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桐島、部活やめるってよ
2012年8月11日公開

桐島、部活やめるってよ

1032012年8月11日公開

hik********

4.0

“好き”のパワーに気付いた時に変わる世界

本作は、単なるいち学園青春ものなどという安直なものでは決して無く、 格差やヒエラルキーの元に学校の人間関係というものが成立している事実をリアリスティックに描き、 さながら学生に限らず、社会全体の縮図のメタファーを、多種多様な登場人物の群像劇として昇華させている。 もちろんこれは非常に残酷なものであるが、それと同時に映画の中では、ラストにある「美しい答え」を明示している。 これが多くの観客の胸を打ったのは、言うまでもないだろう。 ラストで“気付き”を得た“彼”から見える世界。その世界は、きっと輝きに満ち満ちているに違いない。 怒涛のクライマックスのシーンは近年の邦画史に刻むべき名シーンだが、一つ不満を述べると、そこまでの展開がやや強引すぎるような気はした。 それでも、ある種の映画賛歌とも言えるあのクライマックスは、映画を愛する前田(神木隆之介)から、映画を愛する観客への最高の贈り物だったと思う。 最後に、素朴な疑問なのが、なんと本作、これだけ話題になったにもかかわらず、未だに地上波で放映していないという件。 普通にテレビ用の尺に収まる時間だし、日テレが大々的に提供しているのに放映しないのは実に謎である。

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