、在来野菜を現代風に、新しい魅力的な素材として提示してくれます。


戦後、均質化した野菜が求められる流通の中、固有種はその存在意義を失っていきました。

映画の中でも「現金収入につながる野菜を育てることが優先された」という農家さんの証言があります。

しかし、そんな時代の流れの中で「ここにしかないものだから」とお金にならなくても藤沢カブを育て続け、種を守ってきたおばあさん。

また、だだちゃ豆の種苗を選別しているおばあさんに、道に落ちていた種豆を「宝物落ちてたよ」と拾って渡してくれる孫。

なんて尊い考えなんでしょうか。胸を打たれます。

盛夏、焼き畑を行い秋に収穫できるかぶの種を撒いて厳しい冬の蓄えとする。
焼き畑は見るからに大変な作業の上、今となっては冬のために蓄えずとも食料はあるのに、続けている後藤さん。
焼き畑は林業と密接に関係していて、焼き畑を行った後は、植樹しそこにはまた数十年後に森が生まれます。
「孫の代に残してあげる」と後藤さんは言います。

遥か昔の先祖から、孫の代、あるいはその先まで。
受け継がれていく「土地の宝物」。

その宝物を料理する奥田シェフの言葉で印象的だったのは、「畑で食べた時の味を再現したい」。

といって、レストランのテーブルに生野菜をそのまま出すわけではなく、ピザになったり、パスタになったり肉と合わせたり・・・。

「調理法に野菜を当てはめるのではなく、野菜に寄り添う料理の仕方」で作られるアル・ケッチァーノの料理の数々。
特に気になったのが、シェフいわく「世界一合う」という金谷ごぼうと牛タンの組み合わせ。
「これは食べてみたい!」素直にそう思いました。

そう思うことが、在来種たちの未来につながり、
日本の土地文化を守っていくことにつながるのでしょう。

※上映終了後、同時開催イベントで販売されていた在来種の白菜・人参等を買って食べました。作品中でも在来種のきゅうりは苦味が強い、という表現がありましたが、確かに、スーパーのものに比べるとすごく主張のある味で驚きました。栄養を直に感じられる味というか・・・野菜って本来はものすごく力強い味がするんですね。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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