2012年4月28日公開

ル・アーヴルの靴みがき

LE HAVRE

932012年4月28日公開
ル・アーヴルの靴みがき
3.9

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(105件)


  • huj********

    4.0

    移民問題を織り込みつつ非現実的ファンタジックなおとぎ話

    相も変わらぬカウリスマキ流映像作品。 殆どの映画は1.2から1.5倍速で視聴するのだが、カウリスマキは等倍視聴してもいいと思える数少ない監督。 「書き割り」を3次元化したようなセットを背景に、へたうま漫画の吹き出しのようなセリフでやり取りされる静かな芝居は、不思議としか言いようのない安寧感をもたらしてくれる。 不法移民という世界的な社会問題を扱っていても深刻味はほぼゼロ。とはいえ、物語の推移はどうでもいいとはならず、こちらも穏やかな気分で事態の進展をただ見守るのみ。 移民問題は上手くいっても、主人公の奥さんに関してはバッドになりそうな予感しかなかったが、そういう結末にしたのか!?と今回は驚いてしまった。 決してもろ手を挙げて称賛するわけではないが、ハートウォームな感覚は確かに”少しだけ”生じた。笑 ディスク映像特典で靴磨きと警視を演じた俳優二人がカウリスマキについて述べていたが、正しく的を射ていた見方なのかもしれないなと感心させられた。

  • とし

    4.0

    不法移民

    2022年7月3日 映画 #ル・アーヴルの靴みがき (2011年)鑑賞 #アキ・カウリスマキ 監督がフランスで撮った作品 途中までシリアスで悲惨な結末を危惧していましたが、できすぎたハッピーエンドとなりました。個人的には悪くはないかなとおもいました。

  • エル・オレンス

    4.0

    ネタバレカウリマスキ流の人情味

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • sek********

    3.0

    突き放しの真逆

    弱者に優しく接すれば、やがてこちらにも幸福が訪れる…という因果応報的な、どこか日本昔話に通じる物語。これをあれだけ寒々しい空や暗い室内の撮り方で自然とやってのけるのだから面白い。 それから、このアキ・カウリスマキという人は初期に(具体的には『パラダイスの夕暮れ』と『マッチ工場の少女』で)本作の妻役のカティ・オウティネンという人を、逮捕させたり船で別の国へ行かせたりと、何度もカメラから突き放して終わらせたりしてるのですが、今回はその真逆で、思いっきりズームして見せたりする。カウリスマキファンとしては、その辺りを面白く見ておりました。 あと全然関係ない部分で、すっかり老いたリトル・ボブの生歌が(なんと)2回も聴けるのが嬉しいところ。

  • emi********

    3.0

    ネタバレタバコとかちりとりとか

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • コトリ

    4.0

    フランスにも桜がある

    カウリスマキの新作を観る前に予習で観ました。 もともと【街のあかり】ぐらいしか好きじゃ無かったので敬遠していたのですが、借りてみたら… 凄い良かった! 全員不幸そうな無表情で淡々と話が進むが、グレーなカラーの中鮮やかな赤や黄色の花があったり、そういう美意識の表れがひとコマひとコマあっていわゆる形式美のかたまりでした。 見返りを求めない善行の末に起こる奇跡。 ハッピーエンドで終わり、そして桜。 フランスにも桜があるんだなー。 でもフランス人はお花見はしないそうですね 。 公園を守るために夜は閉鎖されるそうだし、しても夏にピクニック程度らしい。 そして、桜といえばソメイヨシノだけど、フランスの桜は二重桜が人気だって。 あくまでもささやかな美にこだわる。 凄い良かった。

  • 柚子

    3.0

    これはファンタジー

    ある意味、お伽話 貧しき善人が、不法移民の子を助ける 我が身に起こった不幸は、その善き行いによって報われる 世の中、こんな人々だけであったなら…

  • dkf********

    3.0

    この作風は確実に好みを分ける

    アキ・カウリスマキほど「奇才」という言葉の似合う監督もいないだろう。独特なタッチは一目みただけで、彼の作品だとすぐわかるほどに個性的。舞台となる場所がどこであろうが、キャストが誰であろうが雰囲気はどれも同じ。見事に作風がブレない。本作も舞台はフランスのル・アーブルだが、作品の雰囲気や空気感は監督の撮る作品のメインの舞台であるフィンランドそのもの。どんなストーリーであっても、監督のミューズであるカティ・オウティネンが出てきた瞬間にすべてが「カウリスマキワールド」に塗り替えられる。他の誰にも似ず、フォロワーもいない孤高の存在。ある意味、これは凄いことだ。 逆に個性的であり過ぎるがゆえに、そのクセの強さにストーリーが負けてしまう ともいえるだろう。この作品にしても、何故マルセルがあの少年をかくまうのかの詳細な理由が語られないし、カティ・オウティネンの病の件は本編とは関係のない話だ。脚本は明らかに練りこみが不足しているように思うが、唯一無二の演出力で一気に見せ切ってしまう手法は見事なものだ。 面白さとか感動とか、そういう一般的な評価基準を超越した作品だとは思うが、それだけに好き嫌いがはっきり分かれることは間違いない。 この世界観を未体験の方は一度お試しを。

  • kih********

    3.0

    絵画や映画に言葉は要らない、ということ?

