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HELL
2012年6月30日公開

HELL

HELL

902012年6月30日公開

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4.0

水必須!な映画

ローランド・エメリッヒ製作総指揮の文言に惹かれて(釣られて)の鑑賞でしたが、エメリッヒ特有の大作感・ド派手感は皆無。 ある程度予想はしていましたが、今回のエメリッヒはあくまで母国の才能ある新人監督を世に送り出す為の手助け役と言った感じだったのでしょう。 まあ言ってみれば小規模・低予算で作られた普通のドイツ映画でしたので。 もしエメリッヒ製作総指揮と謳われていなければ、おそらく誰もエメリッヒが作品に絡んでいるとは気付かなかったことでしょう・・・と言うか、劇場公開どころかソフトスルーにもならなかった可能性大かな。 ただ、さすがはエメリッヒが世に送り出そうとした新人監督の作品だけはありますね、小規模ながらコンパクトにまとまったなかなか見応えある近未来スリラーに仕上がっていたと思いましたよ! まあ突っ込みどころは多々ありましたが、最後までドキドキハラハラしながら楽しめる内容になっていましたので、低予算を考慮すれば初監督作としては十分及第点を上げれる出来だったと言えるでしょう。 ドイツの新鋭ティム・フェールバウム監督、覚えて置いて損はないでしょうね。 物語の舞台は2016年、太陽の異常活動により地球の温度が10度上昇し、それにより動植物は死滅し、更には文明も崩壊して人間が生きる気力を失ってしまった時代を舞台にした映画となっていました。 それにしても、2016年ってめちゃくちゃ近い未来ですよね(苦笑) でもまあ昨今の温暖化を考えれば、ありえなくもないのかな・・・。 これって、夏に見たらめちゃくちゃリアルに感じるだろうなぁ(笑) 劇中の荒廃した様子も、意外と言っては失礼ですが予想以上にリアル感があった印象で、「ザ・ロード」や「ザ・ウォーカー」辺りと比べても規模こそこちらの方が相当小さいですが映像的にはそれほど遜色が無いぐらい荒廃した様子をうまく描けていたと思いましたよ。 マイナー映画専門のアルバトロス配給映画と言えばチープな映像が付き物ですが、本作はアルバトロス配給作の中なら(あくまでアルバトロス内の話ですよ)相当上位に位置する作品だったのではないでしょうか。 まあいつものアルバトロス映画のドB級な映像群も、あれはあれで結構好きなんですけどね(笑) さて物語は、そんな荒廃した世界を何とか生き延びようと、水を求めて山岳地帯へ向けて旅するとある3人に焦点を絞って(途中から4人になりますが)描かれていましたが、変に規模を大きくしないで少人数に焦点を当てたことによりそれぞれの心理描写が手に取る様に伝わってきて、思いのほか臨場感溢れる内容に仕上がっていた印象を受けましたね。 理性を失った時代でも人との絆を大事にしようとする者もいれば、自分だけ助かろうとする者もいる、人は極限の状態でこそ本質が表れると言うことなんでしょうか・・・。 そんな中でも主人公姉妹の絆、特に姉の方の執念、この辺はホント見応えがありましたね! それにしても姉ちゃんの方は、顔は好みじゃないけどいい体してたな~(笑) ちなみに本作はドイツ映画だった為か、まったく知らない俳優さんのみだったのも先の展開が読めなくて余計にドキドキ出来ましたね! ハリウッド映画だと大体ネームバリューで人の生死が読めちゃいますから(苦笑) ところでこの映画、後半の展開は近未来スリラーと言うよりかは完全にホラーの世界になっていましたので、まったくホラーは受け付けないと言う方にはちょっとキツイ映画かもしれませんね。 ただ、逆に近未来物が好きでホラーも好きな方なら最高のご馳走になるかもしれません! 道中で農場、家畜小屋、謎の老婆が登場するとなれば、なんとなくホラーファンならどうなるか想像できるでしょう? おどろおどろしい描写がね・・・。 まあその分、終焉を迎えた未来と言うには説得力が無くなってしまった印象もあったので、面白さとは裏腹に大いなる突っ込みどころを残してしまったのは非常に残念ではありましたが、面白ければそれで良しと言うことで・・・アルバトロス配給ですしね(笑) まあ何はなくとも、人が生きる上で一番大事なものはやっぱり水なんでしょうな~。 とにかく、無性に咽の渇きを覚えた映画でした・・・さあ、水、水!幸せだな~水が普通にあるって。

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