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傷跡 (2011)

監督
冨樫森
  • みたいムービー 8
  • みたログ 10

3.80 / 評価:5件

因果はめぐる・・・

  • シャオフー さん
  • 2012年3月28日 23時42分
  • 閲覧数 296
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

冨樫森監督の「非・バランス」と「ごめん」が好きで、
子どもが成長する自分自身への抵抗感にもがきつつも
諦めて受け容れたりするのをおかしみを含ませて
繊細に表現するところが良かったりするので、
本作も気になっていてようやく観に行きました。

―疲れた体とキャリーバッグを引きずって久しぶりに戻った
鶴岡の実家は居場所がなくなっていた。自室だったところは、
親と同居している弟夫婦の「赤ちゃん部屋」になるらしい。

13年を経て中学の同級会に参加する主人公の加藤喜美。
華やかに装う女子たちを引き気味に眺めながら、
ここにも‘居づらさ’を感じていた。彼女たちの笑顔がしだいに
あの頃ひとりトイレに隠れていた自分を嘲笑する様子に重なる。

中でもひときわ綺麗で、とりわけ自分を攻撃した桜庭さんに、
同級会に持ちこんでいた「あるもの」を見つけられてしまった。
そのことが、当時の自分をかばってくれていた、クラスの
人気者(お調子者?)山本くんを巻き込み思いがけぬ事態に・・・

詳しいことは分かりませんが【映画24区】という映画学校の
学生(?)五十嵐愛さんが脚本を書いた1時間弱の短編で、
出演者も演技経歴の浅い人ばかりのようですが
結構よく出来ていました(監督だけがプロなのかな)。
就職先の東京と故郷・鶴岡いずれも立ち位置を見出せない閉塞感と
地方の街特有の狭すぎる人間関係。‘いじめ’にまつわる因果。
いきさつなどを省いている関係で感情的な揺さぶりは
得られないため少し物足りなさを感じる部分もありますが、
あと20分程度増やして話に広がりを持たせられたら
十分な長編映画にもなるでしょう。

主人公の喜美さん。あんなものを持ち込んではいたけど、
他人に対して攻撃するためではなく自虐だったと思う。
(何というか・・・同級会に出られる勇気を確かめたかった?)
山本くんにちらっとみせた笑顔が本来の表情なのではないかな。
もちろん桜庭さんの境遇とか最後に起きた事件のことで、
「ざまーみろ」と考えるような人でもなく。こんなことだけど
少しでも過去が吹っ切れるといいなぁと考えてました。

‘いじめ’がテーマですが、後味は決して悪いものではないので
若い感性が光る良質の日本映画を探している方にお勧めします。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • 悲しい
  • コミカル
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