言葉に言い表せない余韻が残る
- kod***** さん
- 2021年1月18日 16時42分
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悲恋の物語だとは予想していなかったため、
ハッピーエンドが好きな私にとっては、評価が難しい。
ただ、心に引っかかる(余韻が残る)のがいい映画としたなら、
この映画はよかったと言える。
以下は、気持ちを整理するために書いた、とりとめない感想である。
このふたりは、最初から最後まで時機に恵まれなかった。
ここで言う「最後」とは、エマが亡くなることでもあり、
映画の最後に描かれた場面のことでもある。
そのうえ、互いにあと一歩が踏み出せない。
エマは自分に自信がないし、
デクスターは常に自分の気持ちを見ないようにごまかして生きている。
(デクスターはエマに自信をプレゼントしたいと言っていたが、
そのデクスターがそれをもっていなかった。)
デクスターのそんなところが、
エマがデクスターに飛び込めなかった理由かもしれない。
(そして、シルヴィーに浮気され、離婚する原因だったのでは)
こんなにもすれ違ってばかりいるふたりの描くには、
1年に1日だけ描くことのほうが都合がよかったのだろう。
最も心に残ったのは、
最後のほうのシーンにある、デクスターへのイアンの言葉。
エマの最期は残酷だったが、
あのセリフでエマは(そしてデクスターも、私たち観ている者も)救われたような気がした。
それまでに描かれた、エマのいろんなシーンが走馬灯のように思い起こされた。
ドラマティックな演出があったわけではないが、
エマ(そしてアン・ハサウェイ)の魅力を改めて感じることができた。
他方で、この映画は見終わるのにかなりの辛抱が必要だろう。
なにせ、エマもデクスターも煮え切らないし、
本当の気持ちを隠して生きている(ように見える)ので、
話の筋が見えてくるのに、とても時間がかかる。
そして、辛抱して見続けた最期が、あんな悲しいものであったなら、
失望するのも無理はないと思う。
ただ、あの最期だったからこそ、エマの半生を間近で見たような錯覚を覚えた。
他方で、あんなにも弱いデクスターはこれからどう生きるのであろうか、
想像がつかないし、どちらかと言えば心配になった。
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