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傷跡 (2011)

監督
冨樫森
  • みたいムービー 8
  • みたログ 10

3.80 / 評価:5件

過ぎ去りし過去と小瓶の中の現実。

  • 絶対の客人 さん
  • 2012年3月21日 4時34分
  • 閲覧数 328
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

今作は、俳優や脚本家などの人材を育成するワークショップ<映画24区>の記念すべき第1回製作作品。

監督は【あの空をおぼえてる】等の『富樫 森』監督だが、
脚本家の『五十嵐 愛』さん含め、役者陣も全て<映画24区>の受講生の方々。

イジメを苦に山形の鶴岡から東京へ上京した主人公『加藤喜美(きみ)』が13年ぶりに帰郷し、
ある思いを胸に参加した同窓会で当時のクラスメイトと再会し、自分を見つめなおす。

自分が今まで観てきたこの手のテーマを題材にした映画やドラマの中では、
【青い鳥】の次ぐらいに結構よくできいたと思える作品でした。

ただ、当時のイジメのシーンや登場人物の口から語られるイジメが、
イジメが怖くてトイレに閉じこもる…というだけではどうも説得力に欠ける。

まあ、そこからどんなことがあったのかを観客に想像させるという監督の手法だったんだろうけど、
ちょっと弱すぎた感は拭えない。あともうちょっと欲しかった気はしました。

でも、当時喜美を助けてくれたーヒーロー的な存在だった男の子の過去と現在の感情や、
イジメのリーダーだった女の子の感情や関係など、今の商業的な作品で脚本を書いてる…
…いや書かされている脚本家の作品ではあまり見られないリアルさはありました。

しかもそれを、テレビドラマよりも短い、わずか45分にまとめた力はスゴイと思う。
この分なら今後の<映画24区>作品にも十分期待が持てます!


そしてもう一つ考えさせられたシーンは、喜美が持っていた小瓶に関して…は、レビューの最後で…



さて今回、わたくし、またしてもやってしまいました。何をかって?
本日3/20(火)観に行くかどうか迷った挙句に行ってみた結果、
なんと驚いたことに、初日でもないのに舞台挨拶がございました(笑)

これでいったい何度目なんだろう。行き当たりばったりで舞台挨拶に遭遇したのは…
いや、上映前のフロアもなんだか異様な雰囲気だったんです。
なんとな~く特別なことが起こりそうな…そんな臭いがプンプンと…

さて映画が終わり席を立とうとすると舞台挨拶のアナウンス。ヤッパリきた!

登壇したのは『富樫 森』監督と、主役の『加藤喜美』を演じた『梨乃』さん。
イジメグループのリーダー役(パンフが無いので名前が分からん)『牧野 愛』さん。
そして加藤喜美の弟とその妻(パンフが無いので役名も実名も分からん)を演じた方。

いや~、素晴らしい舞台挨拶でした!
監督からの生のダメ出しを受け、それに一生懸命に答える<映画24区>の新人俳優の方々。
特に牧野さんの一生懸命さと、喜美の弟役の方の緊張っぷり、そして皆さんの役に臨む姿勢には、
最近の売れっ子俳優にはない初々しさと必死の努力が垣間見え、作品の内容以上に感動しました。

彼らが今後、監督のおっしゃっていた、本当に撮りたい映画を撮る事を難しくしている最大の原因でもある、
テレビ局主導の大作映画で観れる日がくることを、心から楽しみにしています…いや、いい意味でですよ。
そういう映画に呼ばれるようになったことが、本人が出たい出たくないに関わらず成長した証ですからね。




      ~~~ここからは多少ネタバレ~~~




あの小瓶の中には農薬が入っていて、それを偶然見つけたイジメグループのリーダーだった女の子は、
その農薬を使って同級生を殺すつもりだったと喜美をなじったが、自分はそうは思わなかった。

あの農薬を使って、同級生の目の前で自殺するつもりだったんじゃなかっただろうか。

<イジメから逃げて東京に行っても何も変わらない。どこに行っても上手くいかない。こんな自分を作ったのは全部イジメが原因>

そう過去を恨み、将来を憂いた喜美が取る行動は、果たしてどっちだろうか?
そう考えると、相手を殺すより、すでに過去のことを忘れつつある同級生に、
自分がどれだけ苦しんだのか、苦しんでいるのかを教えたい…そういう思いの方が強いような気がする。

そんなことを考えさせる脚本と演出。<映画24区>恐るべし!次回作も期待しています!



作品としては★4ですが、<映画24区>への期待と、牧野さんの美しさにプラス★1つ!

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