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007 スカイフォール (2012)

SKYFALL

監督
サム・メンデス
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  • みたログ 4,974

3.74 / 評価:2,991件

新シリーズに色を付け肉を付け血を通わせた

  • my******** さん
  • 2018年8月28日 3時26分
  • 閲覧数 754
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

前作と続けて見ると違いが面白い。個人的感覚で言うと、色のない無機質な鉄臭い前作「慰めの報酬」からガラッと変わって、色が付き温度を持つ肉厚な「スカイフォール」と言った感じ。パワーアップと言うよりも前作で足りない要素が全て補われているような気がする。

前作のアクションも血生臭い感じで良かったが、カメラワークや2つの場面を交互にフラッシュさせる演出が不快だった。しかし今回の演出は観客を興奮させ笑顔にさせるような肉付けで嬉しかった。まず、ボンド登場シーンの「ジャージャン」の効果音にやられる。マネーペニーとのジョーク混じりの追跡、そしてショベルカー!!使い方に思わず興奮。上海での戦闘シーンも青の背景にシルエットのみでカッコいい。それに対しクライマックスは赤の背景のシルエット。かっこよすぎる。

舞台もダニエル版では見たことない近代的な上海やマカオ(かなり作り物的だったが)で色鮮やかで新シリーズの泥だらけだったボンドが従来のボンドのようにカッコよく見える。ネオンとダニエルの組み合わせも新鮮だし、マカオの川渡しのシーンはもう芸術的。そしてラストはスコットランドの大自然が舞台で美しい。前半はギラッとスタイリッシュ、後半は冷たい美しさや緊迫感を感じる。

キャラクターも一人一人の個性が今まで以上に光っている。それまでは周りの人物の個性が乏しくボンド自身もロボットのようだったが、個性的なサポートキャラと化学反応を起こしたかのように人間味や温度を感じれた。コメディ要素も持つQや人間味があるマネーペニーとのやりとりで温度が増した。イヴがマネーペニーと名乗るラストはかっこいい。Mとの信頼関係をフューチャーし、絆を見せてくれた事で彼女の最後にふさわしい内容になった。母とも言える彼女からの解放はやはりひとり立ちするボンドのメタファだろう。そして何より、敵に個性的魅力があるという事が決定的に過去作と違う所。演じたハビエル・バルテムの演技に吸い込まれてしまった。「ダークナイト」のジョーカーの狂気に近い物を感じる。また、今回のボンドガールは出番が少なかったが、彼女は顔の表情筋がすごい女優さんだなと思った。個人的には好きだった。

そして一番感謝したかった事は、ストーリーが「分かりやすい」事。前作、全前作ともに初見では非常に分かりづらく、理解するまでに字幕が終わってしまう速さでの説明セリフが多かった。反面、終わって見ると大きな流れは別に複雑なものではなかった。今回は状況の見せ方や説明の速度、情報量も程よかった。

音楽はいつも以上にキャッチーだった気がする。演出と相まって映画のエンタメ性が増した。アクションシーンでここぞとばかりにかかるボンドのテーマの起用も嬉しかった。

このように様々な要素が肉付けされ、血の通った映画になったと思う。今まではリアルなボンドを目指しての引き算があったのかもしれないが、そのために温度を失ってはこちらも熱を持って見れない。全ての色付け肉付けが上手くいった作品だったと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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