     この靴磨きも、元は絵描きさんだったらしい。昨日観た『田舎の日曜日』の主人公も絵描きさんだった。フランスには絵描きさんが多いのかな。どうして靴磨きをするのかは分からない。でも、絵描きさんらしい個性なり主張が随所に見られる。  そのひとつ、「人の足もとを見ると、人間や社会が良く見える」。そりゃそうだろう。だからといって、他人サマの靴磨きをしなくても、「人間や社会が良く見える」方法はいくらでもあるだろうに。そういう理屈を言ってはいけないらしい。どうやら、ユーモアで表現してあるらしいのだ。  ここにも、移民の問題が出て来る。フランスは移民(移住者)が多い(歴史を少し勉強しないと分からない)。  これが、カウリスマキの作風なのだろう。大きなマグマをゆっくり冷ます。冷えた感じの色調で通す。多くを喋らない。視線で会話する。ところどころに渇いたジョークを入れる。  カウリスマキの作品は観る側のセンスを要求する。余計な(説明的な)会話がないから、ぼんやりしていると、騙されたり、誤魔化されたりする。センスのない私には、靴磨きが不法入国少年を匿う理由が分からない。冷酷な刑事が不法入国者を見逃してやる理由が分からない。医師が見放した患者が完治するのが分からない。そういうのを、視線の会話やユーモアのセンスで納得しなければならないらしい。  彼の映画には犬が出て来る。犬とさえも会話ができる感性が求められる。いい映画のようだけど、私の感性では届かない。

  • rik********

    3.0

    気持ちが軽くなる映画

    確かに、いい人しか登場しない映画。ハッピーエンドだし。 不法移民や、深刻な身内の病。 厳しくしんどい状況を、淡々と生きてきた靴磨きのおじさんや近所の人達がやや危険を冒して乗り越えていく。 人生を諦めない。身近な人を大切にして生きる。市井の人生を温かくユーモラスに描く、裏切らない作品でした

