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テイク・ディス・ワルツ (2011)

TAKE THIS WALTZ

監督
サラ・ポーリー
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3.40 / 評価:161件

解説

『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』で監督デビューを果たした実力派女優のサラ・ポーリーが、監督作第2弾として放つラブストーリー。恋人同士のように楽しく過ごせる夫がいながらも、とある島で出会った男性に心を奪われてしまった女性の戸惑いと喜びをシニカルなタッチで映し出す。『ブルーバレンタイン』『マリリン 7日間の恋』のミシェル・ウィリアムズ、『グリーン・ホーネット』のセス・ローゲンが主人公夫婦にふんし、新婚当時とは違った感情が漂い出す二人の仲をこまやかに体現している。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

フリーライターのマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)とチキン料理専門の料理本制作に奔走するルー(セス・ローゲン)は、結婚5年目ながらも仲むつまじく過ごす夫婦。ある日、とある島に仕事で訪れたマーゴは、そこでダニエル(ルーク・カービー)という情熱的な青年と出会う。彼に強く惹(ひ)かれ、一緒に島で楽しい時間を過ごすことに。だが、ダニエルが自分たちの家の向かいに暮らしていることが判明。近所ということで頻繁に彼と顔を合わせ、次第に心を奪われていく状態に罪悪感を覚えていくマーゴは……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2011 Joe's Daughter Inc. All Rights Reserved
(C)2011 Joe's Daughter Inc. All Rights Reserved

「テイク・ディス・ワルツ」二大インディーズ女優が不倫劇を通して探求した移ろいゆく人生の真理

 サラ・ポーリーとミシェル・ウィリアムズ。北米インディーズ・シーンで活躍する同世代の実力派女優ふたりのコラボレーションが、監督&主演俳優という形で実現した。「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」に続くポーリーの監督第2作は、人妻の浮気心のざわめきを描く恋愛映画。ふとした瞬間に驚き、喜び、困惑し、高揚する主人公マーゴの多様なリアクションを、ウィリアムズが少女のような初々しさで表現した。ラブ・シーンとは何の関係もない場面であけっ広げな裸体をさらすなど、ポーリー監督への全面的な信頼感がうかがえる。

 ウィリアムズの一挙一動に目が釘付けな本作で、最もハッとさせられるのが“虚ろ顔”だ。例えば昼下がりのキッチンで料理中のマーゴが、その場にしゃがみ込んで茫然自失となる冒頭シーン。体の具合が悪いのか、嫌なことでも思い出したのか、観客はもちろん、おそらくマーゴ自身にも理由はわからない。

 言わばマーゴは、平凡な日常の中に潜む虚しさの裂け目に落っこちてしまったのだ。ポーリーはヒロインと隣人の青年との不倫劇を通して、人間ならば誰もが思いあたる漠然とした憂鬱や欠落感を掘り下げ、ウィリアムズの魅惑的な“虚ろ顔”を得てその鮮烈なる映像化に成功した。このポーリーの野心的な試みがどれだけ観る者の心に響くかはかなり個人差が生じそうだが、筆者は底知れない人生の真理を目の当たりにした気分だ。ラスト・シーンのウィリアムズの移ろいゆく表情を見てほしい。そこにはほとんど戦慄さえ呼び起こす、陶酔と孤独が揺らめいているのだ!(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2012年8月9日 更新

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