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その夜の侍 (2012)

監督
赤堀雅秋
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  • みたログ 1,364

3.07 / 評価:849件

最後の夜の意味とは

  • tch***** さん
  • 2020年1月26日 1時54分
  • 閲覧数 2613
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

登場人物の年齢も、職業も、関係性も、過去も、最低限しか与えられません。
会話の端々から何とか考察するしかないこちら側はこの映画の世界ではとても無力で、だからこそ暴力がより突然で、理不尽で、恐ろしいものに思えました。

妻を殺した犯人と心中するつもりで生きてきた主人公ですが、最後の夜にいざ対峙すると「君とたわいもない話がしたい」と言い出します。
毎日の食事まで几帳面に書きこんだノートを読み上げてから「君は本当に、何となく、生きてる」と吐き出し揉み合いになったあげく、犯人を逃がしてしまいます。
犯人のことを調べれば調べるほど、こんな奴自分の命も犠牲にしてまで殺す必要はあるのかと分からなくなった?それとも怖くなった?話をして理解し心を決めるつもりだった?
何にせよ最初からこの物語に君は関係なかった、と言った瞬間にようやく自分の人生から犯人を切り離す結論が出たのだと思います。
主人公が復讐日前日にホテルで使い物にならなくなったシーンを見て、ああ狂っているようでいて実は臆病で、真面目で、平凡なんだろうと感じました。
考え無しに人をポイッと殺す犯人とはまさに真逆の。

帰宅した主人公は大好物のプリンを顔や髪にベタベタぐしゃぐしゃに塗りたくります。
こんな馬鹿げた生活を続けてきたことへの自虐にも見えました。
彼は恐らく犯人を殺す日まで生きていれれば良いと、どんなに止められてもタバコとプリンを減らすことすらしませんでした。
きっとこの夜以降は、どちらとも縁を切ったのだろうと思います。

見る人によって解釈が変わりそう。
インテリスーツのイメージが強い堺雅人さんですが、また今作のような粘着性凡夫役も見てみたいです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
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