  • アニカ・ナットクラッカー

    4.0

    青色を基調にした映像が心に残る

    今回取り上げる『ル・アーヴルの靴みがき』は、2011年のフィンランド・フランス合作映画。日本では翌12年に公開され、同年のキネマ旬報ベストテンで外国映画の4位に選ばれた。監督と脚本はフィンランドのアキ・カリウスマキ。この人の映画を観るのは初めて、と思ったら僕はカリウスマキ監督を以前に銀幕で観たことがあったのだ。 小津安二郎監督の「東京物語」が、東銀座の東劇でリバイバル公開されたときに観に行ったが、本編が始まる前に短編の記録映画が上映された。内容は香港やフランスなど、世界各国の映画監督が小津監督の映画について語るもので、最初の出演者として登場したのがカリウスマキ監督だった。小津監督の写真にお辞儀して「小津さん」と語りかける場面を覚えている。 本作の中で主人公のマルセル(アンドレ・ウィルム)と密航者の子供イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)が部屋の中で話すのを、部屋の外から引いた映像で捉える場面がある。これを見て小津安二郎の映画に似ていると思った。そういえば「東京物語」を観たときに、フィンランドの映画監督がコメントする記録映画があったな、たしかカリウスマキ監督だった・・・という風に思い出した。このように映画を観ることで、忘れかけた記憶が掘り起こされるのは嬉しいことだ。 ル・アーヴルは英仏海峡に面したフランスの港町で、古いたたずまいを残した魅力的な場所である。登場人物も枯れた風情の人々が多い。最初はかなり昔の時代設定なのかなと思ったが、セリフの中に「アルカイダ」という言葉が出てくるかられっきとした21世紀の物語なのである。現代でもフランスという先進国で、靴磨きという職業が成り立つのだろうか? マルセルはかつて芸術を志して放浪していた初老の男で、現在はベトナム系のチャングという男(クォック・デュン=グエン)と一緒に靴磨きをしている。冒頭はギャング風のいかつい男が、靴磨きが終わって歩き出した途端に抗争に巻き込まれてお陀仏、というブラックコメディ風の場面だ。ギャングの男にとって、人生最後の商取引が靴磨きの依頼であったわけだ。 一日の仕事が終わって家に戻ったマルセルは妻のアルレッティ(カティ・オウティネン)に迎えられる。稼いだお金を箱にしまい、妻から「食前酒を飲みに行ってきたら?」と促されて近所のカフェに向かうマルセル。夫婦のやり取りは淡々としているが、お互いを思いやっている感じが伝わってくる。アルレッティの苦労を重ねたような顔つきが胸に迫る。夫を送り出した後、お腹を押さえて辛そうにテーブルに突っ伏してしまい、体調面で大きな問題を抱えていることを夫にも話していないのだな・・・と想像させる。 カフェの場面は女主人クレール(エリナ・サロ)や常連客とのやり取りがとてもいい。フランス人にとってカフェとは単なる喫茶店ではなく、その人の人生そのものが凝縮された場所なのだろう。カフェの場面で、アルレッティの元の夫は屈強で暴力的な男だったこと、自らも不法移民であったチャングの過去など、重要な情報を得ることができる。 靴磨きという商売も楽ではない。靴屋の前で営業していたマルセルは店員にとがめられ、商売道具を蹴り飛ばされてしまう。ヨーロッパでは日本人の僕では想像もできない階級差別が残っているのだと思う。恰幅のいい女性イベット(イブリーヌ・ディディ)が経営するパン屋からパンをくすねたり、経済的に苦しいのは分かるが道徳的にどうなの?と思うシーンもある。 アルレッティは病状が悪化して入院し、医師からは余命宣告されてしまう。それと同時に発生するのが、アフリカのガボンという国から密航してきた少年イドリッサがマルセルに関わってくる物語だ。イドリッサは強い眼力が印象的で、きちんとフランス語を話し、自分を匿ってくれたマルセルを手伝おうとするなどしっかりした所がある。 聞けば父親が教師をしているというので知識階級であるわけだ。フランス語をしゃべれるのは、かつてガボンがフランスの植民地であったということか?ロンドンで生活している母親を追って来たらしいが、命の危険を冒してまで貨物船のコンテナに潜り込むとは、どれほど切迫した事情があったのか。それを考えるとやり切れない気持ちになる。 出演者の中で僕が知っているのがジャン=ピエール・レオだ。かつてトリュフォー監督の「恋のエリュード」や「映画に愛をこめて/アメリカの夜」がリバイバル公開されたときに観に行った。かつての好青年は悩めるベートーベンのような風貌で、イドリッサを警察に密告するチョイ役であった。もう少し出番があると良かったかなと思う。 簡単には解決できない移民問題をテーマに持ってきた作品だが、結末はファンタジー映画のように優しい。こういう話があってもいいではないかと思う。青色主体で時おり暖色が入ってくる色彩感覚の美しさを指摘して、本レビューの最後としたい。

  • ぱんさん

    4.0

    人生は素晴らしい

    淡々としたストーリーなのに、引き込んでいく力があります。また、フランスっぽい色彩感覚が随所に見られ、映像美にも感嘆させられます。 心が少し疲れてる人、この映画で癒されて下さい。じわっと幸せにしてくれますよ。

  • abe********

    4.0

    ラスト2分ほどのシーンがとても印象的

      最後の最後、ラスト2分ほどのシーンがとても印象的でした。そしてとても気に入っています。  その内容を書き記すことはしません。映画をぜひ見てください。  真逆のストーリーだってありがちなのに、そうしないのは、カウリスマキ監督の心意気なのでしょうね。どこまでもどこまでも優しい心根を感じさせてくれる作品に仕上がっています。  とはいえ、ラストの結果が真逆だったら作品の印象はどう変わったか考えました。どっちでも簡単に作れそうです。  でも、もし真逆だったら、いやな気分、暗い気持ちで映画館を出ることになったのだろうなと思います。  たぶん正解は一つなのです。 

  • kun********

    4.0

    やさしい映画

    意地悪な人も一寸だけ出ます。 靴屋の店員でしょうか? 店先で靴磨きしてるのが気に障り、商売道具を蹴散らすとか、店の中から意地悪な目で監視してる。 他の9割の人はみな優しく、互いを気遣う。 何故か花咲爺さんを思い出しました。 ラスト小さい庭の小さい木が花盛りで終わるし、不法移民の少年を皆で庇い 法律より愛を優先する。 シロを愛し可愛がる爺さんにここ掘れワンワンお宝がザクザク 意地悪爺さんは其れを見てシロにお宝を探せと命令、ゴミが出 役立たずと怒り殴り殺す…以下 愛と幸福の話ですから。 愛の奇跡とでも言いますか。 コンテナを開ける時皆無表情なのがこの映画のスタイルなんですね。 普通長い閉鎖空間の中なら人の排泄物まみれで凄い匂いが外に放たれ 悪臭に苦悶する人、 中の人は暗闇から光が一変に射しこみ手で遮るとか、ジェスチャーと言うか アクションが有り、リアルに感じるけど、 皆ボーットしてジェスチャー無し。 海の中に逃げた少年が、寒がることも無い。 感覚表現を一切消してるのが一種の不思議な映像に感じる。 鎮痛剤を打った時の様な安らぎですか。

