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その夜の侍 (2012)

監督
赤堀雅秋
  • みたいムービー 316
  • みたログ 1,367

3.06 / 評価:854件

家に人がいるっていいですね

  • tyaichiro さん
  • 2016年6月20日 17時39分
  • 閲覧数 4101
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

べたつく髪の毛。汗で光る肌。泥。工場。人間の臭いがする映画にこれまた人間臭い登場人物たちがいる。

 タイトルの「侍」とあるように当時の制度でもあった『敵討』『仇討ち』。主人公はかつて妻をひき逃げで殺され、その犯人への復讐を誓う。
妻の残した留守番電話の音声を聞き続け、死んだ妻の下着をポケットに入れ持ち歩く主人公の様はまさに『時間が止まってしまった男』そのもの。

全員が痛々しく、見ていて辛い、息が何度と苦しくなった。
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 薄暗く、茶色で人間の汚さがある画面。主人公のお見合いのシーン、『何でそんな所でお見合いをやるんだ』と言うツッコミも含め、客がカラオケをかける瞬間にこの映画の『変な』雰囲気に飲まれてしまった。

 堺雅人と熱演が凄い『生』が止まっている主人公と同時に観客の心を押しつぶすのは、ひき逃げの犯人である木島(山田孝之)。彼は、食って・排泄・寝て・オンナ、その動物的な欲しかない空虚な人間に見える。主人公が
『コガネムシが電気に向かって飛び、死んだ。その臭いがとてもつもなく臭い』
と言う。この空虚で何にもない木島に、木島以上に何も無い人間が電気の光につられるように集まる。そして、彼らはそこで死臭を放つ。
木島は電球の中の空洞のように何も無い。そのことに主人公は気が付いていた。

 風俗嬢が『暇だから』という理由で仕事を続けるように、人はそれでも他人を求め、触れ合いを求める。『たわいも無い話がしたい』と話し相手がいないと、人は話せない。
自分以外に『人がいるっていい』ことなんですね。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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