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シグナル~月曜日のルカ~
2012年6月9日公開

シグナル~月曜日のルカ~

1122012年6月9日公開

shi********

3.0

バランス感、説得力に欠け、話も凡庸。

地方の名画座から一歩も外に出ない映写技師の少女・ルカ(三根梓)。 そこでバイトを始めた恵介(西島隆弘)は支配人(井上順)から、彼女の過去を尋ねない、彼女と恋愛しない、月曜日は彼女は憂鬱になるが干渉しない、というバイト3カ条を言い渡される。 いったい彼女に何があったのか・・・。 その謎が徐々に明かされていくのだが、それが一言で言えば、元彼にストーカーされているということ。 普段は普通に笑顔を見せるルカだが、日曜から月曜に日付が変わる時、名画座のツイッターに彼からのメッセージが入り月曜は憂鬱になる。 わかっているならさっさと寝るなりどうにかなろうと言うもの。 周りに気遣いと迷惑をかけるほどの「症状」なのだが、ことの真相を知ってもさほど同情もできない。 ストーカーと言ってもこの3年は居場所も知られていないようで、月曜にメッセージが入るだけ。 でも名画座のサイトにメッセージ送ってるってことは居場所わかってるんじゃない? 3ヶ月というならまだわかるが、3年というのは無理がある気もする。 ルカを演じた三根梓は新人ということだが、なかなかの美人でいい表情を見せる。 セリフ回しが今一つだがそれが直ればいい女優になるのではないか。 恵介を演じた西島隆弘は笑顔はいいのだが存在感が薄い。 むしろ弟を演じた白石隼也の方に注目させられた。 3人の中では最も存在感があり、役者としても今後期待が持てると思う。 ストーリーそのものはたいした話ではなかったが、ストーカーの描き方が興味深かった。 ちょっとした一言でその異常性が的確に表現されている。 行動の異常性よりも、自分本位にしか考えられない性格の異常性がよく表現されていた。 それを演じたの日本の若手俳優では1、2を争う実力派・高良健吾。 この演技が凄い。 こんな映画(失礼!)のこんな役でも真剣な凄い演技を見せてくれる。 しかしこれほどの実力派をここに配したおかげで、他の役者が凡庸さが際立ち、バランスが欠けてしまった感は否めない。 またやはり最も残念だったのが今一つ説得力に欠けるストーリー。 例の3カ条を恵介に守るよう説得する以上、観ている我々にもそれを説得する力を持っていなければならないのだが、それが弱い。 しかもストーカーの心理が最も説得力があるのだから、やはりバランス感に問題があると改めて思ってしまう。 映写の仕組みはなかなか興味深かったが、映画にするほどのものかと思ってしまうほど、たいしたことのないストーリーの作品だった。

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