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デンジャラス・ラン (2012)

SAFE HOUSE

監督
ダニエル・エスピノーサ
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3.32 / 評価:650件

解説

『トレーニング デイ』のデンゼル・ワシントンと、『グリーン・ランタン』のライアン・レイノルズが共演を果たしたアクション。かつて最強の名をほしいままにしてきた元CIAエージェントと、新米の現エージェントによるリスクの高い逃走劇を描き切る。『イージーマネー』のダニエル・エスピノーサが監督を務め、『マイレージ、マイライフ』のヴェラ・ファーミガらが共演。主人公らが命懸けで逃げまくる32時間ノンストップの危険な賭けの行方に、ひと時たりとも目が離せない。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

36か国で指名手配中の元CIAの腕利きエージェントであるトビン(デンゼル・ワシントン)は、南アフリカのCIAのアジトに連れてこられる。彼が身柄を拘束されるやいなや、鉄壁の守りを誇るはずの隠れ家が何者かの攻撃を受ける。アジトの管理責任者である新人のマット(ライアン・レイノルズ)は、何とかトビンを連れて敵から逃れるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2012 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
(C)2012 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

「デンジャラス・ラン」新味と定石の面白さを共に抽出してみせた新鋭監督の天晴な底力

 開巻草々、じわじわともう不安が募っている。いてもたってもいられない感じが積み重なってる。確信犯的にぶれ続ける手持ちキャメラ。足下を揺さぶりすくう高速カット。ショットがぴしりと決まる寸前に融けて流れて情報をたたみ掛けるざわざわとしたペース。アクションもスリルもサスペンスも容赦なく数珠つながりにやってくる神経症的な時空――この感じどこかで見たと思う。思うのはむしろ当然なのだと、クレジットを見て納得する。なにしろかの“ボーン”シリーズの撮影監督オリバー・ウッドと編集リチャード・ピアソンがそろい踏みでこの一作のルックを支えているのだから。そこで少し唐突に「認証されたコピー」というアッバス・キアロスタミの前作「トスカーナの贋作」の原題を思い出したくもなる。というとなんだかイヤミに響くが、そうではない。観客の映像体験の底にある既視感を積極的に刺激して効率よく自作の磁場を導き出すスウェーデン出身の新鋭監督ダニエル・エスピノーザ。その勝因は記憶の、コピーの、肯定的な活かし方をぬかりなく心得ている点にあるだろう。

 作家として突っ張るのではなく集まった才能を生かす知恵を身に着けているらしい監督は、権力の腐敗=そう珍しくもない主題を芯にしたデビッド・グッゲンハイムの脚本からも新味と定石の面白さを共に抽出してみせる。CIAの“隠れ家”=設定の物珍しさを軸にしつつ、閑職をもてあます野心的新米捜査官と売国奴の嫌疑がかかる凄腕、対立するふたりのチェイスがやがて伴走、道行に変わるという昔ながらの逆転のスリルを活写していく。その堅実な手際。スーパークールな悪役を嬉々と快演するデンゼル・ワシントン以下のスターも味方につけた職人監督、天晴な底力を楽しみたい。(川口敦子)

映画.com(外部リンク)

2012年8月30日 更新

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