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虹色ほたる ~永遠の夏休み~ (2012)

監督
宇田鋼之介
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3.75 / 評価:170件

泣きました。

夏休みのお盆に田舎の親戚の家に泊まりに行ったことは、誰もがあると思います。私自身も当時の子供の頃の記憶と重なり、カブト虫を捕りに行ったり、冷たい小川で泳いだり、当時の体験の記憶がよみがえりました。さらに本作では、30年前の70年代にタイプスリップするので、スマホもTVゲームもない世界で、子供たちは外でのびのびと遊ぶことができました。善人しかおらず、田舎を理想的に描いています。もう少し、悪いガキ大将とか出したほうがリアルになったと思われます。
懐かしの70年代描写は少なめで残念でしたが、それをやりすぎると、子供と一緒に映画を見に来たお父さんの方が感動して号泣してしまうので、作品の主題から外れるのでそこは控えめでした。
この田舎に里帰り中に起きた、父親のバイク事故の巻き添えで、ヒロインは植物人間状態に陥り、過去にタイムスリップして生きることになります。主人公は加害者の息子という立ち位置で、ヒロインにとっては兄を巻き添え事故で殺した父親の息子でもあるという複雑な悲劇的な関係性で一筋縄ではありません。
ヒロインは絶望して、成仏することを望みますが、この田舎の生活の中で、主人公とのほのかな恋心を抱いたせいで、現世で生きることを選択します。
ラストシーンでは、蛍の神が奇跡を起こし、ハッピーエンドに至るわけですが、ダムの底に沈んだ村のシーンで涙が込み上げてきました。

このような美しい歴史ある村を、ダム建設で水没させる政治家や建築土建業者は自然を破壊し、村人コミュニティも平気で離散させる、悪魔的で怒りが込みあげてきます。ひどい連中です。

バイク事故で加害者となった主人公の父であはりますが、それをバイク乗りは悪として描かず、たくさんのバイクが集まり祭りが行われ、最後は父親の犯した過ちをのりこえようとするかのように、青年になった主人公は父親のようなバイクでダム湖に現れます。ダムに沈んだせいで、ダム湖の周りに高低差の少ない、走りやすいワインディングロードができてバイクのツーリングスポットになってしまったのは皮肉ですが。

田舎の親友は30年後の世界では父親と同い年くらいになっているはずで、
現実世界の主人公と交流があったとしてもおかしくありません。事前にそのようなシーンを入れておけば深みも増したはず。
未来に起こる父親のバイク事故のことをどこかに書き留めておくとか誰かに話すとかして、予防できたのではないか?という展開も期待したが、そんな安っぽい展開はない方がよくて正解。

キャラクターデザインについては、本作のような深夜萌えアニメチックにしない、抑制されたアート性の高い画風の方が、心に響きやすい。キラキラさせすぎた嘘くさい映像では、田舎の素朴な美しさの再現の妨げになるからだ。
ジブリアニメが大衆に受けているのはその辺もちゃんと意識しているのだと思います。チャラい萌えアニメの絵柄では感動も安っぽくなる。もっと芸術性の高い絵柄を目指したアニメが増えることを望む。

ロケハンをした田舎の風景、背景美術は素晴らしい。昔見た自分の田舎を思い出す。素晴らしいリアリティ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • ファンタジー
  • 切ない
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