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その夜の侍 (2012)

監督
赤堀雅秋
  • みたいムービー 323
  • みたログ 1,393

3.06 / 評価:878件

そう簡単に100:0にはなれない

  • cge******** さん
  • 2015年11月22日 21時43分
  • 閲覧数 2194
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず冒頭からタイトルまでのシーンで、傑作の予感を感じさせる。ここでの堺雅人は田中哲二に似ている。

人身事故を起こした人間と、それにより妻を亡くした人間、そしてそれを取り巻く人間の心情なんて理解できるものではない。複雑すぎるからだ。

中村は妻の復讐をする人間にはなりきれない。
プリンはまだ食べるし、追跡中にトマト買うし、前日にホテルに行く。思いとは裏腹に行動はどこかだらしない。
結局妻のために自分が何をするべきか、何をしたいのか葛藤している気がする。

木嶋も、強気でいるけど、実は脅迫状を恐れている。人を脅したり、小林の家に入り浸るのも、逆に弱さの表れにも思える。

そして小林を筆頭とした関や田口トモロヲや木南晴夏の存在。彼らは木嶋といる理由を「趣味がない」「あいつには俺が必要」という。他人からしたら理解できないが本人にとってはそれ以上ない理由なんだ。

こういう、よく分からない、強い意思もない、なんとなくな感情で、この物語の人物は行動しているように思える。
でも、木嶋といる四人に関しては、こういうヤツいそうだなぁて思えた。みんな趣味がないんだ。

ラストはさらに理解できない。でもあれで中村は過去と決別しきれたとはいえない。あとで後悔しちゃいそうだし、プリンもタバコも続けそうだ。

確かに「妻を殺された男の復讐劇」として描き、中村をもっと強い男にすれば、分かりやすく、共感し、勇気を貰えたかもしれない。でもこの作品は誰も理解できないことを理解し、リアルを描こうとしている。人はそんなに強くない。
終始緊張感漂うなかで、カラオケやホテルや寝巻きのシーンを入れたのも好きだった。そんなかっこよく決まるもんではないよと言っているようだった。

あと音楽の存在もでかい。
こんな理解し難い作品をよく商業映画として作ったものだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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