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ハンガー・ゲーム (2012)

THE HUNGER GAMES

監督
ゲイリー・ロス
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  • みたログ 3,414

3.00 / 評価:1971件

これはハンガーゲーム。バトルゲームに非ず

  • 映画生活25年 さん
  • 2012年9月30日 2時35分
  • 閲覧数 3190
  • 役立ち度 73
    • 総合評価
    • ★★★★★

全米でメガヒットの話題作。
話が「バトル・ロワイヤル」に似ていることから、アメリカではそのDVDが注目され、また主人公カットニスが弓矢の名手ということでアーチェリーがブームとなっているそうな。

原作は3部作。
続編「Catching Fire」には名優フィリップ・シーモア・ホフマンも出演することになったが、主演のジェニファー・ローレンスが「X-MEN」シリーズにも出演しているので公開が延び、また監督も降板。
続編もヒット間違いなしだろうが、「トワイライト」のように劣化しないか、また前後編に分割したりで4本になったりするんじゃないか、3Dになるんじゃないか、などと余計な心配。

さてそんな記念すべきシリーズ第1作である本作。
舞台は未来、独裁国家パネム。
12の各地区から少年少女1人ずつ計24人がくじ引きで選ばれ「ハンガー・ゲーム」に参加させられる。
「ハンガー・ゲーム」とはかつては市民の反乱に対する見せしめの罰ゲームだったが、今やテレビ中継される一大イベント。
24人で殺し合い、勝者は1人。
勝者は富と名声を手に入れ富裕層の仲間入り。
志願参加も可能で、戦闘専門学校を出て志願する者もいる。
また政府の配給物資を受け取るとくじ引きに入れられる名前の票が増え、当たる確率が上がってしまう。

さてそんな未来の富裕層の人々だが、みんなバカ。
どのくらいバカかというと「ぱみゅぱみゅみたいな格好をしている者がウジャウジャいる」と言えばわかるだろう。

ドナルド・サザーランドが演じる大統領もバカ。
ゲームの存在意義を語る場面があるが、市民感情など全く想像できない野田並みのバカである。

ゲームを主催する側もやはりバカ。
都合よろしくルールをコロコロ変えるジャイアン並みの思考論理。

競技場はドーム型の広大なステージだが、頑張ればすぐに端にたどり着く。
すると主催者は森林火災を起こし、また火の玉まで飛ばして追い払う。
昼夜の設定も自由自在、夜には天井に死者の顔写真が映し出され紹介される。

天候や地形を変えるのならまだ理解できるが、猛獣まで「創造」して投入、これがバーチャルではなく実体なのだから、もう何でもアリだ。
ハイテクやバイオ・テクノロジーの進化による未来像なら結構なのだが、これはもう魔法。
この設定が原作通りなら、原作者のバカさを証明したに過ぎない。

散々バカバカ言ったが★は4つ。
映画としては、また第1部としてはなかなかのデキ。
発想と設定だけで満足してあとはグダグダなSF作品が最近よくあるが、本作はそんな「発想・設定だけ作品」ではない。
そもそもこの発想自体、「バトル・ロワイヤル」に似ていると言われるが、他作品でもちょくちょくあるありきたりなもの。

またその「バトル・ロワイヤル」に似ているかというと、これがあまり似ていない。
バトルのアクションシーンはそれほど激しくはない。
その点を物足りなく不満に思う向き(特に無駄グロバトル好きな日本人)もあろうが、そもそもこれはバトル・ゲームではない。

これは「ハンガー・ゲーム」。
言葉の通り「飢え」をしのいで生き残るサバイバル・ゲームなのである。

原作は未読(読む気ナシ)なので勝手な推測だが、殺し合いは必然的に生じ、その決着を早めるため、そして視聴率や富裕層の熱狂のためにゲーム・メーカー(主催者)が武器などを提供していき、このような形になったのだろう。

派手なのは富裕層のファッションだけで、本作は実は意外にも静かな映画である。
無駄バトル満載の「バイオハザード」シリーズが大好きって方には退屈で仕方ない作品かもしれない。

確かに富裕層の人々や、都合良くコロコロとルールを変える主催者などのバカさ加減には呆れるが、意外と静かに、また人物像も丁寧に描いている点は大いに評価したい。
カットニスと同じ地区から選ばれる少年ピータとの恋愛模様も単純ではなく、一筋縄にはいかない複雑な心理を秘めている点も興味深い。

またテレビ中継で娘の死を見た男が激高し、暴動に発展する様子もわずかだが描かれる。
このあたりが今後の展開への布石ではないだろうか。

これも勝手な想像だが、もうハンガー・ゲームが主な舞台にはならず、12地区の反乱を描いたスケールの大きい話になるのではないか。
そんな期待もあるが、カットニスがまたまたハンガー・ゲームに参戦!今度は妹も!なんて「やっぱり原作者もバカ」と思わせる単純な話にならないよう祈る。
また「トワイライト」の3作目「エクリプス」みたいなグダグダお姫様ムービーにならないようにも祈る。

全米メガヒットだからと期待するのは禁物な作品で、「踊る」や「バイオ」が大好きな日本人には今一つかもしれないが、序章としてはなかなかのデキ、標準以上の評価はできる作品である。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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