  • fuk********

    5.0

    いい映画です

    この世界にカウリスマキとジャームッシュとヴェンダースが居てくれてありがとう。 もちろん小津安二郎先生も。

  • rec********

    5.0

    全編、嫉妬に駆られます。罪な映画です

    幾人かの世界的監督がそれぞれ小津安二郎について語るドキュメンタリー、田中公義監督の「小津と語る」の中でアキ・カウリスマキは「自分の人生が狂った。あなたのせいです」と言ってました。 ごもっともです。 日本から遠く離れたフィンランドの地にご自身の映画遺伝子という財産を授けた小津監督は日本映画史の非国民です。 その財産を継承した(もしかして盗んだ?)この作品に嫉妬せぬ人に映画を愛してるなんて言って欲しくありませぬww この作品はその静謐なタッチとは裏腹にワンシーンごとに日本映画人、日本映画好きを嫉妬させる大変物騒な映画です。 「東京物語」の瀬戸内海を思わせる出航シーンと主人公の靴磨きが回復した妻と対峙する場面では感動を軽々越えて嫉妬で気が狂いそうになりました。

  • new********

    5.0

    淡々、タンタン、たんたん

    今の時代に、この作風で作品が撮れる監督はアキ・カウリスマキ以外に考えられないと言っても過言ではないくらい独自性を確立している。淡々としているんだけれども、その形容だけでは表現できない奥深さがある。未見の方は、ぜひこの作品を入門編として、「街のあかり」「過去のない男」「浮き雲」と過去に遡って味わってほしい。  ラストは、「カサブランカ」の有名な台詞“美しい友情の始まりだな”という言葉と、“君の瞳に乾杯”という言葉がふと頭をよぎり、思わず笑みがこぼれた。

  • fg9********

    5.0

    映画というのは、こうでなくっちゃ~

     …あらすじは、解説のとおり。  ル・アーヴルで「靴みがき」で生計を立てている老夫婦の話。  ある日、旦那が仕事から帰ってくると奥さんが病気になっていて、緊急入院する。  病状は相当進んでいて余命数カ月だったが、奥さんは医者に旦那には知らせないでくれと頼む。  旦那もいつもどおりに仕事をしていたが、ある日、不法移民の難民の少年と出会い匿うことにする。  近隣の人々もそれとなく協力してくれ、調査する警部も知ってか知らずか見逃してくれている。  と書き出しても大して面白みのない作品にしか思えないが、幕引きは、それはありえないだろうという奇跡が起きて、ついつい心がほっこりする良質な庶民劇に仕上がっていて好感が持てた。  映画というのは、こうでなくっちゃ~というお手本のような作品だった。

  • tim********

    4.0

    これぞ映画

    特筆すべきは演者の感情描写だ 彼らの喜怒哀楽は非常に抑えめだ もはや無表情 そして物語も同じように淡々と無機質に進む 盛り上がるところなどない しかし情に響いてくる 敢えて無機質に描くことで自分の隣近所で起こった身近な事件のような親近感が生まれる そこに芸が生まれ育つ これが映画なのだ 私にとっての映画とは「日常の延長線上」だ ハリウッド等の大袈裟で現実離れした映画は余り好きじゃない 非難している訳ではない 私はそう感じるだけだ 私のような映画観を持つ人間にとってはこのような映画は砂漠の真ん中のオアシスなのだ

  • ish********

    4.0

    お洒落な人情話

    主人公の部屋の内装とか街並みが絵画のようでお洒落。 お話は、小学校の図書室に置いていそうなファンタジーっぽい人情話。 主人公含め、登場人物が人情味あふれる人達ばかりで観ていて気持ちが良くなる作品でした。 慎ましい暮らしをしていても、愛する奥さんと可愛いワンコがいれば幸せ・・ な主人公を見ていて(金銭的な事など現実的な問題は置いといて)とっても共感し、庭にあるしょぼい桜の木を見て「桜が満開だわ」と言って幸せを感じられる、そんな人生って良いなぁ、と思いました。 そんな主人公達であるからこそ、上手くいきすぎという野暮な突っ込みもする気がなくなるような、素直に良かったね、と思えるさらっとした良いお話でした。

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