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依頼人
2012年7月21日公開

依頼人

THE CLIENT

1232012年7月21日公開

shi********

3.0

法廷劇は見応えあるが、穴があるのが残念。

死体なき殺人事件。 大量の血痕が残され、被害者である女性は死亡したと断定され、その夫が犯人として逮捕される。 弁護を引き受けた元検事である弁護士・カン。 依頼人、つまり被告人・ハンは容疑を否認。 犯行時刻とされる時間帯は出張から車で帰る途中で、居眠りをして道を間違え、さらに事故を起こし数時間気を失っていたと主張。 依頼人に怪しいところはあるが、検察側の動きも怪しく、現場の防犯カメラの映像を開示しようとしない。 やがてハンには数年前の殺人事件の重要容疑者だったが、証拠不十分で釈放された過去があることが明らかになる。 これは何が何でもハンを犯人としたい警察・検察の謀略なのか、それとも妻に過去を疑われたハンが殺害したのか。 決め手がないまま裁判は進んでいくが・・・。 恐ろしいところは検察や警察の歪んだ執念。 過去の殺人も彼の犯行だと信じるが、その根拠は信憑性が弱い目撃証言と彼の落ち着き払った態度。 まともな証拠は全くなく、大学教授の心理実験のような面接までするが、その教授に犯人ではないと言われ渋々釈放。 またその時の担当検事が今回の検事。 今回こそはと検察はメンツをかけて有罪に持っていこうとする。 こういった構図は現実の冤罪事件でも存在するのだろう。 依頼人は白なのか黒なのかという興味が尽きない上、法廷劇も見応えあり。 ただしこの作品には大きな穴がある。 警察が遺体の捜索をしないところだ。 警察と検察は、出張は嘘で、遺体を遺棄にしに行った、と主張する。 遺体こそが最大の証拠となるはずで、徹底的に捜索するはずである。 その様子が全くないのは、やはり警察・検察の謀略なのか、それともよっぽど無能なのか。 いずれにしてもこれは真相に関わる重大な件である。 観る者の予測を左右させる意味があるとも言えるが、これを終盤まで放置するのはあまりに説得力がない。 韓国映画も法廷劇も好きなのだが、本作についてはこの点が引っかかってしまった。 本来持つべき魅力であるはずの緻密さと説得力が欠けたところは残念だった。

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