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グスコーブドリの伝記 (2012)

監督
杉井ギサブロー
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3.59 / 評価:491件

自己犠牲と自殺願望

  • raz***** さん
  • 2018年10月19日 19時04分
  • 閲覧数 818
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

自己犠牲つながりで、銀河鉄道の夜のジョバンニと、本作の主人公を強引につなげたストーリーに改変されているという考察がネットにあって、なるほどと思いました。

実は、この映画を視聴しおわった時に何か違和感を感じていたんですが、その考察をみるまでそれが何なのか皆目見当もつきませんでした。しかし、その考察を見たことで違和感の正体に合点がいきました。

つまり、本作の主人公がジョバンニと同様に自殺願望をもってしまっているんですよね。その結果、ラストシーンでの自己犠牲の精神の尊さが薄まっているんです。

具体的には、この映画では前半で妹が死後の世界に連れていかれたという改変が施されていて、それにより主人公の心も死後の世界に惹かれてしまい、自殺願望を無意識的に持ってしまっているんです。

しかし現実において、自己犠牲を衝動的にではなく、やおら行おうとする者は、どこか現世に未練をもたないところがあるのも事実で、そういう意味で、自己犠牲への神聖視を諫める目的があったのかなと推察されます。

でも、そこをいじったら宮沢賢治の原作の良さを否定することになるわけで、どっちつかずな結果になっていて非常に残念です。


原作では、主人公のお父さんもお母さんも自分自身を口減らしして子供を生かしたわけですから、誰かを生かすための自己犠牲なんですよね。でも、この映画は、妹が死んでしまったから妹に会いに行きたいという主人公の気持ちを主人公の夢として表現していて、それが自己犠牲を後押ししているように映像が構成されているわけ。それじゃ違うでしょってことです。

っていうか、原作にあった両親の墓のシーンをカットして、妹をあの世行きさせたってことは、宮沢賢治の自己犠牲の精神を修正したかったとしか思えないんですよね。


細かいことを気にしすぎかもですがw

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