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さらば復讐の狼たちよ (2010)

譲子弾飛/LET THE BULLETS FLY

監督
チアン・ウェン
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3.36 / 評価:47件

解説

『鬼が来た!』などのチアン・ウェン監督が、今やハリウッドスターとなったチョウ・ユンファを悪役に迎えた歴史娯楽作。辛亥革命後の混沌とした中国を舞台に、たった7人で巨悪相手の無謀な戦いに挑んだ男たちの奮闘を描き出す。チアン・ウェン監督自らギャングを演じるほか、『運命の子』のグォ・ヨウや『2046』のカリーナ・ラウら豪華キャストが勢ぞろい。実力派俳優が一堂に会したパワフルな物語に夢中になる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

辛亥革命後の中国は、力のある者たちによる暴挙により、混乱の極みにあった。列車を襲ったギャングの頭チャン(チアン・ウェン)は、乗客(グォ・ヨウ)から県知事の職に就けばもうかると聞き、知事のふりをしてとある街にや乗り込んでいく。だが、その街は麻薬や人身売買に手を染めたホアン(チョウ・ユンファ)の支配下にあった。しかも、とある出来事によりチャンの義理の息子(ジャン・モー)がホアンによって殺害されてしまい……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2010 EMPEROR MOTION PICTURE (INTERNATIONAL) LTD. BEIJING BUYILEHU FILM AND CULTURE LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2010 EMPEROR MOTION PICTURE (INTERNATIONAL) LTD. BEIJING BUYILEHU FILM AND CULTURE LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

「さらば復讐の狼たちよ」中国映画的な香辛料をたっぷり効かせた大娯楽映画

 近年の中国映画の大作は、香港映画界のスタッフやスターの才能をとり入れて、国際化している。すなわち、中国映画的なくさみを抜いていて、<香港映画>と<中国映画>の境界はぼやけている。

 この映画は、中国の映画会社の名もずらりと並ぶが、筆頭にくるのは香港のエンペラー(英皇)である。ジャッキー・チェンの映画も製作する香港映画界の最大手で、普通だったら香港映画の伝統の味を守った作品を提供する。

 だが、この映画はその逆で、非常に中国映画的な匂いが強い。といっても、けなしているわけではない。さすがチアン・ウェン監督だと感心しているのだ。いまや、チャン・イーモウやチェン・カイコーのような巨匠たちが捨て去った中国映画的香辛料を、実力的にはすでに巨匠のチアン・ウェンはたっぷりと効かせている。それは何かというと、政治的状況の風刺といったものであるらしい。

 これは外国人にとっては本当に「隠し味」であって、正体がよく分からない。ただ、<第5世代>出現のときにそうだったように、その正体不明の「怪味」は複雑な美味ともなるのだ。詮索せずに味わえばいい。

 開巻、山中を数多くの白馬にひかせた鉄道馬車が走るという奇観が登場。ぼくなんかはマカロニ・ウエスタンを重ね合わせるが、中国語でこれを「馬列車」といい、その音は「マルクス・レーニン主義」を連想させる。そしてこれが転覆するのは……という解説を読むと、へえと思うが、そういうことをいちいち知らなくても画面に怪しい味とエネルギーが充満するのは感じとれる。<第5世代>とは違い、これをドンパチの大娯楽映画でやってしまうのがチアン・ウェンの凄さだ。(宇田川幸洋)

映画.com(外部リンク)

2012年6月28日 更新

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